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魔能対策部設立

 後二人…秋葉は少しテンションが上がっていた。

 何せここまで順調。仲間も増え、後少しで第一目標、メンバー集め達成だ。

 とはいえ、ここで油断や、軽い考えを持ってしまうことで足元をすくわれる可能性もある。最後まで冷静に、慎重にだ。

 六人目となる仲間、『エクス・ヴェーリット』の情報を確認して明日に備える。

 七人目、最後の仲間はこの六人目が仲間になると同時にメンバー入りしてくれると約束をしてくれている。

 本当に少し…後少しだ…。




 昼休み、いつもの、そして新しいメンバーと共に昼食もかねて作戦会議を開く。

 「この娘が…六人目…ね。」

ホワイトボードに貼られた六人目の娘…『エクス・ヴェーリット』の写真を見ながらアーミーが言った。

 「綺麗な人…ですね…。」

率直な感想を言う逆水にみな、同意する。

 エクスは肩よりやや下まである髪に、美しいブルーの瞳。整った顔立ちと神秘的とも言える美しい容姿をしており、それは誰もが綺麗だと言うのは間違いないと思える程のものだ。

 だが、この神秘的とも言える美しさ。と表現するしかない…どう言えばいいのか具体的には伝えるのが難しい美しさの容姿の人物は既に一人いる。

 チラッと秋葉は軽くその人物を視界に入れる。その人物とは…ティードだ。

 何か…何か引っ掛かるのだ。共通点は…「人間」なんだからそりゃあいくらでも…

 「人間?」

 なんなのだろう。「違う」気がする。だとしたら…

 「…ちょ……か…ちょう……会長!」

大きな声を出されハッとする。気づけばみな心配そうに秋葉を見ていた。

 自分でも気づかない間に結構な時間が流れていたらしい。時計を見ると針が後少しで昼休みが終わることを示していた。

 どうやら相当な時間、思考していたらしい。

 「大丈夫ですか?」

一年の谷徳にすら心配させてしまっている。

 「ごめんなさい…。時間を無駄にさせちゃったわね。」

昼休みくらい、友人と過ごしたり、軽く遊んだり。とにかく少しでも授業というめんどくさいものが後にも待っている分気を緩ましたい時間だろう。

 その貴重な時間をとったのに肝心の司会進行たる自分が止まってしまったせいで大した話ができなかったのだ。申し訳ないと心の底から謝るが…。

 しかし、メンバーの顔は時間をとられたことにイラついたりとかそういったものではなく、純粋な心配が現れていた。

 もしかしたらさっき秋葉が気づくまでずっと声をかけられていたのかもしれない。

 ならなおさら…謝らなければ。

 「そんなことどうでもいいですよ!会長…自分で気付いてないんですか?」

アーミーの言葉にみな同意している。

 どういうことだろうか。秋葉が疑問に思いながらとりあえず身体をみるため視線を下ろす。

 すると皆があんなにも心配してくれていた理由がわかった。

 震えているのだ…。手が。しかも尋常ではないほどに。

 驚き、部室にある姿見に秋葉は自分を映すと、そこには涙が溢れ、全身の震えが止まっていない自分が立っていた。

 呼吸も荒い。視界がだんだん霞んできて、気が遠くなっていく。意識はそこで途絶えた。




 目を覚ます。秋葉はゆっくりと起き上がり、今の時間を確認するため、ベットから降りる。

 保健室にいるということは起きた瞬間に理解していたが時間はわからない。自分がどれほど寝ていたのかを確認するため、時計を見ると…もうとっくに放課後になっていた。

 溜め息ををひとつ。こんな時間ならもう勧誘活動もできないだろう。

 秋葉が起きたことに気づき、駆け寄ってくれた、保健室の先生に一言礼を言う。

 「ビックリしたわ。何せ四人の子が血相を変えてあなたを連れてきたんだもの。何があったのかって話を聞いても突然倒れたとしか言われなかったし。焦って調べたらただの気絶よ。本当に何でもないね。倒れる瞬間にここまで連れてきてくれた子達が支えてくれたから頭をぶつけることもなかったのよ。感謝しなきゃ。普段いろいろ頑張ってくれているから溜まった疲労が一気に出たんじゃないかって説明しておいたわ。ちゃんと適度に無理せず休まなきゃ駄目でしょ。」

