決着
ミレルを抱き、守ることでなんとか揺れを凌いでいた。
「……静まったか?…」
「わからないけど…音がしなくなったね…。」
テルクスはミレルをまた衝撃で揺れる可能性を考え抱きながら塔の核をみた。
「だな…。しかし、この核ビクともしねぇ……さっきから何発も殴ってんのに…。」
テルクスは揺れが収まる隙をつき、何度も核を殴っていたが壊れる気配など微塵もなかった。
ミレルのおかげで魔力は大分回復したにも関わらず…。もしかしたら壊れない、この塔を止める事などできないのでは?と、マイナス方面の考えがふつふつと浮かんできていた。
「いや!ダメだ!諦めちゃ!……よし!!!もう一発!!!」
テルクスがそのマイナス方面の考えを頭を振って振り払うと共に拳に魔力を込め、再び、核に向かおうとした時だった。
塔全体を一瞬、アメーバのようなものが通った。そのせいで塔の内部の色がアメーバの色、水色になる。
「⁉︎」
核に向かうのをやめ、すぐさまミレルの元に戻り、ミレルを抱くことで守りつつ、様子を見る。
すると、塔から人間の見た目をした、アメーバが大量にでてきた。
「こ……これは⁉︎」
テルクスが驚いているとミレルがハッとして口を開いた。
「まさか…!塔の魔力が暴走してるの⁉︎……さっき…魔力が一箇所に集中してたせいで…⁉︎」
「ぼ…暴走⁉︎……マジかよ…。でもなんで塔の魔力が一箇所に集まったんだ⁉︎」
「わからない…けど…とにかく今、この状況は…好ましくない。アレは…来るべき時に向けて用意されていた魔力兵器。地下に魔力水があるんだけど…それがこのアメーバになるの。そしてあのアメーバは完全に消しさらない限り半永久に破壊の限りを尽くすものなの。だから…」
「戦いを避けて、核を壊すしかない?……はは…んなもん…」
人型アメーバ達が一斉にテルクスとミレルを確認すると一体が高速で移動して近くにきた。
「無理とか言ってる場合じゃないか!!!ちくしょう!どけ!」
テルクスは戦いを避けるため、人型アメーバの攻撃を避け、その隙に核に近づこうとした。
アメーバは拳をテルクスに振るい、テルクスはそれを避ける。までは良かったが、今だ!とテルクスが走り、核に近づこうとした時、それこそが隙となり蹴りをくらい、テルクスは後方に飛ばされた。
「マジかよ…。」
なんとか空中で体勢を整えることで衝撃を殺すことに成功したが…。今さっきのやりとりで理解したのはこの人型アメーバが強いということ。
ますます核破壊という目的を達成するのが絶望的になってきた。
「そもそもなんで一体だけ…」
ミレルがテルクスに近づき、応えた。
「あのシステム…アメーバ達は一体が得た情報を全体に共有できるの。だから、闇雲に一斉に突撃して一気に蹴散らされ数が減るのを防ぐため、一体で戦って情報を集めてるの。」
「…なんだよ。それ…」
人型アメーバ達はもはや塔の壁が見える隙間がないほどの数があり、こんなのが一斉に突撃してきたらとゾッとした。
「ごめんなさい…。これも先代の、今の私より強い創始者の力で作られてるから私じゃ止められない………。けど!父様をテルクスが倒してくれたから…。止めてくれたから私もやっとちょっとでも吹っ切れた。足の震えが大分収まってきて…戦おうって気持ちになることができる。だから……一緒に戦うよ。」
「え?」
とテルクスが驚いているとミレルが大量の人型アメーバの方に向く。
そして地面に転がっていた小さな瓦礫をとり、空中に放るとそれが巨大な大砲の砲筒になり、人型アメーバ達に向け撃つ。
さらに二つ瓦礫を放ると二本の剣がでてきてそれをとり、砲で爆発して火が人型アメーバ達を包みこんでいる中に飛び込みアメーバ達を斬りまくる。
