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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
真綾ちゃん下着を語る
144/349

第144話:男装した女子先輩が女装した姿(なんだそれ)



 二回目の、アルバイト。


 ちなみに、雪人さんや雪枝さんから直接、ではなく。


 学校経由で、アルバイトの要請。


 なんだ、それ、って感じだけど、本来、アルバイトは禁止なので。


 学校が依頼を受けて、それをあたしに回してくれるって手はず、かな。


 おそらく、雪枝さんの会社で新しいスラックスタイプの制服を制作したりと、繋がりを作って、みたいな流れなんだろうことは推測に難くない。


 でもまあ、おかげさまで。


 久しぶりにレイちゃんと直接会って。


 三か月ぶりのアルバイトは、前回とほぼ同じ要領で。


 違っていたのは、例のゴスロリドレスが無いこと。


 前回は、わりと特別(スペシャル)な回とのことで。


 今回は、普通のファッション。


 冬・春もの。


 今、十一月で、秋たけなわ、だけど。


 この業界では、ひとつ先、ふたつ先の季節(シーズン)を、先どり。


 そんな衣装をとっかえひっかえお着換えして、撮影。


 雪人さんの指導も頂きつつ、ポージング。


 いい感じで、仕事を終え、お給金も頂いて。


 アルバイトの撮影自体は、無事、終了。


 翌日、日曜日の、午後。


 レイちゃん、それに先輩たちや先生と、待ち合わせ。


 今日は、念願の、女性用の下着屋さんへ下着を買いに、れっつごー。


 なのです。


 目的の施設がある、隣駅で、集合。


「おぅ、レイちゃん、お久しぶりー」


 金髪……子? 男? 先輩が。


「お久しぶりで……す?」


 そりゃ、レイちゃんも引くわよね。


 金髪先輩は、まだマシだけど。


「やぁやぁ、レイ君、おひさ」

「おぅ、レイ、久しぶりだ、ぜ」


 おさげ先輩とぱっつん先輩は。


 もはや、何ヤツ!?


 状態。


 がっちりとした体格に、不自然な、膨らみ。


 それでいて、ガーリーな装いのスカートだったりパンツだったり。


 髪型は女性型ではなく、あれ、これ、ウィッグ?


「先輩方、お疲れ様です……もしかして、ウィッグも用意されました?」


「おぅ、涼しくなったし、ウィッグにもチャレンジだぜー」


 金髪先輩は、そのままでもよかった気もするけど。


 同じような金髪の、ベリーショートなウィッグを装着されてる。


 おさげ先輩も、ぱっつん先輩も男子風の、ウィッグ……。


 おそらく、男装グッズを使って胸板とか肩幅を盛った状態で。


 女装用? のグッズを重ね合わせて。


 男装した女性が女装する。


 いや。


 もう。


 えげつない、って、言っても、よいですか?


 言えんけど。


 胃炎になりそう……。


 ちなみに。


 先生も同行で、集合してるけど。


 お腹を抱えて、涙を流しながら、笑い転げてらっしゃいます。


 それもある意味、恥ずかしいから止めてほしいんですけど……。


 人通りの多い駅前。


 視線が、痛いです。


「あははは、さぁ、お買い物、行こっかー」


 ひとしきり笑い終え、先生が音頭を取って、先導。


 そして、別の意味で、お店に入りにくくなったような気もしなくは、無い。


 レイちゃんと顔を見合わせて。


(聞いてないんだけど……)

(聞いてたけど、本当にやるとは思ってなかったよ……)


 でも、まあ、このヒトたち、なら……って。


 思うしか、ない、かなぁ……。


「さぁ、行こうぜ、お嬢さん方」


 はいはい。


 ぱっつん先輩にカモーンされて。


 とぼとぼ。


 ショップのある駅前ビルへ。



 いざー。




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