表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
春休み、お花見バーベキュー大会
264/349

第264話:自己紹介大会③金ぱっつんお姉さんのお名前は



 満開の桜の下、開催中のお花見バーベキュー大会。


 八時間目のメンバーを中心に。


 あたしの友達、関係者が、勢ぞろい。


 おねえちゃんや、母さんの会社の人まで加わって。


 総勢、二十四名。


 うひょぉ。


 だね。


 その中の、おひと方、母さんの会社の、ホンダさん。


 それに、そのホンダさんのお連れの、女性三名。


 ホンダさんもだけど、女性陣は、初対面。


 あ、夏の合宿の時に、ちらっとだけ。


 あたしと母さん、それにシズさんはニアミスしてるけどね。


 話してたのは、母さんとホンダさんだけだったし。


 そういう意味では、この間の、ユイナおねえちゃんとホンダさんもニアミスと言えるよね。



 そんな、ホンダさんたちの、自己紹介の前に、ひと区切り。


 いったん、皆で、バーベキューのお肉お野菜、それに海鮮な食材も混ぜて、ぱくぱく。


「それじゃあそろそろ自己紹介の続き、いきましょー」


 空気を読むスキルが、何気に高い、金髪子先輩。


 もしかしたら、シズさんが、こっそり後ろで指揮してるのかも、しれない?


「あ、はい、ウチですね」


 ホンダさん、一人称が、ウチ(﹅﹅)なのね。


「ホンダと言います。今日は勤め先で一緒の園田さん、えっと、沙綾(さあや)さんにお呼ばれして、お邪魔させてもらってます」


 うん。


 そこは、さすがに、知ってる。

 他のメンバーにも、ざっとそんな紹介は、してるから。


 聞きたいのは、そこから、先。


「えーっと、それで、ですね、趣味で写真、野鳥の写真を撮ってたりするんですよ」


 あぁ。


 それも、知ってる。


「こっちの三人の()は、そのあちこち一緒に野鳥写真を撮りに行ってる仲間なんです。今日もこの後、一泊してこの辺りで鳥の写真、取ろうかなって計画してるんです」


 夏の合宿で会った時も。


 大きなカメラを抱えて、このメンバー、でしたよね。


「ちなみに、こっちの金髪の()は、ウチの妹の孫で、『蘭』って言います」


「孫!?」

「まごっ!」

「まご……」


 さすがに。


 驚きの、面々。


 ホンダさんが、そんなに高齢には見えないところもあって。


 父親ならまだわかるけど。


 おじいさん。


 あぁ、妹さんの孫なら、なんて言うんだろう。


 姪、とは違うのかな。


「はじめまして。鈴木家の長女、(らん)と申します。よろしくお願い致します。こんな見かけですが、そちらの金髪のお嬢さん……ミリィさんと同じ、日本人ですわ、ね、ミリィさん?」


「はいはーい、そうですよ、ウチも日本人ですーよろしく、蘭姉さん!」


 金髪子先輩にしてみれば、色々と親近感、沸きまくりだろうね。


「え、ちょっと待って」


 そこに、割り込む、ユイナお姉ちゃん。


「スズキ・蘭?」


 お姉ちゃんの問いに、少しムっとした表情の、鈴木さん。


「蘭、と、名前で呼んでいただければ有難いですわ。こっちにももう一人、スズキが居やがりますので」


 さらっとユイナおねえちゃんをかわそうと、するけど。


 そして、なんか、さらっと妙な日本語を聞いた気も、する。


「いや、スズキの蘭ってスクーターあったよね」


「……ええ、大昔にあったそう、です、わね」


 あぁ。


「ホンダ・タクトさんの大姪(おおめい)がスズキ・蘭って」


 あぁああ。


 爆笑、おねえちゃん。


 これは、さすがに、マズい。


 ホンダさんにもだけど、ヒトの名前を笑っちゃいかーん。


 あせって、おねえちゃんのクチを塞ごう、と、思ったら。


「いてっ!」


 ごつん。


 母さんの、縦チョップが、ユイナおねえちゃんの、脳天を。


 直撃。


「すみませんごめんなさいウチの者が大変失礼を」


 焦ってるのは、母さんも、同じ。


 あたしも、一応、ユイナおねえちゃんのクチを掌で覆って。


「これ、ウチもめっちゃ笑われる流れやン」


 関西弁の女性が。


「まぁ、もう、慣れとー(てる)からえぇけどな。ウチは……」


 ショートカットの方の、女性が。


「鈴木『方菜(かたな)』言います、よろしゅう頼んます」


「ぶっ!」


 ぐあぁ。


 おねえちゃん。


 あたしの手の中で噴き出してるし。


 『か()た』なら、よくある名前かもだけど。


 『かた()』って、ちょっと変わった、珍しい名前?


 かたな……(かたな)、かな?


 かっこいい名前?


 でも。


 ()()


 おねえちゃんが、噴き出すほどのお名前?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