縦横無尽に駆け回りつつ、斬り、アメーバを踏んで空中に浮かぶ。そこにアメーバ達が一斉に突撃してくるが二本の剣が大量の砲筒がある形状に瞬時に変化し、一斉に放つ。 大爆発が起こった。
しかし、アメーバ達は再生し、地面に着地したミレルを見る。
「は⁉︎さ…再生機能まであるのかよ…。そ…そうか。さっき完全に消しさらないとダメって…。」
「………やっぱり、戦いなんて父様の訓練以降やってないから…それが随分前だから…これが限界…。止めることはできても、消し去ることができない……!」
ミレルが悔しそうに言う。核の破壊が絶望的なだけでなく一斉に行動を始めた人型アメーバ。この状況にテルクスとミレルは同時に判断する。
「一旦逃げよう。そこで作戦やら策を考えるんだ。」
テルクスが代表してその判断を口にし、ミレルは頷くと同時に走り出した。
しかし、その中枢の部屋からでるとそこにも大量の人型アメーバがいた。
その時、二人は察した。人型アメーバが現れる前に一瞬塔の内部の色が変わった。そのあと人型アメーバが現れたのだ。その内部の色が変わる際、魔力が塔全体に広がっているのがわかったこと。そして今外にでても大量に人型アメーバがいる現状からもう、塔内に安全な場所。少なくとも冷静に今後のことを考える余裕が持てるような場所はないことを。
二人共、その人型アメーバを無視して塔の壁に向かって走る。
ならばもう、安全で、確実に思案できる場所はひとつしかない。今、大量の人型アメーバに無策で突撃することこそ無謀なのだから。つまり、塔の「外」に出るしかなかった。
その壁を二人で破壊して外にでた。が、もちろん、塔の高いところからでてくることになるため、落下する。
地面にぶつかればそれこそ終わりだがそれはミレルがいるからこそできること。
地面を創始者の力で「変換」トランポリンのように柔らかくそれでいて衝撃に強いものにすることでなんとか地面にぶつからずにすんだ。
息切れを二人ともおこしながら塔を見る。
「っ⁉︎」
予想だにしていなかった様相が広がっていたため驚いて言葉が出なくなった。
塔から人型アメーバが大量にでてきて塔全体を覆うほどの数が舞っていたのだ。
「……戦争に元々使うつもりで、造られたものだから…外に出てくるのは当然といえば、当然…か…」
そんな呟きをしたテルクスは立ち上がって大量の人型アメーバ達を見る。
ミレルも同じように立ち上がり塔を見る。
もう、逃げ場などない。これ以上逃げてもほっといても、被害が広がるだけ。
アメーバ達がこちらを見てゆっくり近づいてきている。
作戦やらを考え思案している暇もない。
二人は覚悟を決め、改めてアメーバ達に向き合う。
テルクスは拳を握りしめ、ミレルは石を変換させて剣にした。
テルクスは言う。
「ミレル。君だけでも逃げてくれ。ここは俺がなんとか」
言葉の途中でミレルが口を開いた。
「嫌。今まで助けられてばっかだもん。今度は私だってテルクスを助けたい。それに…一緒に戦うってさっき言ったよ。」
「……そうか。」
言ってテルクスはミレルを抱き締める。静かにミレルもそれに応じ、抱き返す。
「じゃ、やる事は…」
「勝って生き残ること。それだけだね。」
おでこを当てながらクスッと二人で笑い、手を握りながらアメーバ達に向く。
状況は絶望的。けど…やる事はシンプルだ。
やがて二人共アメーバ達に突撃していった。生き残るために。自分達の未来のために。
剣と薙刀を変わらず相手の方に向け、静かに闘気をむきだしにし、目線を交わしていた二人の周囲にはいつの間にか大量の人型アメーバがいた。
しかし、アダンとディラルは気づいているのかいないのか意に介さずお互いを見ていた。
やがてアダンが口を開いた。
