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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
まあやがまひた来年度
154/349

第154話:来年度の生徒募集について



 意外な人物。


「え? お母さん?」


 声が裏返りそうになったわよ。


 びっくりよ。


「はぁい、お母さんですよ。お待たせしました」


 知ってる、けど。


 朝、一緒に家を出て。


 母さんは仕事に行ったはず、なのに。


「どうぞ、お掛けください」


 校長先生に促されて。


「はい、失礼致します」


 着席母。


(三者面談……どころの騒ぎじゃなさそうですね)

(いち、に、さん……六者面談!?)


 隣のエリ先生も、驚愕。


 はて、なぜに、母?


「それでは早速ですが……」


 母さんがソファに着いて一息入れたところで、校長先生が話しはじめる。


「来年度以降の新入生募集に関しまして……」


 あ、やっぱり、そっち方面のお話、なのね。


「本年度のように男子の募集は行わずに……」


 あれ?


 そうすると、今、作ろうとしてるトイレや更衣室は?


「トランスジェンダー女性を募集することにしたのです」


 え?


 あたしが疑問に思っていると。


「えっと、トランスジェンダーと言うと、身体は男性だけど、心理的には女性の方、でしたか」


 母さんがすかさず確認を入れて。


 なるほど、レイちゃんみたいな子の事ね。


「はい、お母様、その通りです」


 さらに。


「それと真綾(まあや)に何か関係が?」


 はい、お母様、その通りです。


 あたしの場合は、ちょっと違うと思うんだけど?


「単刀直入に言いますと、新しく入学するトランスジェンダー女性と一般の女生徒との橋渡しのような役割をお願いしたくて、ですね」


 あぁ……。


「具体的には?」


 母さんのツッコミ。


 うんうん。


「本年度行っているような『八時間目』のカリキュラムとして、その新入生の相談に乗ってもらうような形を考えています」


「あぁ、なるほど」


 母さん、なんか納得しちゃってる、けど?


「内容については園田さん……真綾さんとも相談して決めて行きたいと思いますが、あらかじめ保護者の方……お母様にもご理解を頂きたく」


(うわ……来年もやるんだ……と言うか、やらされるんだ)

(先生……ご愁傷様ですと言うかここまで来たら一蓮托生ですよ)

(うぇえぃ)


 エリ先生、涙目。


(でもまあ、内容はあたしたちが決めれるみたいだからこれまでの通り適当でいいんじゃないですか?)

(ふむふむ、それはそれでアリ?)


「うぉっほん……真綾さんも、お願いしてよろしいですか? あと、沢田先生にも引き続き顧問をお願いします」


「は、はい、別に構いません」


「りょ、了解しました」


(うぅ、こっちはお願いじゃなくて指令だよぉおお)

(どんまい先生……)


 しかし。


 でも、そうすると。


 去年と言うか、今年、共学化として男子を募集していたのはなんだったのか。


 実際、入学できた男子はあたしひとりだけだった訳だけど。


 今のようにトイレや更衣室は全く用意されてなかったし。


 いい機会だから。


 ぶっこんでみよう、かな?



「校長先生、ちょっとよろしいですか?」




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