 説明と同時に注意をされる。そうだったのかと納得すると同時、仲間への感謝の気持ちが溢れる。

 と、ちょうど慌ただしい音が廊下から響き、音を立てて、扉が開く。

 そこには秋葉を気遣って助けてくれた仲間達が焦った顔で心配そうに入ってきた。

 そしてベットから起き上がっている秋葉を見て、全員安堵の表情を浮かべた。

 「はぁ~。良かったわ。ホント。突然倒れるんだから心配したわ。」

 口々にメンバー全員が良かったとか、疲労で倒れるくらい無理するなとか、心配したとかいろいろ声をかけてくれる。

 秋葉は暖かい気持ちになると同時に思わずクスッと小さく笑ってしまった。

 「む。何心配してんのに笑ってるのよ!」

 「フフ…。何でもない。」

 正直、倒れてしまった真相は違うのだろうなと思っているが、その真相については今は考えなくていいだろう。今は、このあって間もないけれど、それでも優しい仲間達がいるというだけで十分だ。

 明日からまた頑張ろう。秋葉は決意を込めながら仲間をみつめた。




 翌日の放課後。秋葉達のいつもの勧誘行動を実行する時間。

 仲間達と共に一斉に…というわけにはいかない。大勢で行ってしまえば威嚇行動と何ら変わりはない。

 三人ならまだしも五人はもうアウトだろう。

 とりあえず教室の外で待機してもらい、エクスがいる教室、二年生の教室に入っていく。

 エクスも二年生のようだ。ティード達とはクラスが違うので、ティード達二年はあまりエクスについて詳しくはないらしいが…。この独特の質が違う力を感じる限り、知らないというのが不思議でならない。

 いや、前時点として、クラスで、学校で。あの独特の質が噂になっていて半ば有名人のように扱われ知らない人はいないということになっていても不思議ではないほどのものだ。

 どちらかというとそれが当然だろう。近づくだけで「異質さ」を感じてしまうことから逆水のように隠しているというわけでもなさそうだ。

 しかし、その力を使ったなら使ったで秋葉なら感知できる。少なくとも周りの誰かがそれを感じとっていてもおかしくはない。

 にもかかわらず現状気付いているものはいない。この事から使うような状況ではないから使わないのか、威力が大きすぎるから使わないか、はたまた自覚がないか。もしくは…周りが気付かない、気付いていないフリをしているのか。

 どちらにせよ、仲間に入れておきたいほどの強大なものだ。

 秋葉はティードと共にエクスの机に近づいた。まだ帰っておらず帰る準備をしているようだ。周りの者はほとんど帰っている。話には聞いていたが相当なマイペースの者らしく友達からの帰る誘いも断り、ダラダラして帰ることが多いという。

