終わる野望
しばらくして動けるようになったテルクスはミレルの手を引き移動していた。
「確か、ガレドが言ってたな。この塔の中枢をなんとかしないと塔は永遠とかなんとか…」
「うん。その中枢…核をなんとかしないとこの塔はずっと活動を続ける…」
「ってことは村の皆の生命力とか奪われてる事実は変わらないってことか…なんとかしなけゃな。」
言いつつ移動していると開けた場所にでた。
そこは円状になっていて、自分達が入ってきたところからみて、正面、右、左に扉があった。
「えっと…その核の方向は…あっちかな。」
右方面を指すミレルに従い、移動しようとした時、ピタッと足が止まった。
それは威圧に近いもの。恐怖が内からじわじわゆっくりと広がっていく。
そんなふうにさせるものが近づいていることがわかる。
その方向。正面の扉をゆっくりと見る。ここから来る。
わかった時扉が粉々になり、そこから「人」が現れた。
ゾッとするほどの美人だった。美という言葉が陳腐に感じるほどの…。いや、この場合、絶景とでもいうのか?
訳のわからない感情がテルクスとミレルを襲う。
ゆっくりとそれは近づいてきていた。
「もう一人の侵入者と…主管理者のミレル…そうか。奪われたのか。なら…」
先程から手に握っていた薙刀をテルクスに向け
「返してもらうぞ。その存在は塔に不可欠だからな。」
言い終わる頃にはテルクスの近くにいて薙刀の切っ先がテルクスに向いていた。
スローモーションのように感じる中、言葉一つ発す間も無く、終わる…と思ったが、地面に亀裂が走ると同時そこから「人」が出てきてその薙刀の動きを止めた。
細身の大剣で油断なくつせばりあいを起こす。
その姿は黒コートを纏い、綺麗な黒髪が映える後ろ姿だけで美人だとわかる。
「え⁉︎…な⁉︎……あ…アダンさん⁉︎良かった…無事で…って何処からきて…⁉︎」
そう、アダンだった。最初にこの塔に入った時に、キマイラによって落とされた…。
「まあ、細かいことは気にすんな。それより…」
アダンはつせばりあいを変わらず油断なくやりながらミレルを見る。
器用だ…そう思いつつアダンを見てるとアダンが口を開いた。
「そうか。ミレルを助けられたんだな。良かった…っと!」
言いながら力を込め、ディラルを飛ばす。
「まあ、心配はしてなかったんだけどな。テルクスならできるんだろうなってわかってたし。んし。んじゃ、この場は私に任せて先行って。」
「…大丈夫なんですか?」
「余裕。後々合流しよ。ってか終わったら先帰ってもらってていいくらい。あ、でも報酬はちゃんと貰うから村には居てくれよ。」
この状況でも全く緊張することなくマイペースに喋るアダン。
気づいたら恐怖で押されて、動けなくなっていたのが 治っており、いつでも動けるようになっていた。
「わかりました。では後ほど。」
少し…とはいえ、余裕ができたテルクス。先程からアダンに疑問符を浮かべていたミレルの手を引き、走り出す。
「させると思うか…。」
が、目の前にいつの間にかいたディラルが再び薙刀をテルクスに向かって振るうがその動きをアダンが止め、
「それはこっちのセリフ。じゃ、第二ラウンドといこう。」
と言って地面をダンと踏む。
すると綺麗にアダンとディラルの範囲の地面に穴があく。
「邪魔をするな。」
「そう言わず。楽しもう。」
ディラルとアダンは縦横無尽に空中を動き、辺りを破壊しつつ落ちていく。
次の地面が見えたらそれも剣と薙刀がぶつかる衝撃で破壊され、どんどん、落ちていくのを見えなくなるまで確認したテルクスとミレルは核があると思われる右の扉を見て、走り出した。
「あはは…凄いね…」
「そうだな…わかっちゃいたけどやっぱ強いんだなあの人…。最初にやられたのはわざとなのかな?」
言葉を交わしつつ走っているとふと、そう言えばアダンのことを話していないことに気づく。ついでに疑問を聞いておこうと思い、テルクスは口を開いた。
「えっと…。説明してなかったね。あの人はアダン・エウレス・ヴァスティオン。ミレルを助けるためにこの塔に入る時協力してもらうために来てもらった救済屋って家業してる人。」
