第248話:二日酔いの原因は?
翌朝。
朝食の、準備をしてみたものの。
おねえちゃんはともかく、母さんまで、起きて来ない……。
仕方なく、母さんの寝室へ。
「母さん、朝だよー、起きないのー?」
返事が無い。
「お仕事、遅れちゃうよー?」
はて。
ユイナおねえちゃんが眠ってる部屋の方も、同様。
おねえちゃんは休暇だろうから、いいけど。
母さんは。
ゆうべのお酒のせい?
二日酔い、とかってやつ、なのかな?
ちょっと強めに、母さんの部屋をノックして。
「母さん、起きてー起きないとー」
呼び続ければ。
のそぉって感じで。
「うぅ……」
出ては、来たけど。
「頭痛ぁい……寝かせて……今日はもぅ休むぅ」
ぱたん。
部屋にお戻りあそばして。
これだと、おねえちゃんも一緒かな……。
ふたりとも、そんなにお酒強くないんだ、ね。
その、お酒の宴の、跡。
おつまみ代わりのお菓子とかも、散らかったままだったので。
そこも含めて、お掃除、お片付け、からの。
家事をひと通り。
ゆっくり、のんびりと、やっていたらば。
「うぅう、真綾ぁ、お水ぅ、お水ちょーだぁぃ」
のそーっと。
母さんがリビングにやってきた。
髪はバサバサで、前かがみにおでこを押さえて。
まるでゾンビ?
「はいはい、っと」
冷蔵庫から『どこそこのおいしい水』のペットボトルを取り出して。
少し大きめのコップに、なみなみと、注いで。
「はい、どうぞ」
リビングのソファに深く座る母さんに、手渡し。
「ありがとー」
ごきゅごきゅ、お水を飲み干す、母さん。
「はふぅ。二日酔いがこんなに辛いなんて」
「大丈夫?」
「だいぶ良くなったけど、まだちょっと辛い……」
ぐでー。
って、感じで、ソファに深々と。
「お酒はほどほどにしないと、ね」
「うーん、そんなに飲んだつもり、ないんだけどなぁ。なんでかなぁ」
とか。
母さんと話していたらば。
「それよ、それ、なんでこんなに。あたしにもお水ちょーだい」
ユイナおねえちゃんも、やってきた。
おねえちゃんの分のお水も用意して。
「はい、どーぞ」
母さんと並んでお座りおねえちゃん。
「ぷはぁ、生き返るー」
まるでお酒を飲むように。
ただのお水、だよね?
「わたしもそんなに弱い方じゃないはずなのに、なんでかなぁ」
なんでかと聞かれても。
あ。
でも。
「あたしがお酒を勧めすぎた?」
「いやぁ、それにしても……そういえば、真綾がお酒注いでくれてたよね」
「うん。茶色いボトルから、お酒をコップに」
とぷとぷ、って、感じで、注いでました、ね。
「お水は?」
「お水?」
「もしかして、ウイスキーだけ、入れた?」
「うん」
「それだー!」
え?
おねえちゃんの話によると。
ウイスキーは、そのまま『ストレート』で飲むこともあるけど。
おねえちゃんたちは、普通、お水を混ぜて、『割って』呑むのだそうで。
あたしが注いだウイスキーだけの『ストレート』をがばがば呑んだせいで。
二日酔い。
あちゃぁ……。
「まぁ、知らなかったなら、しょうがない。でも、お酒に弱い人だと急性アルコール中毒とかになって危ないから、これからは気をつけて、ね」
「はい、ごめんなさい」
しょぼん。
ぴんぽんぴんぽーん。
あら?
お客さん?