表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
新学年前の春休みっ
244/349

第244話:ユイナおねえちゃんとチューショット



 急に我が家に来訪された、ユイナおねえちゃん。


 でっかいバイクで、登場。


 今は、シャワーを浴びていらっしゃいます。


 母さんが帰って来るまでは、あたしがお相手。


 晩御飯にはまだ時間も早いので。


 軽くお茶とお茶うけをご用意。


 して、待っていたら。


「バスタオル借りたよー」


 と。


 カラスの行水? みたく。


 女性らしからぬ? 早さで。


 バスルームから、出て来た。


 のは、良いんだけど!?


「ちょっと、おねえちゃん! なんて恰好!?」


 いや、もう、ビックリ箱かな?


 バスタオルを身体に巻いただけの、おねえちゃん。


「いやー、替えの下着持ってくの、忘れちゃった」


 やっぱり『タオルだけかーい』って、突っ込んでおくべきだったか。


「んもー、だらしないなー。ちゃっちゃと着替えてよ」

「んー? 何なに、おねーちゃんの裸に興奮する?」


「し・ま・せ・ん!」

「ほんとかなぁ?」


 んもぉ。


「あたしも着替えて来るから、おねえちゃんもさっさと着替えて」


 ここは、逃げよう。


「あたし、か……しの女の制服、よろしくねー」


 そう。


 おねえちゃんが、家に来た目的。


 あたしに会う、と言うより、あたしの制服姿を見たいから、だとか。


 入学して、しの女の女子の制服で通学してるって話は、してあったし。


 写真とかも、送った(送らされた)から。


 知ってはいるんだけど。


 やっぱり、(ナマ)で見たいから、って。


 わざわざ、遠くのこの家まで。


 バイクで何時間、かかったのやら。


 元気なおねえちゃん、だ。



 大学院生とは言え、まだ学生さん。


 すでに成人して、そこそこのお歳では、あるも。


 まだまだ元気で若い、と言える。


 だからこその、おねえちゃん。



 しの女の制服、スカートバージョンに、お着換え。


 ウィッグは、無しで。


 一年で少し伸びた地毛を、少し整えて。


 軽く、お肌のケアも、しなおして。


 リビングに戻る。


「着替え終わった?」


「おぉおおおおお」


 着替え終わって、リビングのソファで、荷物の整理をしていたらしい、ユイナおねえちゃん。


 振り返って、あたしを見るなり。


「すごいすごいかわいいかわいい何これ何これ本物すごー」


 写真で見てたでしょ、と言いたいけど。


 入学して、わりとすぐくらいの時の写真、だったからなぁ。


 あの頃に比べると、ね。


 ぱしゃぱしゃ。


 いきなり、写真に撮られる。


 仕方ない、か。


 ひとしきり、写真を撮ってたかと思えば。


 あたしの肩を抱いて。


「ちゅーしょっと、ちゅーしょっと」

「ちゅーじゃないでしょ、ツーショットでしょ」


「そうとも言う!」

「そうとしか、言いませんよ」


 んもー。


 放っておいたら、本当にチューとか、しかねないからな、この姉……。


「って、言うか、並んで撮るなら母さんが帰って来てから母さんに撮ってもらえば」


「それは、それ。これは、これ。はい、撮るよー」


 って。


 チューじゃないけど、ほっぺをぴったり、くっつけて。


 ぱしゃり。


「あぁ、沙綾(さあや)姉さん、早く帰って来ないかなぁ。明るい内に、正門前で撮りたいなー」


 そこまで……?


 いや、まぁ、可愛がってくれてるのはわかるから。


 嬉しくは、あるけど、ね。


 ちょっと、ね。



 恥ずかしい……。


 誰にも見られてないのが、救い。


 こんなとこ、先輩たちや先生に見られた日には。


 ひぃ。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