「エウレス…。聞いたことがある。かつての中央国家にして、平和を象徴するような人達がいたって。」
「それって…エウレスセレス?有名だけど…あの王国は戦争で滅んだんじゃ…。え⁉︎じゃあもしかしてアダンさんは元王女…⁉︎」
「わからないけど…その可能性はあるかな。少なくとも、エウレスという名が入っているのはその王家の証明にして、その国のみの名前だから、他国か、別の場所に住んでてエウレスという名がつくわけがないかと…。」
「そうか…と、答えがわからないこと気にしても仕方ないか。ゴメンだけどひとつ質問があるんだ。聞いていいかい?」
「?なに?」
「今さっきのは…何者なんだ?…いや、それ以前に…「人」なのか?」
「……………あの方の名前は「ディラル」ディラル・ヴィルネンス。気づいたら父様が拾っていて。この塔の準管理者。もしなにかあったら対処する最強の門番。私は循環と言った塔の主管理でディラルはそれ以外の管理者だと。そう言ってた。あの方が人なのかはわからない。けど…少なくとも初めて会った時…今さっきもだけど…。異質な、言葉で言うのは難しい、「存在からして違う」言うならそんな感覚が…きてた。」
「…そっか。」
そんな言葉を交わし、しばらく無言になり、走っていると魔力の質が急に濃くなった。
「⁉︎…近い…のか…?」
「うん。この近くに…この塔の魔力核が…ある。」
魔力がきている方向に進むと、巨大な扉が見えた。
そこから魔力が流れて塔全体に広がっている。
扉の前でテルクスはふと疑問に思ったことができ、口にした。
「…そう言えば…ここに来るまでに魔獣にあってないな。」
「多分ディラルが魔獣いると戦闘の邪魔だからどけたのと…普段は中核のひとつである私を守るためのだから…。濃い魔力の近くにいることで魔獣にも悪影響でちゃう可能性もあるし。何かあったら父様や、ディラルがすぐ来れるよう、転移石が置いてあるのもあるから。」
「成る程ね………よし。んじゃ開けるか。」
あまりにも濃い魔力で気分が悪くなる。そこから目を逸らすように、疑問を口にした。
とはいえ、いつまでもそうしてはいられない。扉を開ける…とは言っても簡単には当然開かないし、この扉を開けるスイッチみたいなのがあるとは思うがそれはガレドか、ディラルが持っているのだろう。
なので拳に魔力を込め、扉に向かって振るい穴を開けることでその塔の核がある中枢に入る。
そこは今までのどの部屋より広かった。
その部屋の中央に球体の魔力石があり、そこから魔力が放出されるのと吸収を順番に行って周りの機械のようなものに、流れ、全体に魔力を送るのと吸収する活動をしていた。
「………これか…」
この塔に入ってから驚かされてばかりだがこれもまた異様。
文字通りの塔の心臓。これこそが塔そのものといわんばかりの存在感を出していた。
ゆっくりと二人で近づき、やがてテルクスが打ち破らんと魔力を身体に込める。
ミレルが申し訳なさそうに言う。
「ゴメンね…同じ創始者の力でできたものだから私の力でなんとかするのは難しいの。せいぜい循環の流れを遅くするくらいしか…」
「いいよ。大丈夫。任せといて。」
そう言うとテルクスは核に近づき思いっきり拳をふるった。
すると魔力陣の盾が核の前にでき防がれた。
「な⁉︎……そう簡単にいかないか…!」
二発目の拳を振おうとした時、声が辺りに響いた。
「当たり前だろう。」
この声は…。予想が当たっているのは間違いないのはわかっていながら、確認のため、声のする方向に向いた。
「…父様……」
そう、そこにいたのはガレドだった。折れた翼や、滴る血。ボロボロの身体でフラフラになりながら、こちに近づいてくる。
「………あんたの顔なんて見たくなかったんだがな。」
「私もだよクソガキ。しかし、娘がクソガキの近くにいて、中枢にまで行かれたのでは来るしかあるまい。」
テルクスはガレドの方に向き、構える。
ボロボロの身体のわりに油断ならないほどの殺気をだしている。
しかし、事実としてこのまま戦えばテルクスが勝てるのは間違いないだろう。殺気が油断ならずとも実際ガレドはボロボロ。ガレドが勝てる要素を探す方が難しい。
が、それでもガレドは近づいてきていた。そしてピタリとテルクス達と距離を置いて足を止める。
