表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ


「我が覇道もこれにて終、か」


煙を吸い咳き込みながら皮肉気げに笑う。

少々傷が痛むが大したことではない。

炎に包まれたこの空間にくらべれば。


チロチロと着物の裾を火が舐める。

煙が目と肺に侵入し、チクチクと針に刺されているように痛む。おかげで視界はぼやけるわ、咳き込みわ、声は掠れるわ。

意識が落ちそうになるのを、痛みで捩じ伏せる。

眼前の虚空を睨み付けるその男は諦めを知らないのだろうか。苦笑を獰猛な笑みに変え、爛々と瞳を輝かせる。


しかし唐突に体が傾き、畳に倒れる。


「な、ん・・・」


「ちょっくら、眠ってて欲しいっす。悪くおもわないでくださいっす。」


背後から声が掛けられたのを最後に、視界は暗転した。








炎に包まれた建物を離れた場所から眺める怪しい人物がいた。黒装束に口布をあて、頭巾を被ったthe忍者である。

忍者は大きな荷物を抱え、コッソリと大火事で慌てている町民を観察していた。


「大火事って巨大なキャンプファイアーっすよねぇ。

恐怖する者、魅了される者、無関心な者。

・・・それにしてもよく燃えるっすね。めっちゃみえるっす。やっぱり木は燃えやすいって事っすかねぇ。」


ぶつぶつと独り言を繰り広げながらその場を後にする忍者。ヌルリと影に溶け込み音もなく姿を消す。











立ち向かい逃げ戦い裏切られ抗い殺し殺され


ただ一言で表すならば、それは下克上。


誰しもが上へと向かう野望と血に満ちた世界。


時は戦国。


時代は乱世の波に呑まれ木の葉のようにクルクルと舞う。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