第165話:ルミネさんとカナさんとコスプレ衣装
エリ先生が着替えだとのことで、リビングから離れて。
別の場所……バスルームの脱衣所あたりに移動しちゃったので。
リビングには、あたしと。
エリ先生のお友達がおふたり。
おふたりとも、かなり特殊な衣装。
ぶっちゃけ、ある程度の予想内。
「やぁやぁ真綾ちゃん会いたかったよ!」
青い系の衣装の女性。
わりと背が高い。
「写真で見るより本物のがずっと可愛いね!」
赤い系の衣装の、女性。
こちらはあたしと同じか、あたしより少し高い?
「はじめまして、園田です、よろしくお願いします」
一応、年上、目上の方々。
ここは礼儀正しく、お行儀良く。
「うんうん知ってる知ってるアタシはルミね、よろしく」
「よろしく真綾ちゃん、わたしはカナ」
青くて大きい方が、ルミネさん。
赤い方が、カナさん。
「よろしくお願いします、ルミネさん、カナさん」
一瞬。
ルミネさんが、固まり。
カナさんが、噴き出す。
「ぶははははっ! ルミネさん! ルミネさん!」
はい?
もしかして、あたし、なんか、ヤらかしちゃった??
「真綾ちゃん、ルミネじゃなくて、ルミね……あぁ、もう、ややこしいな。名前は、ルミ。ルミネじゃなくて、ル・ミ、だよ」
あああああああああああ。
「すみませんごめんなさいルミさん、申し訳ございませんっ!」
猛烈に、お詫び。
ヒトの名前を間違うとか。
ヤばすぎだよね。
と、言うか。
ルミネさんとか。
微妙に無い名前、だよね。
ルミ。
なら、わりとある、か……。
なんでそんな誤解を!?
あぁ。
緊張してるかなぁ。
この部屋、マンションや、高級外車とか。
それに、初めてあった、大人の女性だし。
うぅ。
そこへ。
「何? どうしたの? もう盛り上がっちゃってる?」
黄色いエリ先生が、戻って来られましたが。
リビングの、あたしたちの状況に『?』マーク。
「あはは、何でもない、何でもないよ、大した話じゃないし」
当の本人。
ルミさんが、笑い飛ばしてくれて。
それより。
やはり、エリ先生も、おふたりと同じ系統で色違いの、衣装。
うん。
見たことある、と、言うか、よく見るやつ。
テレビで。
日曜の、朝に。
と、言う事は……。
「さて、じゃあ、早速だけど真綾ちゃんもコレに着替えてもらおうかしら」
やっぱりぃいいいいいい。
手渡されたのは。
緑色系の、衣装。
畳んであるので、全容はまだわからないけど。
見るまでもなく、お三方と同じデザイン。
ふわっふわのスカートは、白で裾の方にそれぞれの、色。
ボディにフィットしたトップスが、各自各色。
その胸元や肩にはヒラヒラの白いレース。
スカートを留める少し幅広のベルトの正面には、ハート型の物体と、両サイドにはポーチもしっかり付いてる。
金髪子先輩と一緒に観たアニメ。
ゲームセンターでエリ先生が欲しがっていたぬいぐるみ。
赤、青、黄、緑。
四人、四色の。
変身少女の、変身後の、コスチューム。
まぁ、これは、これで……。
ちょっと、楽し、そう?
「かな?」
「ん? 何?」
あぁああ。声に出てしまった?
「あぁ、違います、カナさんの事じゃないです」
焦。
とりあえず。
着替えに行こう……。
「ここで着替えてもいいよ?」
カナさぁあああああん。
「脱衣所お借りします!」
アブナイ。