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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
母さんと先生のあれやらこれやら
225/349

第225話:まさかの女子寮『園田』



 それから、数日。


 今。


 あたしは。


 あたしたちは。


 また。


 東雲女子高等学校の。


 応接室に、居る。


 校長先生、教頭先生、それから、二年の学年主任の、先生。


 それに。


 エリ先生、おさげ子先輩、金髪子先輩、ぱっつん子先輩。


 それから。


 あたし。


 と。


 母さん。


 なにげに、何度目かの、応接室。


 メンバーも、似たり寄ったりな、寄り合い?


 そこで、エリ先生からの、進言? 申告? 懇願? 嘆願?


 園田家に居候したい、と。


 八時間目のメンバー全員で、と。


 もちろん、と言うべきか?


 それを聞いた教頭先生が。


「ダメに決まってるでしょう、そんなこと許可出来る訳ないじゃないですか」


 快活、一刀両断。


 すぱっ!


 ですよねぇ。


 最初から、ダメ元感も、大きく。


「男子生徒の自宅に女性教師や女子生徒がなんてしかも……」


 教頭先生は、ちらり、と、母さんを見やり。


「不純異性交遊に関して前科のある人物の自宅ともな……」

「教頭先生」


 言いかけた教頭先生を、校長先生が遮る。


「過去は過去。もう十五年以上前のお話でしょう。本人も海よりも深く反省して更生なさっていますから、今はそれは関係ありません」


 逆に一刀両断、遮られた方の教頭先生は。


「ですが、校長……」


 言葉を濁すばかり。


 言いたい事は、わかるけど、校長先生のおっしゃる通り。


 母さんも、ね。


「ふむ……ひとつ良い案を思い付いたのですが、結局、真綾さんの存在がひっかかってしまいそうですね……」


 そりゃぁ、そうでしょうとも。


 見かけや仕草は、自分でも驚くくらいに、女っぽくなったとは思うけど。


 根本的な、根幹は、と、言えば。


 覆すことのできない、大いなる、差異。


「ちなみに、参考までに、校長先生のその案をお聞きしてもよろしいですか?」


 採用はされずとも。


 校長先生の、アイディア。


 教頭先生のみならず、みんなも興味あるだろうね。


 あたしも、聞きたい。


「いえ、園田さんのお宅を女子寮として借り上げる、なんて言うのはどうかな、と思ったのですが」


 ぉおっと。


「寮、ですか……」


「ええ。寮であればと思ったりもしましたが、真綾さんが居る限り、そもそもの問題が付いてまわりますしね」


 ですよねぇ。


「沢田先生のご苦労も鑑みて、何かお役に立てれば、とは思うのですが」


「そうですね……降って湧いた災難、できれば、とは思いますが……」


 校長先生も、教頭先生も。


 無下には、と。


 あたしの家に同居の線は、もう無いと言いつつ。


 何か?


「寮と言えば、昔あった学生寮って、今、もう無いんですか?」


 母さんの指摘に、校長先生が。


「ええ、十年程前に引き払ったんですよ。生徒数の激減で入寮者も少なくなって」


 即答。


 なるほど。


 学生寮があって、部屋が空いていれば、先生に使ってもらえるかもだけど。


 寮そのものが無いんじゃ、どうしようも、無い。


 そして。


 妙案も無く、皆が沈黙に入った。


 かと、思えば。


「あのぉ、意見具申、よろしいでしょうか?」


 あたしにはあまり馴染みのない、二年の学年主任の、先生。


 エリ先生の、上司にあたる先生らしい。


「何かありますか? 田所先生」


 さらにその上司にあたる、教頭先生。


「はい、現在使われていない宿直室なんてどうでしょう? 少し片付けすれば二、三か月なら寝泊まりには困らないかと思われます」


 校長先生、そして、教頭先生が。


 右手の拳を、左の手の平に、ポン、と。


「ソレですっ!」

「それがありましたかっ!」


 ぉお?


 なんか、いい(アイディア)


 って、宿直室って、一体、何?




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