「私の仕事はあの二人を無事に助けてやること。あなたの目的はこの塔の管理。そのためには主管理者の奪還のため、あの二人を追ってなんとかしなければならない。……ふむ。改めて確認しても私達は相入れないね。」
「確認するまでもないだろう。」
「そうだな。いや、何。せっかく会えたんだから。やっぱね。できるなら倒したくないんだけど。」
「ほう。倒せると思っているのか?」
「それゃね。余裕。」
「奇遇だな。私も貴様を倒すのは余裕だと思っていた。」
二人共小さく笑い、
「分かり合えるわけがない。それが「私達」なのだからな。」
「……だな。……んじゃ。これでラストにしよう。お互いの目的のため。それにはお互いが邪魔なんだから。」
アダンがそう言うと一瞬静かになる。
瞬間。近くに二人共近づき今日何度おこしたかわからない剣と薙刀がぶつかりあう、戦いが始まった。
二人共の武器が交わった時、今までとは比較にならないほどの「今」の全力を出したため、衝撃で爆発のようなものが二人を中心に起き、辺りの人型アメーバを一瞬で消し去った。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そのまま連続の剣撃をお互い振るい、その度に衝撃で辺りの人型アメーバが塵一つ残さず消え去る。
やがて、二人は同時に離れ、その際、アダンは銃弾をディラルに放った。
それをディラルは最初に戦った時のように片手でとる。
アダンはその隙にディラルに近づき、ディラルもそれに相対するように反応し、武器がぶつかり、衝撃が起こる。
アダンはそのまま、剣を振り上げ、ディラルは空中に浮かぶ。
空中に浮かんだディラルを追い、アダンも飛び、剣を振る。ディラルはそれに反応し、薙刀を振るうことで返す。
そのまま地面に降りることなく魔力を足場にし、空中戦が始まる。
縦横無尽に塔全体を駆け回りつつ武器を交え、その度に衝撃で人型アメーバが消え去っていく。
空中でアダンは剣を投げ、銃を放つ。
ディラルは投げられた剣をとり、その銃弾を斬る。片手で薙刀による、斬撃をアダンに飛ばす。
その場から瞬間移動のごとく移動したアダンはディラルの剣を持った手を蹴りあげることで剣を離させ、空中に飛んだ剣を魔方陣をだしそれを足場にしてジャンプしてとる。
アダンがさっきまでいた場所に、ディラルの近くに銃弾があった。
それを冷静に片手でとり、薙刀を持った手は隙をついて剣を振ったアダンに対抗するために使った。
そのまま連続で剣撃が起こり、空中でつせばりあいをおこし、相手を飛ばすよう力をお互い込めることで二人共壁に向かって勢いよく飛ぶ。
うまく体勢を整え壁をまるで地面として扱うかのようにして着地した。
きりがない。お互い何度も思ったこと。そして状況からして一刻を争うことがわかっている。
アダンはこの人型アメーバが大量にいる状況からあの二人ではキツイのはわかっていた。なんとか早めに助けに行きたい。
ディラルはもう脱出して遠くに逃げられては敵わない。早めに追いたい。
早期決着こそ、お互いが望んでいることだった。
「考えていることは同じだな。」
そう言いつつ確信していたアダンは壁から足を離し、落下していった。
ディラルも同じように落下していく。
最下層まで魔力を溜めながら落ち、やがて最下層についた時には魔力は最後の一撃を放つには充分なほど溜まっていた。
相手を睨みつつ、剣と薙刀をそれぞれ構える。
が、アダンは足元が急にフラついた。
いや、予想はしていたことだ。最初に戦った時もディラルは「これ」を使ったのだから。
アダンは状況を確認する。やはり、あの時と同じで…空間が歪んでいた。
何処が地面で、何処に相手がいるのか、視界すら空間が歪んでせいでわからない。
音が聞こえた。空気を切り裂く音。