「クソガキは思ってるんだろうなぁ…。こんな状態の私になら余裕で勝てると…。ははははは!!無策で勝てる要素なく、来ると思うか⁉︎」
「⁉︎」
ガレドの身体がみるみる変質していった。筋肉は盛り上がり、人間の原型がほとんどなくなり、翼も数え切れないほど生え、その翼も途中から奇形という表現で表すほどの見た目になっていて、腕、脚も虫のようになる。
「…………お前……」
恐怖を通り越して哀れ…という感情がテルクスに広がった。
「ははははは!!!死ねぇ!死ねぇ!!!」
かろうじて人間の面影を残しているのは顔のみ。その顔も目が腫れ上がったように膨れ、口からは大量の手と脚が生え、その手の平と足の裏から口がありそこから喋っていた。…正直、面影などないも当然なのだが。強いて言うならというレベルだ。ガレドの魔力の質は当然のごとく上がり、傷も癒えている。
ここは濃い魔力の広がる場所。長く戦いたくはない。
テルクスは一撃で決めるため、ほぼ全ての魔力を拳に込め、構えた。
一撃で決める。この決心に嘘はないのは間違いないが…スピードが段違いだった。
テルクスは気づいたら空中に吹き飛ばされており、追いかけ、空中に上がったガレドによって地面にたたきつけられた。
「はははははは!!!勝てるとでも⁉︎勝てるとでもぉぉぉ⁉︎」
見た目通り理性をなくして狂っているようにしか見えない姿を晒しつつテルクスに追撃するように近づいた。
フラフラと立ち上がり、構えるテルクス。
予想をはるかに超えたダメージに既に足元はフラフラとおぼつかない。
どうするか対策を考えつつ、避けようとしたがガレドの動きが止まっていることに気づいた。
「え?」
よく見るとガレドの身体を中心に円が広がりその範囲が沼のようになっていた。
ガレドがもがくほど身体がその沼に沈んでいくのがわかった。
地面はコンクリートでできていていきなりそうなるのは考え辛い。
疑問符が頭に浮かんでいるとガレドが叫んだ。
「ミレルぅぅぅぅぅ!!!ナゼ⁉︎何故邪魔をぉぉぉぉ!!⁉︎」
ハッとしてミレルを見る。そうか…これは。
「「変換」の創始者の力。ありとあらゆるもの、現象を法則を無視して変換するか力。これで地面を魔力で調整した特殊な流砂に変えた。先代の創始者には及ばない力だからこの核に能力でなんらかの影響を与えることは難しいけどこれくらいはできる。」
ミレルがそう言ってガレドを見る。
「父様…育ててくれてありがとうございました。でももう、世話してくださらなくても大丈夫です。私は…テルクスと一緒に。生きていきます。」
「はは…はははは!じょ…冗談だろう!!!早く、早くここからだせぇぇぇ!!!」
「……ミレルが親離れしようとしてんだ。寂しくしてもそれを笑顔で見送るのが親のやる事だろう。」
「ウルサァァァイ!!!ミレルぅ!いけない事だぞ!!!親に反抗するだけじゃなく!離れるとはぁぁぁぁ!!!!!」
テルクスはゆっくりと。フラフラとした足取りで巨大化した身体の半分くらいが沼に沈んだガレドに近づいた。
「じゃあな。これでホントにさよならだ。」
拳を握り、振り上げ、そこに魔力を集中させる。
「でも、これだけは約束しとく。ミレルは必ず幸せにする。だから…安心して見守っててくれ。「義父さん」」
「ふ…ふざけ」
そして、振り下ろす。
喋っている途中のガレドの顔めがけて放たれた拳によってガレドは地面を次々と貫きながら落下していった。
「…これで終わり。あいつと会うことは…もうない。だから…もう、そんなに怯えることはない。大丈夫だよ。ミレル。」
ミレルは震える足で立っていた。
ミレルにとってのトラウマのような存在だった父親、ガレドに反抗したのだ。テルクスじゃ、想像もできないほどのトラウマとの戦いが彼女の中であったのだろう。
相変わらずフラフラとした足取りでもミレルに近づき、優しく抱きしめる。
「ありがとう。助けてくれて。」
その一言を言って。ミレルの顔を見る。
ミレルは泣いていた。父親から解放された安堵か、それとも、父親を倒すということに協力したことか。
理由はわからないけれど。その涙は優しく、綺麗で。泣いていてもミレルは可愛かった。
