表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/349

第23話:女の子らしい歩き方、からの・・・



 さて、全然ゴールデンじゃないゴールデンウィークも終わり。


 駆け足ぎみに過行く季節。


 と、言うか、中間テスト。


 七時間目だ八時間目だ、さらには女子力アップだとかで。


 さんざん時間を使うハメになり、勉強の方は。


 まぁ、普通に出来てるけどな。


 真面目に授業を聞いて、宿題に予習復習をこなしていれば。


 さほどの問題は、無い。


 それよりも、『女子』として覚えなければならない事が多すぎ。


 それに、慣れないが故にモタモタとしてしまう場面も多々。


 特に。


 歩き方とか、仕草とか。


 長年(と言っても十五年ちょいだが)男として生きて来て。


 そうそうしれっと変えられるものでもなく。


「一本の線の上を歩くように、左右の足を身体の中心で動かすように意識して……そうそう、そんな感じ。だいぶ良くなったよー」


 金髪子先輩の指導のもと。


 教室の前の廊下を、てこてこと、歩く、今日の八時間目。


「手は軽く握って、内側を少し前に向ける感じでキープできてるし……背筋も伸びてるし、うんうん、いいね、いいね」


「もういいかな? そろそろ時間だし、帰りたいんだけど?」

「えー、もうそんな時間かー」


 金髪子先輩と二人、教室に戻ると。


「あら? 終わり?」


 おさげ子先輩とぱっつん子先輩が席に座ってお勉強中だった。


 いいのか? 八時間目は?


「時間だねー」


 ちなみに、ロリ先生は今日は別の用事があるとかで不参加。


「ふぃい。なんだかんだで歩き詰めで疲れた……。これから買い物に行って夕飯の支度しなきゃいけないのに……うぅ……」


 オレがぽろっとこぼした、ほぼ独り言の愚痴を。


「え? 夕飯の支度?」


 おさげ子先輩が拾えば。


「まさかとは思いますが……お料理、されるんですの?」


 ぱっつん子先輩が後を継ぐ。


「ん? あ……まぁ、な」


 母ちゃんと二人暮らし。


 朝食は母ちゃん。お昼は各自外食。まぁ、オレは今は家に戻って自前で食べてるけど。


 平日の夕食は、ほぼ、オレが担当。母ちゃんが休みの時は母ちゃんが作ってくれるけど。


「え?」

「え?」

「うそでしょ?」


 いやいや。


 あ。


「まさかとは思うけど、先輩方……」


 料理、出来ない?


 左を向く、ぱっつん子先輩。


 上を向く、金髪子先輩。


 右を向いて口笛を吹く、おさげ子先輩。


 出来ないらしい……。


 そして、三先輩が、何やら円陣を組んでボソボソと、会議。


「よーし、園っちの女子力を確かめるために夕飯のテストをしよう!」


 円陣を解いて、真ん中のいちばんちっこい金髪子先輩が、一番高い声で、そう(のたま)いやがった。


「えー……」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