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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
二学期・イベント盛り盛り
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第124話:クラスメイトにカタログ見られた



 雪人さん、雪枝さんの会社から、アルバイトで撮影した写真を使ったカタログ小冊子が送られてきて。


 レイちゃんとふたり、通話で盛り上がったり、お母さんに怒られたり、お母さんと盛り上がったり。


 カタログだから、一般的にも配られたりもするけど。


 知り合いに見られる機会も、まま無いかと思っていたらば。



 もう明後日には、体育大会。


 準備もたけなわなの、頃。


 授業が終わって放課後。


 準備委員会のお仕事に行こう、と、教科書やノートを片付けていたらば。


「ねえ、園田さん、ちょっと、いい、かな?」


 はい?


「はい?」


 クラスメイトの女子が、数名。


 先頭に立ってあたしに声を掛ける女の子が……。


 えっと、誰だっけ……。


 と、その姿を見ていたらば、手に持っているものを掲げて。


「これって、園田さん、だよね? この後ろの黒のドレスの子」


 届いてから、嬉しくて何度も見ている、例のカタログ冊子の、表紙。


 先輩たちやエリ先生に見せたいな、と、持って来てたけど。


 体育大会の準備のために、八時間目の授業が無くなって、まだ、見せられてないんだけど……。


 どこかで落としたのかな?


 慌てて鞄の中を調べると、ちゃんと、存在。


 と、言うことは……。


「そ、それは……」


 何と言うべきか?


 知らない振りをするにも、若干、無理が、ある。


 化粧の濃さの違いとか、髪型の違いはあるにせよ。


 顔立ちとか、バレバレ状態だよねぇ……。


「う、うん。それ、あたしだけど……どこでそれを?」


 一応、答えた上で、逆質問。


「わたし『YUKI』ブランドの会員なの。だから新しいカタログが出たら送られてくるのよ」


 うぇえい。


 いや、まあ。


 『少女向けファッションブランド』だそうだし。


 ターゲットが、中高生の女子だから。


 この学校でも、知ってる人が居てもおかしくはないんだろうけど。


 まさか、こんな身近にいらっしゃる、とわ!?


「なんか似てるなぁって思ってでも半信半疑だったんだけど」

「園田さんすっごく可愛いね」

「このドレスもとっても素敵」

「ちょっと高いけど、わたしも欲しくなっちゃうなぁ」

「あんたが着ても可愛くないでしょ」

「なんですって!?」


 あら?


 身バレしたけど。


 なんか、当のあたしをさて置いて。


 盛り上がってらっしゃいますね。


 『YUKI』ブランドの会員だと言う女の子と、他の女子、四名ほど。


「このドレスも可愛いけど、こっちの冬物も可愛いわよね」

「そうそう、こっちのはリーズナブルだから買えちゃうねー」

「だからあんたが着ても可愛くないって」

「いちいちうるさいわね!?」


 ケンカは、やめて、ね?


 それよりも。


「え、えっと、体育大会の準備委員会の仕事があるんで、そろそろ、いいかな?」


 とりあえず、離脱の方向で。


「あ、ごめんなさい。園田さんだって確認できたし……また今度ゆっくりお話、聞かせて、ね!?」

「よろしくね!」

「ねー!」

「よろしく!」

「よろー!」


 なぜか……いや、当然のごとく?


 ハイテンションな方々……。


 クラスメイトなので、とりあえず顔は覚えてるけど。


 名前が思い出せないのが、なんか、失礼な気もするから。


 後で担任の先生に頼んで、こっそりクラス名簿確認させてもらおう……。


「じゃ、じゃあ、また、ね」


 そそ、くさ。


「うん、またね! 準備、がんばって!」

「またねー」

「なたねー」

「またよろー」

「ばいばーい」


 でわ、でわ。


 鞄を担いで、バイバイと、手を振りつつ、教室から離脱っ。


「びっくりしたぁ……」


 まさかの、だよね!


 でも。


 いったん、今の事は忘れて。


 準備、準備ぃ。





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