その気持ちが強くなると同時。反射的に唇をミレルと重ねていた。
驚くも静かにテルクスに身を委ねるミレル。
ちょっとでも悲しい気分が紛れてくれれば。そういう気持ちがあるのは間違いないが、言い分としてはテルクスの中で弱く。
ミレルが可愛いから。大好きだから。そんなシンプルなものに従ったにすぎなかった。
やがてゆっくり唇をお互いに離す。
ミレルは口を開いた。
「約束…だよ。一緒にいてくれるって。」
「当たり前だろ。ずっと一緒にいる。」
ミレルは涙の跡がある顔で。でも凄く綺麗な笑顔を浮かべて。
自然とお互いにもう一緒唇を重ねた。
急がなければという気持ちがあってもこの感情に逆らうのは難しく、しばらくそうして、優しく、ゆったりとした空間に二人とも身を任せるのだった。
つせばりあいが起こる。
本日何度めかわからないそれをしながらやがて二人とも力をいれ、お互いを吹き飛ばした。
「わかっちゃいたし、ホント毎回思うけど…拉致あかないな。」
苦笑いでそういうアダンにディラルが返す。
「それはこちらのセリフだ。」
あの後二人は落下しながら剣をぶつけ合い、きずいたら塔の最下層まできていた。
剣と薙刀。その切っ先をアダンとディラルはそれぞれにむけ、再び剣を交えようとした時、お互い動きを止め、上を向いた。
「許さん!!!許さん!!!許さん!!!許さん!!!許さん!!!あのクソガキどもぉぉぉぉ!!!」
落下しながらガレドは怒りに身を震わせていた。
「殺す!!!殺してやる!!!塔にある全てのエネルギーを奴らにぶつけて…あははははは!!!絶望させてやる!!!」
そういうと両手を音がするほどの勢いで合わせ指を結ぶ。
すると塔にある霧、魔力水がアメーバ状になり塔のあちこちからその落下しているガレドに集まりだす。
「あはははははは!!!心地いい!!!素晴らしい!!!これなら!!!」
やがて落下しきって最下層についた時にはその身体は人間ではなく完全に化物の様相。ありとあらゆる生物の目、足、腕がアメーバの身体から飛び出し、口はその身体の半分もあった。
塔の横幅の二分の一ほどの巨体が百足のような足と手で着地し、地面が揺れる。
「あのクソガキどもをぉぉぉぉ!!!殺せるぅぅぅぅぅ!!!!!」
上を向き、ガレドはその身体の百足腕を振るおうとした時
「おぉぉ…。なんだと思ったら…。いや、ホントなんだこれ。」
ガレドはその声の方に身体を向けた。
そこには一人の綺麗な黒髪と黒コートたなびかせ、細身の大剣を肩に背負いながらこちらを見る美しい少女がいた。
「…貴様…。もう一人の侵入者か…。」
こんな身体になったせいもあり、声は聞き取りにくいものになっていたが、なんとか聞き取れたアダンは反応する。
「はい。お初にお目にかかります。テルクス・エーターさんにご依頼され、参上いたしました。救済屋のアダン・エウレス・ヴァスティオンと申します。」
「救済屋ヴァスティオン…だと⁉︎それにエウレスという名前…!貴様…!失われた王都の王族の生き残りか⁉︎」
「あぁー。まあ、そういう言い方もできるかな。よくご存知で。」
「当たり前だろう!!!あの王国こそ戦争が終わった原因!!!エウレスセレスが行った戦争が終戦のきっかけになったのだからな!!!」
「そうか…。その雰囲気からして終戦ってのがよっぽど嫌だったのかな?エウレスセレスがそのきっかけだからイラついてらっしゃると…。復讐めいたもんぶつけてきても構わないけど…私、王位継承権とかないですし…。エウレスって名前は私の自慢の母親の名前だから。別にそれ以上の意味はないよ。」
「ふん。貴様は後だ…。私はもう一人の侵入者の方に用があるので……ね!!!」
言った瞬間アメーバの身体を利用し、百足腕を伸ばすことで、上に向け放った。
が、それらは全て斬られ、落ちていく。
「何⁉︎」
地面に着地した音が聞こえそちらに振り向くとディラルが薙刀を肩に置き、ガレドを見ていた。
「ディラル…⁉︎貴様…何を⁉︎」
「それはこちらのセリフだ。」
ドスのきいた声でディラルは返す。
