表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
真綾ちゃん下着を語る
143/349

第143話:下着屋さんに下着を買いに行く予定



 まだ、文化芸術祭は開催中で、もうそろそろ、終わりの時間。


 クラスのお留守番も終わって、八時間目で使ってる教室で、先輩たちとエリ先生と、少しくつろぎ中。


 それも、そろそろ、お(しま)い、なんだけど。


 その前に。


「えっと、先輩方、来週の週末、日曜って時間、あります?」


「空いてるけど、何?」

「何かあるのか?」

「またなんかイベントでもあるのか?」

「先生はご不要ですか?」


「えっと、ちょっと、買い物に付き合ってもらえないかなぁ、なんて」


「買い物? いいけど、何買いに行くん?」


「えぇっと、その、あの、ですね」


 ちょっと言いづらい……。


「下着屋さんに、下着を買いに行きたくて、ですね……」


「へ?」

「いつも買いに行ってるんじゃないの?」

「てっきり、普通に買いに行ってると思ってたぞ?」


「いやぁ、実は、ですねぇ……」


 そう。


 同じ女装のお友達、レイちゃん。


 菅原レイちゃんと、下着屋さんに下着を買いに行こう、って、行ったはいいんだけど。


 お店の前まで行って、その迫力と言うか、色気と言うかに、負けてしまい。


 女装男子ふたりで中に入る事が出来なかった、のです。


 母さんと行った時はちゃんと入れたのになぁ。


 レイちゃんが下着屋さんの雰囲気にビビッてしまって、あたしもそれにつられた感じ、かな。


「それで、来週の土曜日にはまたアルバイトがあるんで、次の日曜に買い物に行きたいなぁ、って、レイちゃんと話してて、ですね」


「なるほど、それで女子に同行してもらいたい、と?」


 おさげ男先輩、話が早い。


「下着屋さんで下着買ったことないなぁ、オレっち」

「あぁ、ミリんちは、シズさんが買って来てくれるんだっけ?」

「そうそう、自分で買いに行ったこと、無いんだー」

「まぁ、サイズ合わせる必要性がかなり低いからな」

「そういうことー、って、どういう意味やーっ!」


 わちゃわちゃ。


 先輩たちの、下着屋さん談義。


「わかった、そういう事なら、いいぜ、付き合ってやるよ」

「ボクもいいよ」

「オレっちもー」

「はい、はい、先生も、先生も行くよー」


 ひとりふたりでもよかったですが。


 全員オッケーとは。


「ありがとうございます、じゃあ、時間とか集合場所はレイちゃんと相談して、グループメッセージで送りますね。多分、午後過ぎに隣駅になると思いますけど」


「おっけーおっけー」

「了解だ」


 金髪男先輩とぱっつん男先輩は、即答のノリなんだけど。


 おさげ男先輩が、また、思案顔からの。


「ふむ、そうか……男装した上に女装するってのも面白いかもしれないな……」


 とんでも無い事を言い出した!?


「ちょっと待って下さい、なんですか、それ。女性が男装した上で女装するって……カオスすぎませんか?」


「いや、真綾(まぁや)が女装してる気分を味わう事ができるかな、って」


 思わなくていいですよ、そんなこと……。


「思わなくていいですよ、そんなこと……」


 あ。


 また、考えてる事が、そのままクチから出ちゃった。


「なんか面白そうね、それも……だとしたら、先ずは女装ショップで、女装用のグッズを揃えないとだね」


 せんせーー!?


 先生の悪ふざけが、過ぎる件!


「じゃあ、真綾とレイちゃんがアルバイトしてる間に、女装ショップにゴーだな」


 マジですか……。


「いやいや、ごめんなさい、普通に女子として付き合って欲しいんですけど?」


 勘弁してください。


「いやいや、女装して女性用の下着屋さんに行くのに付き合うなら、女装して行くべきだろう」


 すっ飛び理論っ!?


「それはまあ、そうかもしれないですけど……」


 何かが、違う。


 すべてが、違う、と、思うんだけど……。


 エリ先生が、締めにかかる。


「よし、まぁ、とりあえずそういう事で、そろそろ終わりの時間だから、戻りましょう」


 呼応して、三先輩も立ち上がって。


「ふむ、クラスに戻るか。またなー、真綾ぁ」

「ほい、じゃぁ、またな、真綾」

「真綾、先生、また明日、な」


「あ、お、お疲れ様です、また明日……」


「はいはい、真綾ちゃんも戻った戻った。先生もここカギかけて職員室戻るから」


 そして、追い出されて。


 とぼとぼ、と、自分のクラスへ戻って。


 終礼、みたいな感じで、人員点呼の後、散開。


 明日の朝、一時間目二時間目を使って、後片付け。


 三時間目から通常授業に戻って。


 二学期の、企画(イベント)は、ほぼ終了。


 あとは、二学期の期末テストを乗り越えれば、二学期も終了。


 なんだけど。


 下着屋さん企画(イベント)は。


 果たしてどうなる事やらー。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