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癒やしの血  作者: 鱧しぃ
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始まり始まり

なんたらクラスはSafeとかいうらしい。

一般人、正確にはオモテの人間に混じって追ってくる奴ら。

見た目じゃない何かがカタギじゃないそいつらはどうしても”私”を捕らえたいらしい。


つい何日か前、はっきりと思い出せないけど、ただの一般人だった頃とは大きく変わってしまった自分と世界。

いや、変わってしまったのは自分だけなのかもしれない。


ある日、目を覚ますといつもの天井でも知らない天井でもなく、我が家ですらない廃墟。できたての廃ビル。

血の匂いと悲鳴に怒号、泣き声、……この世の地獄だった。

聞こえるのはどうやら日本語ではない、外の景色は山間部だがこの廃墟と同じく荒れ果てた町。


何故ここにいるのかは分からないが、外に向かうために歩き始める。頭の中には夢?拉致?疑問が浮かんでは消えるが、夢と思う事とした。


しかし、そんな考え事も長くは続かなかった。

人だ。人がいるのだ。アジア系と思える男性。

瓦礫に挟まれてしまった彼は私に助けを求める。言葉は通じないが、助けを求めている。

挟まれてしまった彼と二人、転がっていた鉄パイプで隙間をかろうじて広げ、救助。


感謝を述べているようだが、相変わらずさっぱり分からない。

うろ覚えの英単語と身振り手振りで言葉が分からない事を伝え、二人で外へと歩き出す。

その道中は見るに耐えない人々、人だったものに溢れていた。


雪国でもないのに2階の窓から外へと出る。

元々、3階建てだったが発展途上国の耐震基準では地震に耐えられなかったようだ。

つまり、ここに来るまでに見た人々が、だったものが足の下に埋まっているのだ。そう考えると、先程は感じなかった吐き気を感じうずくまる。


数分、吐き気がおさまり彼を探す。

瓦礫に塗れた街を幽鬼のように彷徨う人々の先に見つけた。

追わなければならないと感じ、私はその背中を追い走り出した。が、瓦礫に足を取られ盛大に転んでしまい、額を切ってしまった。

止血のしようもなく、彼を見失いそうなので処置は後回しにして再び走り出した。

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