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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
夏休み・もうひとりの少女:レイちゃんとアルバイト
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第110話:アキラくんとレイお姉ちゃん



「やぁ、いらっしゃい、真綾くん。それに……えっと、菅原さん、だね」


 お店の奥から登場する、美女。


 雪人さんも、相変わらず、お綺麗……。


「こんにちは、雪人さん。はい、こちらが菅原さん、菅原レイさんです」


 レイちゃんにくっついてたアキラくんも、雪人さんの足元へ。


「は、はじめまして、よろしくお願いします、菅原レイトです!」


「はじめまして、佐川雪人です、ここの店長やってます」


 あたしに対してもだけど、雪人さんは、レイちゃんが学生だからと、横柄な態度なんかは全く見せず。


 その姿もあいまって、ほんと、美人さんだよねぇ。


 うっとり。


「じゃあ、早速だけど、面接、しよっか」


 レイちゃんを手招きする、雪人さん。


 例の、奥の倉庫、兼事務室、兼休憩室、みたいな部屋へ向かう前に。


「真綾くん、悪いけど、アキラのこと、見ててもらえる?」


「あ! はい! 大丈夫です!」


 おぉ、アキラくんを託された!?


「じゃあ、よろしくね。菅原さん、こっち」


 アキラくんとあたしを店先に残して。


 奥の部屋へと消えゆく、雪人さんとレイちゃん。


 直前。


 レイちゃんが、ちらっとあたしの方に視線を送ってくる。


 がんばれ!


 視線と指のゼスチャーでエールを返してあげて。


「さーて、アキラくん、何して遊ぼう?」


「まーやお兄ちゃん、おみせであそんじゃ、メ、なの!」


 おぅ……。


「おみせばん、するの!」


 とことこ。


 レジの裏へ入り込む、アキラくん。


 って、あたしがレジの裏に入るのはさすがにまずいよね……。


 アキラくんは、ちょこん、と、レジ裏の椅子に腰かける。


 ギリギリ、顔が、レジのテーブルから見える位置。


 頭の後ろに着けてる赤いリボンが可愛く目立つ。


 年齢的なこともあって、どこからどう見ても、幼女。


 女の子。


 でも、本人は、本人の中身は、男の子を自覚している。


 女の子の恰好をするのが、好きなだけの、男の子。


 ある意味、あたしと、同じ。


 でも、そういえば、レイちゃんの事、『おねぇちゃん』って。


「ねぇ、ねぇ、アキラくん、どうしてレイちゃんが女の子だって思ったの?」


 ぼーっとしている訳にもいかず。


 とりあえず、アキラくんとおしゃべりでもしてレイちゃんの面接が終わるのを待とう。


「んー……レイちゃんは、おねぇちゃん! レイおねぇちゃん!」


 だから、どこが?


 って、こんな幼い子に、理由とか、そういうのわかんない、か……。


「あたしは?」


「まーやおにいちゃん!」


 そこだよねぇ……。


 何か、根本的な違いが、あるんだろうか?


 やっぱり。


 自分が女の子だと、思い込んでいるレイちゃんと。


 自分は、女の子を演じている男の子だと自覚している、あたし。


 その違い、なのかなぁ。


 アキラくんは。


 アキラ()()も。


 自分を、女の子を演じている男の子だと自覚しているし。


 あたしと違って、アキラくんは、自分が男の子であることを自負してるし。


 アキラちゃん、って呼びかけたら。


『アキラちゃんちなーう。アキラ()()だもー』


 って、男の子であることに誇りを持っているとも言える、かも?




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