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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
どとぉの冬休み~山田くんの彼女と
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第187話:ミツキさんがフィッティング中に山田くんとお喋り



 ミツキさんを店員さんに引き渡して。


 山田くんを探しに、一度店外へ。


 っと、探すまでもなく。


 下着屋さんの、となりのお店の前あたりの壁際で。


 まぁ、ひとりで待機だと、携帯端末で何かしてる、か。


「山田くん」


 と、声をかけると。


 一瞬、ビクっとして、こっちを見て。


「なんだ、園田か。終わったのか? あれ? ミツキは?」


 あたしも、山田くんの脇に立って、横並びで。


「今、フィッティング中。店員さんに色々アドバイスしてもらってるよ」


「そうなのか。園田が教えるんじゃなかったん?」

「専門家……店員さんには、かなわないし、ね」


「そりゃぁそうか……時間、かかりそうだな」

「うーん、どうだろうでもちょっとかかるかも、ね」


 さすがに下着屋さんでフィッティングとか、実際にしたことは無いし。


 あぁ、雪人さんのところで、簡単なフィッティングは、したけど。


 本物の女性の、と、なると、ずいぶんと違う、よね。多分。


「まぁ、女の買い物が長いのは……仕方ない、か」


 ん?


 ちょっと、違和感。


「なんか、慣れてる?」


「あー……」


 山田くん、一瞬、言い淀むも、でも、観念したかのように。


「付き合い始める前もなんだかんだ買い物とか付き合わされてたから、な」


 それって。


「付き合い始める前から付き合ってたって事かー」


「ちげーよ意味わかんねーよ何だそれ」


 山田くん、苦笑。にがわらい。


 さすがに、違う、か。


「着る物だと、女の子は選択肢が多いしねぇ」

「だよなぁ、あんなに種類あるんだもんなぁ」


 ちらっと、視線を下着屋さんの方に向けるも。


 すぐに視線を外す。


 うん。


 男の子が、女性の下着売り場をジロジロと見るなんて。


 なんか、罪悪感、と、言うか、犯罪臭を感じてしまう、よね。


 わかる。


「園田の特殊な事情はわかるとしても、あんなとこ、よく入れるよなぁ」

「最初は恥ずかしかったよ、さすがに。今でもひとりじゃ入れないもん」

「そりゃそうか」


 でも。


「実際、自分で身に着けるものになっちゃったからね」

「やっぱそれが大きいか」

「うん。それが入学の条件だったし、やむを得ず、って感じで」


 うーん、と。


 少し考えるヒトになる、山田くん。


「まぁ、そんな突拍子もない話でもなけりゃ、手、出さんよな」

「レイちゃん……菅原さんみたいなパターンも、あるけどね」

「あー、あの子、な」


 女装とかLGBTQについても少しネットの記事とか読んでみたけど。


 そんなに多くは無いとは言え。


 一定数は、いらっしゃるし。


 身近にも。


「あと、女装ショップの店長さんと、その息子さん」

「うんうん。てか、意外と身近に居るのな」

「だね」


 あはは、と。


 ふたり。


「そう言えばさぁ……」


 みたく。


 他愛もない昔話なんかで、地味に盛り上がり。


 ミツキさんを待っていたらば。


 ぴこっ。


 山田くんの端末に、メッセージ。


「ミツキ、終わったって」


 画面をこっちにも見せてくれて。


『はふー終わったーどこにいるー?』


 では、ミツキさんと再度合流して……。


 今日は、終わりにしよう、よね?





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