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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
夏休み・もうひとりの少女:レイちゃんとアルバイト
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第118話:白と黒のゴスロリドレス



 ようやく。


 用意された()()()()ドレスを着せてもらう。


 ウィッグも用意されてて、そっちのウィッグに乗せ替え。


 室内はクーラーが効いてて、暑くないから、しばらくはウィッグでも耐えられるかな。


 ドレスを着て、ウィッグも整えてレイちゃんと並んで、大きな姿見に写してみる。


 あたしの着ているこの黒いドレス。


 黒地に、散りばめられた白のレース。


 黒のロングヘアに、ドレスと同じ黒地に白レースの……これ、何て言うんだろ……カチューシャ、だっけ?


 まぁ、髪飾り。


 レイちゃんも、同じように。


 白地に白のレース。真っ白だけど、光の加減で、レースの陰影が浮かび上がる。


 ウィッグと髪飾りも装着。


 レイちゃんのは、茶髪のサイドテールで、髪飾りも白でレース。


 デザイン自体は、ほぼ同じで、白と黒の色違い。


 顔立ちは違うけど、体格は似た感じで、白と黒の、双子?


真綾(まあや)ちゃん、めっちゃ可愛い!」


「レイちゃんもすっごく可愛いよ!」


 双子の姉妹が、並んで、きゃっきゃ、うふふ?


 しかし、この黒い方の、あたしのドレス。


 どこかで見覚えが、と、思ったけど……。


 あぁ、そうだ。思い出した。


「雪人さん、これって、隣のショップに飾ってあったやつ、ですよね?」


 そう、雪人さんの女装専門ショップのお隣の、少女向けファッションショップの方に『非売品』として、飾られているドレス。


「あぁ、そうだよ。アレの、レプリカ、かな」


「レプリカ?」


「アレって、むかし試作したんだけど、すっごくコストが高くなって、売りにくいって事でボツにしたんだよね」


「それを、復活させた、ってことです?」


「うん。当時から比べるとミシンの性能も上がって、自動でいろいろできるようになったし、生地とかも少しグレード落としたりしてコストダウンして、なんとか、って感じかな。当時よりニーズが増えてるのもあるし、ね」


「なるほど……」


 そういえば。


「ドレスを着た写真も飾られてましたけど、あれって雪人さんなんですよね?」


 飾られたドレスの脇に貼られた写真。


 ドレスを纏った美少女が、豪華な椅子に。


 座るのではなく、椅子の座面にしなだれかかるように。


 床に腰を降ろした感じで。


「うん、高校生の時に撮った……ボクが本格的に女装をはじめるきっかけにもなった衣装でもあるんだよね」


 そんな思い入れもあって、って、事、なんだろう、ね。


 それもあるんだろう。


 写真の雪人さん。


 すっごく、キレイだったなぁ。


 表情も、なんか、こう……そうだ、神秘的? な、感じだったっけな。


 あんな風に。


 あたしも、そして、レイちゃんも。


 綺麗に撮影できる、かな?



 そんな思いを胸に。


「オッケー、準備できたね。向こうの部屋に移動して撮影、始めようか」


 部屋に居た女性のスタッフさんに声をかけられて。


「はい!」

「はい!」


 レイちゃんと、ふたり。


 白と、黒の、ふたご姉妹。



 いざ、いざ、撮影開始!?





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