 そんな彼女だが…秋葉達が近づいてくると同時、ゆっくりと顔をあげ、そして

 「お前…。」

一言だけ、言った。『秋葉に』ではなく、『ティード』に。

そうだ。この異質な感じ、ティードにもあった。だけどこの異質さを周りは理解していない。

 同じだ。この娘…エクスと。

 ティードを見るとティードは何も言わなかった。ただジッとエクスを見ている。

 やがてエクスは溜め息をひとつつき

 「生徒会長がわざわざ私のとこにきて、何の用事でしょうか。」

 と聞いてきた。

 秋葉は自分をみるその綺麗な瞳がまるで、深い深い底なき穴のように感じた。

 同時、息をするのが難しくなってくる。昨日と同じ、呼吸困難が訪れ、何とかしなければと思っていても苦しく、意識が薄れようとしたとき、

「大丈夫。」

ティードのそんな声が聞こえたとき、薄れようとしていたその意識を引っ張られるような感覚がして、気付いたら先程までの苦しさが嘘のようになくなっていた。

 ティードを見るとティードはエクスを見ながら

 「そんな言い方はないでしょ。普通にいいなさい。普通に。」

「これが私。私に文句あるなら絡んだりせず、無視しろよ。そっちの方がいい。」

そんなやり取りをしていた。

 さっきのティードの言葉は幻聴なのだろうか。疑問が頭を埋め、その疑問を解決するため、考えようとしたところでそうではないと自分を戒める。

 今はエクスを仲間に入れること。それが今やるべきことだ。

 自分にそう言い聞かせ、改めて、エクスを見る。

 「エクス・ヴェーリットさん。あなたにお願いがあってきました。」

エクスはティードとの話をやめ、秋葉の目を真っ直ぐに見る。

 さっきのことで耐性がついたのかはわからないが、今度は意識が薄れたり、呼吸困難になったりすることなく、話ができた。




 「いいですよ。」

今までと同じように話をし、テンドゥのテレパシーを交え、目的も話す。

 すると答えは呆気なく断られることもなく、了承したものが帰ってきた。

 あまりにも簡易にためらいや逡巡なく了承するものだから一瞬、何が起こったか理解できなかったほどだ。

 「あ…ありがとう!」

しかし、ありがたいのは事実。純粋なお礼と共に部室と、メンバーを紹介する。

 皆、驚くほど普通にエクスを受け入れ、秋葉と同じような反応をする者はいなかった。

 またその時に疑問が浮かび上がるがそこを気にしていたら、気にしたらいけない気がした。

 新しく仲間入りしたエクスを歓迎する。それだけでいいんだ。今は。

 この『現実』を。秋葉は今、見ないことを選択した。

 これは後にまわってくるものとは決して関係がない選択。仮に今、深く探ることをしても、後にくるものに大差などなかったろう。むしろ酷く為っていたかもしれない。

 この場でした秋葉の選択は、決して間違ったものではなかった。




 翌日。メンバー集め、最後の一人を勧誘する放課後。

 のはずだったが…。

 「今日、最後の一人がここにくるわ。私と同じ、三年だけど…。緊張とかせず、気軽に接してあげてね。」

「え!?じゃあ今日は勧誘活動しないで…、ってかそういうのしなくても仲間に入ってくれるんですか?」

アーミーが即座に反応する。めんどくさい行動を避けることができ、あからさまに嬉しそうだ。

 「そ。前々から話してて、メンバーが集まったら参加してくれるって約束しててね。」

「そうだったんですか…。ってことは一年は俺一人か。」

 唯一の一年、谷徳がそう反応をする。

 その言葉を聞いた逆水が心配そうに谷徳に聞く。

 「心…細かったりする?…大丈夫?」

その心配そうな声に谷徳は少し笑い、

 「大丈夫です。単純に一年は一人かって言っただけですよ。それ以外に何ら思ったことはありません。」

少し心配して周りも見ていたがどうやら杞憂なようだ。

 少なくとも逆水がいてくれるなら谷徳が心細いと思うことはないだろう。

 そんな感じで喋っていると外から廊下を駆け抜けるようなうるさい音が聞こえてきた。

 「来たわね。」

秋葉が言うと同時、扉が勢いよく開いた。

 すると、一人の男が前方回転をしながら部室に入ってきた。

 やや筋肉質なその男は部屋に入ると途端に叫んだ。

 「俺が!この魔能対策部最後の一人!ヴェルク・ディーダックだ!よろしく!」

「「よろしく!」」

反応したのはアーミーとティードのみ。それ以外はあからさまにうるさ…という嫌悪を隠そうとはせず、ヴェルクを見る。

 (マスター。時々あなたの性格がわからなくなるときがあります…。明らかにめんどくさそうですよ…。)

「?何いってんの。面白ければいいのよ。面白くなかったらめんどくさいってことよ。」

  (あ、そういう…。)

納得するテンドゥ。

 周りはうるさいの入ってきたな…という感情が言葉で聞かなくてもわかるくらい表情で表している。

 呆れ顔で溜め息をつきながらヴェルクを改めて紹介する秋葉。

 「自分でも言ってますけど改めて…。この人が魔能対策部最後の一人。三年のヴェルク・ディーダックです。見ての通りやたらと熱苦しいけど根はいい人だから。」

「青春してるかお前ら!俺はしてない!勉強で忙しいからな!え?勉強も青春の内のひとつだろって?」

「誰も言ってないぞ…。」

「その通りだ!よくぞ見抜いたな!お前達!さすが天鼓が集めた奴等だ!だがこの程度で慢心してはいけないぞ!これからはもっともっと貴様らはいろいろなものと戦うため、自分を鍛えなくてはならない!だからお」

「今日はここまで。解散。」

秋葉の一言と共にみな、部室をさっさと出ていく。

 みなとはいってもアーミーとティードは部室に残り、ヴェルクの言う言葉に耳を傾け、はい!はい!と返事をしていた。

 そんなやり取りを背中にうけつつ、帰る秋葉達。

 何はともあれ、これでメンバーは集まった。最後にひとつだけやることがあり、それが達成できれば晴れて魔能対策部ができあがる!

