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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
新学年前の春休みっ
246/349

第246話:ふたりでお風呂でゆっくりと



 結婚。


 付き物と言えば、付き物なお話。


 なんだろうけど。


 ねぇ。


「子供作るにしても、楽しまないと、ねぇ」


 ねぇ、じゃ、ねぇ、って、おねえさまや。


「だーかーらー、もぉ、そういうの、勘弁してよ」


 ほら、母さんも、真っ赤っか。


「んー、わたしの事はいいとして、沙綾ねえさんはどうなのよ、結婚とかしないの?」


「う」


 矛先(ほこさき)


「まだしばらく先かもだけど、真綾が嫁に行ったら老後はひとりきりよ?」


「真綾は嫁にはやりません。それにまだ老後なんて歳じゃないモン!」


 母さまや。


 何気に、可愛らしい……のは、いいとして。


 嫁じゃない、と、何度申しますれば?


「それにしても、子供とふたりきりとか、寂しいじゃない。まぁ、実家に戻って、わたしの手伝いしてくれるとかもいいかもだけど」


 あぁ。


 その手も、あるのか。


 就職先。


 困ったら、ねえさんのところ、と言うか、母さんの実家で。


 お手伝い、かぁ。


 農家のお手伝い、とか、大変そうだな。



「わたしは……」


 あたしの事よりも。


 母さん。


 結婚、と、言えば。


「お? なんか、そういう話、あるわけ?」


 おねえちゃん、食いつき。


「あいやぁ、まぁ、あると言うか無いと言うか」


 母さん、しどろん、もどろん。


 仕方ない、か。


 告白はして、その意志はあるものの。


 相手のある話だし。


 その相手の回答も、保留されちゃってるらしいし。


「なんだ、あるんじゃない。聞かせてよ、ほら、吐け吐けぇ」


 ねえさまや。


 まだ食事中です、よ?


 回鍋肉、辛うま、辛うま。


 もぎゅもぎゅ。


 下手にクチも挟めず。


「実は、勤めてる会社のひとで……」


 母さんも、あたしに話した時みたく。


 誰かに聞いてもらいたい面も、あったの、かも。


「ふむふむ、そのひとが?」


 おねえちゃんも、興味しんしん。


 前のめりん。


 でも。


 お箸が、止まってる。


 せっかく、美味しく作れた回鍋肉(ごはん)


「ふたりとも、ごはん、冷めちゃうから、後でゆっくり、お風呂にでも入りながらおしゃべりしたら?」


 と。


「あはは、こりゃ一本。ホント、真綾はいいお母さんになりそうだ!」


 んもー。


 でも、まあ。


 ご飯は美味しく楽しく。


 他愛もない話題に、戻して。


 箸も、進めば。


「ふぃい、ご馳走さまー。おいしかったよー、真綾!」


「はい、お粗末様、でした」


 お世辞でも、嬉しいけど。


 おねえちゃんの、この、満面の、笑み。


 本当に、そう思って言ってくれてるんだって、わかると。


 なお、嬉しい。


 むふー。


 そして、食後のお茶とデザートも、堪能したら。


 ぴろりろりーん。


『お風呂の準備ができました』

 

「っと、じゃあ姉さん、一緒にお風呂はいろうかー」

「えー……」


 母さんは、少し引いてるけど。


「昔はよく一緒に入ったじゃない、それに真綾もさっきお風呂でゆっくりお喋りしろって言ってたしー」


 まぁ、あたしに聞かれず、ゆっくりふたりきりで、と思った次第ですけど。


「真綾も一緒に、三人で、入る?」


「入りません。姉妹水入らずでどーぞ」


「お風呂で水入らずってのも変な話だね」


「水入らずでお湯に入るんだからいいじゃない」


 母さん、ナイス。


 ですが。


 素直に入るの了承しちゃってますね。


 はい、行ってらっしゃい。


 入ってらっしゃい!





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