「あなたはこの塔の主。だからあなたの命令を聞いた…。その内容を思い出してみてください。来るべき時のため、魔力を集めているのではなかったのですか?それをあろうことか侵入者を殺すために一点に集めることで使うだけでなく、管理者すら狙いにしている……。今……最も塔に、来るべき時に……悪影響を与えているのは…あなただ。」
ディラルは薙刀の切っ先をガレドに向ける。
「く!…貴様!!!…いや!後回しだ!!!」
変わらずガレドは上…テルクス達がいるであろう方向に向け攻撃しようとする。それは執念という名の執着。が百足腕は再び、斬り落とされる。
「お前の目的がテルクスとミレルを殺すこと。というなら私の依頼において、あなたは対象に入ることになるんだよなぁ。だから…悪いがあの二人の邪魔をしないよう、倒させてもらうよ。」
それをやったのはアダン。剣をディラルと同じようにガレドに向ける。
目線をアダンとディラルはそれぞれ合わせる。
今は協力というより、休戦。いや、むしろ邪魔しないでくれ。と言わんばかりのアイコンタクトをお互い交わした後少し、小さく笑いガレドに一歩一歩二人とも近づいていく。
「ふ……!ふざけるな…!!!ふざけるなぁぁぁぁぁ!!!」
ガレドは百足腕を二人に飛ばす。
それを見たアダンはジャンプし、ディラルは薙刀を自分の前方に回転させる形で盾の様にし、百足腕を切り裂きつつ、防ぐ。
アダンに向け、上にも放たれた百足腕を剣を振るうことで斬り剣に魔力を込め振り落とす。
アメーバの身体からアメーバ状の盾のようなものが出てきてそれで防ぐが盾が破壊された衝撃で、ガレドはダメージをうける。
その隙にディラルは薙刀を投げ、ガレドのアメーバ身体を貫き、出てきた槍をとる。
ディラルに向け無数の百足腕が振るわれるがその全てを薙刀を連続で振ることで斬り落とす
「クソがぁぁぁぁぁぁ!!!」
叫びつつ、ディラルの方向を向けば後ろから剣を横薙ぎに振るったアダンに吹き飛ばされた。
ガレドに追撃するように二人共跳び百足腕を斬り落としながら魔力陣を使って空中で跳び、高速でガレドに近づく。
それを利用してあらゆる角度からガレドを眼に見えないほどのスピードで連続で斬る。
瞬間、地面に二人共着地し、同時に剣と薙刀が振るわれさらにガレドは飛ばされ、塔の壁が吹き飛ぶ。
壁にぶつかったガレドは衝撃で塔の壁が壊されたたため、外に出るギリギリの位置にガレドはいた。
アメーバの身体は既に半壊と言う言葉が相応しいほどの様相になり、ガクガクと揺れていることがわかった。
「き……貴様…貴様らぁぁぁ!!!許さんぞぉぉぉぉ!!!貴様らもぉぉぉぉ!!!」
無数の百足腕がガレドの前方に円を描くように展開され、その円の中心に魔力エネルギーが集まっていく。
アダンとディラルはそれに相対するように構える。
アダンは剣を持った手を後ろに引き、もう片手の手の平をガレドに向ける。構えた剣に魔力エネルギーが集まっていく。
ディラルは薙刀を上に挙げ、そこに魔力エネルギーが集中する。
「消し飛べぇぇぇぇ!!!」
アダンは突き、ディラルは薙刀を下ろし、ガレドは溜まった魔力を開放することで三人とも同時に魔力を放つ。
アダンの剣の刀身状の魔力とディラルの斬撃状の魔力。ガレドの魔力レーザーがぶつかる。
しかし、ガレドのレーザーは霧散したと言わんばかりにすぐ消え、アダンとディラルの魔力がガレドに向かう。
そして光が辺りを包んだ。アダンの魔力エネルギーが塔から出て彼方に飛んでいく。ディラルの魔力エネルギーが対象にぶつかった衝撃で辺りが斬り裂かれ空間が歪んだ。
その衝撃が終わるとすぐに二人共剣と薙刀をそれぞれに向ける。
ガレドは倒れたまま、動かない。そう、アメーバの身体を飛ばすことのみに集中したため、ガレドは無事…とはいかないがしかし、しばらく完璧に動けないほどのダメージを受けていた。
アダンが口を開く。
「殺さないのか?こいつ。」
「私にとっては主なのは変わりない。私のやる事は魔力の暴走をとめ、塔の魔力開放を止める事だ。貴様の方こそ殺さないのか?」
「不殺にしないと思いもよらぬとこで事故起こったりすることあんだよなぁ。なんで殺した⁉︎みたいな事態が起こったらそれこそ、信頼とか、めんどいこと起こるし。」
アダンとディラルはまた目線と闘気ををそれぞれに向け、静かにお互いを見ていた。




