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第234話:トランス女子入学試験面接、はじまる



 去年みたく、積雪で混乱することも、無く。


 入学試験も、無事に終わり。


 よかったね、今年の受験生諸君!


 あたしの場合は、立地のおかげもあって、積雪も特に問題無かったけど。


 他の子たちは、しの女まで来るのが、大変だったみたい。


 途中で転んで病院に運ばれた子も居たらしい。


 今年は、寒くはあれど、天気は良く。


 滞り、無く、試験も終えた模様。


 そして、本日。


 午後の授業をカットして、特別面接。


 通常、女子は面接は無いんだけど。


 トランスジェンダー女子限定の、面接。


 あたしの時は面接と言うか、入学の意志確認、みたいな感じで、学校の応接室でやったけど。


 今回は。


 空き教室を使って、対象の子たち全員の、集団面接の形で実施する、とのこと。


 事前に、先生たちと段取りを打ち合わせ。


 基本的に、受験生への質問は教頭先生が、実施。


 校長先生以下、一年生の担任になる先生たちと。


 八時間目の、メンバーが、加わって話を聞く。


 その中で対象の子たちが東雲女子にふさわしい、『本物』かどうか、見分けるって。



 午前の授業を、終えて。


 お昼ご飯をささっと済ませて。


 面接会場になる空き教室の、準備。


 の、お手伝い。


 どちらかと言うと、この準備の要員に駆り出された感も、あり。


 机と椅子を、面接できる状態に、移動。


 黒板に配置図が描かれてあるので、その通りに。


 教壇側に、先生たちが陣取る机と椅子を並べて。


 その斜め後方に、あたしたちが座る席。


 向かい合わせで、面接の対象になる子たちの座る椅子だけを並べる。


 対象は、三名、とのこと。


 なので、椅子を、三つ。


 使わない机と椅子を、後方にまとめて積み上げ。


(てー)よく使われてる気がする……」

「バイト代、出ないかな?」

「出るわけ、ねーですわよ」

「せめて内申書をぉお」

「それくらいは欲しいね」

「あんたたち、園田さん見習ってクチ動かさずにカラダ動かしなさい」


 あはは、先輩方。


 お疲れ様です。


 てな感じで。


 設営も、終えて。


 席に着いて。


 そろそろ、お時間。


 対象の受験生たちも、廊下の方で待機中の、模様。


「では、はじめましょうか」


 校長先生の掛け声で。


 廊下で待機していたひとりの先生が、対象の受験生たちを教室の中へと誘導。


 あらかじめ説明されていたのか。


「失礼致します」


 元気に、いや、人によっては、ちょっと恥ずかし気に。


 お辞儀をして、ひと言挨拶して、部屋へと入ってくる。


 おっと。


 意外な事に。


 ひとり、男子の詰襟の子が、居る。


 他のふたりは、スカートの、制服。


 トランスジェンダー女子と、言え。


 中学では、認められずに、男子の制服で過ごしてた、って、ことなのかな?


 そんな、三名の受験生たち。


 誘導する先生に促されて、順に、座席へと。


 先ずは、椅子の横に、立ち。


「どうぞ、お掛けになって下さい」


 教頭先生の指示で。


 すっと、椅子に腰掛ける、三名の、生徒。


 このあたりは、廊下の方で事前に説明されてたんだろうな。


 多分。


「それでは、東雲女子高等学校入学試験面接を行います」


 教頭先生が、(メイン)で。


 面接が。


 はじまる。




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