プロローグ
初投稿です。
よろしくお願いします。
神聖王国の僻地、とある渓谷の近く。
険しい崖のその上に名もない村があった。
渓谷の竜に襲われ続け、滅ぶ間際のその村に、一人の魔術師が現れた。
「私が竜を倒して見せる」
その魔術師は言い放った。
村人たちは信じなかった。
名誉のため、金のため、様々な理由で竜に挑んだ者たちは、一人残らず敗れた。
帰った者さえごくわずかの竜の領域。
若き魔術師ごときが倒せはしない。誰もがそう思っていた。
一日たっても、二日たっても、三日四日たったとしても、若き魔術師が帰ることはなかった。
そして五日目、豪雨が渓谷を襲った。岩をも砕く水の砲撃。その到来は村に残った僅かな人々を不安にさせた。
少しずつ雨は勢いを無くし、小雨になるころ、魔術師は竜の首とともに姿を現した。
「私が竜を倒したぞ。」
魔術師による水の砲撃は、確かに竜を屠ったのだった。
竜を殺した魔術師の背には、綺麗な虹がかかっていた。
そうして魔術師は若くして、竜殺しを成した。その実力の片鱗を現した。
此処から始まる彼の物語、彼の叙事詩の先は白紙。
魔術師ラルクの先に待つものは、未だ、解らない。
プロローグはちょっと文体違うかもです。
よろしければこれからも拙著にお付き合いください。