 秋葉は明日に備え気合いを入れるのだった。




 理事長室。何部屋なのかを示すプレートにはシンプルにそう書かれていた。

 その部屋の前で魔能対策部のメンバー全員、緊張した面持ちで秋葉を筆頭に立っていた。

 「…すぅぅぅぅっ…はぁー。」

深呼吸をしてドアノブを握る。やがてゆっくりとドアノブを回した。

 



 「理事長室!?何でそんな場所行かなきゃならないんですか!?」

理事長室に行く前、部室にはメンバー全員、秋葉を含め七人が集まっていた。

 秋葉は理事長にこれから皆で行くと説明をした。

 最終的にこれを部活として行動するには理事長の判断がいると言う。だからこれから集めたメンバーの紹介と共に許可をもらいにいくのだ。

 皆的にはこれからやっと部活動が始まると、気合いをいれていたところでこれだ。驚き、めんどくさがるのも無理はない。

 「理事長…。…どんな…方なのでしょう…。」

逆水が疑問を口にする。

 そう。実は理事長を詳しく知っている者は少ない。いや、いると言えばいるし、隠れて行動しているというわけではない。

 知っている者はいるし、見たことはあるが…直接話した者は少ないというごく普通のどの学校にもあるだろう理由だ。

 「噂によると強大な力を持つ、狂暴な性格と聞いたことがありますね。」

「あら?私はおしとやかでおとなしい性格だって聞いたけど…。」

「私はドラゴンだって聞いたけど…。」

 谷徳をかわぎりに次々と理事長の噂を口にする。

 「見たことあるでしょあんたら…。」

秋葉が呆れながらツッコミをいれていると、ヴェルクが軽く笑いながら言う。

 「気持ちはわからんでもない。その噂はどれも理事長を知らぬゆえに生じるものだろう。俺も知らなければその噂を信じてたかもしれない。その噂の恐ろしいところはどれも信じるにたるものだと言うことだ。」

「まあ、要するに…。理事長は『創始者』よ。」

 いきなり言った秋葉の一言にみな、固まった。

 「創始…者って…。本のなかにしか…存在しないような…空想存在じゃ…ないんですか?」

逆水は驚きつつも質問した。感情の動きが分かりにくいポーカーフェイスな彼女が分かりやすく驚いている。

 それだけ、『創始者』というのは特別な存在なのだ。

 「基本、知られてはいないわね。ある種のチート級の兵器だから。存在していると言う情報すら禁止なほどに。」

「…リーダーそれ、禁止なら言っても大丈夫なのか?」

「大丈夫よ。今から会うことになるし、いろんな仕事をこれからするうえで、しかも能力が高い人と最悪戦う可能性がある以上、『創始者』と会う可能性は否めないわ。そのたび驚いてたらキリがないし、その驚いてる隙は戦闘においては致命的すぎるものだからね。」

緊張が部室を包む。

 死ぬかもしれないと、説明の時、最悪の可能性としてあげられており、それを聞いてやると言った時点である程度の覚悟は当然持ち合わせている。だがやはり、改めて言われると、どうしても緊張してしまう。

 その様子を感じ取った秋葉は柔らかく微笑むと共に強く、覚悟を感じる声を出す。

 「大丈夫よ。私が絶対に。あなた達を守るわ。」

 決してこの雰囲気を少しでも和らげるとか、できる限りはとかいった範囲の言葉ではなく、心の底からの芯からの。その言葉は安心に足るもので。同時に危うさを感じるものでもあった。

