生物の決壊
・・・あの、人間という生き物、面白い・・・
―俺の好奇心は、そこからだった。
あれから、10年の月日は進み、すべてが分かった。つもりだった。
ムーン・スカットという人間が空から女神を連れ、降ってきた。
そいつは、10年前に死んだ”人間”に何もかもが似ていたのだ。
そいつも、空から降ってきた。
そして、すぐに魔術で町の危機を守った。
そこで、俺はそいつに興味を持った。
あとから、そいつが人間”だった”ことに、俺は知った。
そいつは、俺が森で困ってた時に。
「大丈夫?・・・ほら、これを飲んで?美味しくないかもだけどごめんね。」
そいつは、一個の水筒に大きなカバン、ぼろぼろになった服を着ていた。
俺は、差し出されたものを飲んだ・・・
そいつが、言っていたように美味しくはなかった。
しかし、その差し出されたものは、暖かかった。
「・・・美味しくなかった?」
そいつは、俺に聞いてきた。不安で、怯えながら。
「・・・美味しくはなかった。けど、好きだ。ありがとう。」
「ほんと!じゃあ、明日も持ってくるね!」
あいつは、キラキラした目で返事をし、毎日持ってきた。
しかし、1週間もすれば、そいつも来なくなった・・・
(やっぱり、俺からみんな避けていくんだ。)
調子が悪くなり、持病が悪化したのだ。
「ああ、ニンゲンは弱い・・・」
うつむき始めた俺の目には、水滴が出来て、心がぎゅっと閉まるような思いが沸いた。
初めてだ。
初めて、出てきた目から出てくる。
水滴は。
知らない気持ちが。
「・・・ふぅー」
―一息をつき水滴をふき取った。
この時のやつに、あいつは似ていたんだ。
・・・ザクッ
俺が取ったものは、青白く血の気が引いていった。
「でも、あいつは嫌いだ・・・!」
腹の奥から、深い声を出してハスキーボイスを出した。
「仲間?そんなの要んねぇんだよ!」
その日も夜は、叫び倒して寝た。
短いですが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
これからも、毎週水曜日 8時に出せるように、日々努力いたします。
宜しくお願いします。




