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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
新学年前の春休みっ
252/349

第252話:ホンダさんのお名前に爆笑おねえちゃん



 二日酔いで、会社を休んだ母さんだけど。


 ホンダさんのお見舞い効果も、あり?


 午後からは出勤、とのことで。


「かあさん、朝も食べてないし、ご飯、食べてく?」


「あ、うん。何かある?」


「朝の残りで悪いけど」


「うんうん、それでいいよ」


 って、ことなので。


「おねえちゃんも、食べる?」


「おー、食べる食べるよろしく真綾(まあや)


「はーい」


 どのみち、朝に準備して残してしまっていた、二人前。


 温めなおす感じで、ちゃちゃっと。


 作業をしていたらば。


 後ろで。


 おねえちゃんと、母さん。


「まぁ、悪い人ではなさそうだね。()()()()()()と違って」


「でしょでしょ。とぉっても、いいひと、なのよー」


「惚れた弱みかーでもバイク興味ありそうだったなぁ乗ってるのかな?」

「あー、うん、会社にもバイクで通勤されてるよ」


「そう言えば、帽子にもカワサキのロゴマークが付いてたわね」

「そうそう、カワサキのバイクだったと思う」


「ホンダさんなのにカワサキなのかー」


 あはは、確かに。


「あぁ、なんでも名前がバイクと同じで、若い頃にイジられたんだって、だから、ホンダのバイクが嫌いになった、って、言ってたわ」


「名前……、何てーの?」


「えっと……。タクトさん。本多卓人(たくと)さんよ」


 へぇ。


 と、言うか、母さん。


 想い人の、名前を呼ぶだけで、顔を赤らめるのは。


 乙女すぎや、しませんか、ね?


 そんな母さんを、よそに。


「ぶっ! うははははは。何それ、そのまんまじゃん! すごっ」


 何故か、大笑いの、ユイナおねえちゃん。


 何が、どう、そのまんま、なのか?


「そうなの?」


「うん。ホンダのスクーターでタクトってのがあるのよ」


 うわぁ。


「確かにそのまんまだね。そういえば、おねえちゃんのバイクは?」


「わたしのは、ヤマハだよ」


 え?


「ヤマハって、楽器とか音楽教室とかじゃなかったっけ?」


「あぁ、そっか、あんまり知られてないかなぁ。ヤマハ発動機って、音楽系とは別のグループ会社でバイクとかボートとか作ってるのよ。バイクで国産って言うと、ヤマハ、ホンダ、それに、スズキ、カワサキがあるんよ。海外だとハーレーにビーエム、ドカティとか色々あるよー。わたしは母さんの影響でヤマハになっちゃったけどねー」


「へぇ~」


 へぇ、と、しか。


 でも、まあ。


 好きなものの事って、ついつい、語りたくなる、もの、よね。


 そこは、わかる。


 気が、する。


 あたしも、ブラの事、聞かれたら、ついつい。


 って、それはどうでもよくって。 


「しっかし、ホンダのタクトさんかぁ。笑っちゃいけないけど、笑っちゃう名前だわ。って言うか、そりゃイジられもするわっはっは」


 まだ大笑いしてるユイナおねえちゃんに。


「んもぉ、ユイナちゃん」


 そりゃ、母さんも、プチ・お怒りモード。


 そりゃ、想い人の事を、笑われたら、ねぇ。


 ぷんぷん母さん。


 ほっぺぷっくり。


 なんか、可愛い。


「あぁ、でも、姉さんと結婚して、わたしの義理の兄になったら、母さんと三人でバイク談義とかできるかもなぁ。それはそれでアリだなぁ」


「ちょっと、ユイナ、まさかあなた……」


「あぁ、ナイナイ、それはナイ。さすがに歳がストライクゾーンどころか、大暴投ゾーンだわ」


「それはそれでいいけど……なんかムカつく」


 なんて、母さんとおねえちゃんが盛り上がっていますが。


「はい、ご飯。できたよー」


 まぁ、軽く温めなおしただけ、だけど、ね。


「ありがとう、真綾」

「さんきゅー、まぁや」


 あたしは朝食べてからまだそんなに時間経ってないから。


 後で別にお昼ご飯。


 たまには外食でもしようかなー。


 とか、考えながら。


 ふたりの食事を見守っていたらば


「あ、そうだ、姉さん、出かける前に学校前で真綾とチューショット撮って欲しいんだけど。真綾も制服に着替えておいてねー」


 あ。


 そんな話も。


 ありました、ね。


 二日酔いで、忘れたかと思ったけど。


 覚えてた、かっ。


 ちっ。


「ん? 真綾、なんか言った?」


「なぁんにもー」







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