 「じゃ、行きましょ。理事長に会いに。」

秋葉の一言でみな動き出す。

 その時、秋葉以外のメンバー全員の心は一緒だった。秋葉だけに守らせる重責を負わすつもりは全くないと。




 時は戻って理事長室前。

 ドアを開く前にノックし、確認をとる。

 「どうぞ。」

その声を聞いた後、ドアを開くと、そこにあったのは理事長室ときけばイメージする綺麗な部屋。そのイメージ通りの部屋の、大きさががあまりにも予想以上のものだった。

 通常の理事長室。その十倍はあるんじゃないだろうか。理事長室というより大会社の社長の部屋のイメージが合う。

 ドアの先、離れたところに椅子と机。理事長室によくある、高級感を漂わしているものに一人ポツンと座っている小さな影があった。

 秋葉を筆頭に理事長に近付いていく。

 理事長が視界に入った瞬間、溜め息が思わず漏れた。

 これは呆れで出たりするようなそういった類いのものではなく、何度みてもなれない、その容姿に感動してでてしまうものだった。

 まず特徴的なのはその身長。小さいのだ。小学生と間違われかねないほどに。がそこに長い黒髪が、美しい水晶のような瞳。そこに袴の服装がうまく調和するように合わさり、信じられないほどの美を作る。

 見た目は小学生のロリッ娘なのに大人のような落ち着いた雰囲気が所作が、アブノーマルな印象を作り出していた。

 今まで何度も見てきたがそれを不思議に思ったことはあった。

 その謎は『創始者』という名称だけで解決し、納得に至るもの。それほどの伝承、伝説、空想存在といわれたほどの存在『創始者』が今、目の前にいる。

 途端に強くなる緊張をみな、隠すことができなかった。

 それに気付いたのだろう。理事長は柔らかく微笑み、

 「どうやら秋葉さんから聞いたようですね。私が『創始者』だと。でもだからってそんなに緊張しなくてもいいですよ。自宅だと思って気軽にくつろいでください。」

 と、手のひらを上にし、五本指を揃えソファーに指すことで座っていいことを示す。

 とは言われても簡単に緊張はほぐせるものでもないため、緊張しながら、ぎこちない動きながらもみな、それぞれ複数あるソファーに座る。

 黒い机を中心に両隣に一つづつと理事長の机に向かって一つあるソファー。そこに理事長に向かって左に谷徳と逆水にヴェルク。反対にアーミー、ティード、エクス。そして、理事長の机に向かって座ることになるソファーに秋葉がと分かれて座る。

 黒い机がその広い部屋に合わさるようにかなり大きく、その机と同じくらいソファーが大きいため、分かれて座る必要はないのかもしれなかったが、一応、綺麗に分かれて座る。

 その様子を見て可愛らしく小さく笑う理事長。

 「可愛い子達です…。」

一言そんな感想を言った後はそうやって座ったことには触れず、席から立ち上がり自分の身体に手をおき、言った。

 「改めて自己紹介を。私の名前は鬼刻天雲。この学園の理事長をつとめております。集会などで私を見た人もいるでしょうがこうやって話をするのは初めてですよね。生徒とゆっくりお話をするという機会はなかなかないですからこうゆう機会をいただき感謝しております。以後、仲良くしてくださると嬉しく思います。」

 「こちらこそ、よろしくお願いします。」

メンバー全員が緊張で言葉がでないなか秋葉がすぐに返した。

 何度か会い話をしたことがあるのだろう。その様子には慣れが見えた。

 「鬼刻理事長。部員を揃えました。ので、約束通り、魔能対策部の設立許可をだしていただきたくこちらに来させていただきました。」

 「大丈夫ですよ。約束は守ります。ですが…。わかっているとは思いますし何度も言いましたが…危険ですよ。もし、危ないとこちらが判断したらすぐに解体することになります。これも約束の内。了承していただけますね。」

「…はい。」

顔が少し曇り、心配そうに秋葉達を見る天雲に対し、強い瞳で返す秋葉。

 それを見た天雲は一つ息を吐き、曇った顔を元の余裕がある表情に戻る。

 「わかりました。それでは正式に許可を出しましょう。」

 天雲の一言に秋葉達はパァーっと表情を明るくする。

 こうして、魔能対策部は設立することになった。

 数多くの不安こそあるが、このメンバーならやっていけると秋葉は信じるのだった。

 



 

 


 


 


 

 





 


 

 

 

 


 

 




 

 



 

 

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