これは…ディラルがアダンに向けて放った、銃弾。ディラルが片手でとった銃弾はまだディラルの手の中にあった。それをディラルが放ったのがわかった。
アダンはその音の方向に向き、剣を投げた。何処にどのようにして銃弾が来るのかわからない以上、剣を盾にして防ぐほうが危険と判断した。
回転しながら飛んだ剣は銃弾を弾いたのを音で確認した。
瞬間ディラルはアダンの近くにいた。魔力を込め、薙刀を振り下ろす…がアダンに薙刀が当たる前に跳弾した弾が飛んできた。ディラルはそれを避けるが避けたディラルに今度はブーメランのように戻ってきた剣が回転しながら近づいてきた。
ディラルはアダンが狙っていることがわかった。空間認識能力が空間が歪むことで薄れている以上、相手の場所が判断できるのは音のみ。そしてディラルが相手を倒せる確実性を上げるため、アダンの近くにくる。そこを利用して剣を自分の方へと放つことでディラルに当てようとしたのだろう。仮にその剣が当たらなかったとしても防がせればどうしても音がでる。そうなると場所がわかってしまう。
ならば…と、ディラルはアダンの方にジャンプして向かいつつ、剣を避ける。飛んだ理由は地面で避ける行動を次すれば足音で自分の場所がわれてしまうと判断したから。空中で決着をつければ気付かれることなく終わらすことができる。
アダンの近くにいき、再び薙刀を振ろうしたディラル。
「っ⁉︎」
しかし、ディラルの方向に銃弾が向かってきていた。まだ跳弾していた弾があったのだ。その弾をなんとかギリギリで避ける事に成功する。
そしてアダンの近くにまできていた剣にディラルが避けた弾が当たり、音がなった。
ディラルはその時気付いた。剣と銃弾が当たった結果生じた音。そして当然、空間が認識できない以上魔力を耳に集中することで音を認識する力を上げるのは今アダンができる最大の対策。
これらから導かれるアダンの目的は…
「音が吸収されたのは…」
音で場所がわかった剣をとり、魔力をこめ、構え、ディラルの方に向くアダン。
「そこだな。」
気付いた時にはディラルの後ろに剣で突くような体勢のアダンがいて、ディラルの身体は貫かれていた。
地面に落ちるディラル。ガクガクと揺れる身体で立ち上がろうとするが倒れてしまう。
「無理すんなよ…。ってことで私の勝ちだ。」
アダンがそう言ったのを聞いて小さく笑うディラル。
「……そうだな。…私の負けだ…。」
意外そうな顔でアダンがディラルを見る。
「潔いな。まだだ…使命が私には…!みたいに来るかと思った。」
「……楽しかったからな。悔いはない…これも…決められたことなのかもしれないが…。アダン。貴様に…いや、あなたに。会えてよかった。このまま、ただこの塵の中で惰性に存在し続けるのかと思う中、あなたに会えたのが決められたことだとしても…。楽しいひと時をくれて。ありがとう。」
「……私もだ。できればこんな形じゃなく、会えれば…」
喋っている途中、ディラルは無言でしかし、清々しそうに笑いながら、光の粒子のようになり、消えていった。
「まだ、喋ってる途中…。」
しかし、クスッと小さくさっきのディラルと同じように笑って。
無言で歩き出す。感傷に浸っている暇はない。自分にはやることがあるのだから。
テルクスとミレルは大量の人型アメーバと戦っていた。
少しではあるが数は減らせているはず…。しかし、一向に衰えることなく、むしろ数は増えているように見える。
体力だけが減っていって、息切れが続き、限界が近かった。
「っ!」
テルクスは体力が減って隙ができていたのを狙われ、攻撃を受け、地面に叩きつけられた。
「……っ…く!」
体力、精神的に限界を迎え、立ち上がることすらままならない。
「テルクス!!!」
ミレルは倒れているテルクスの元に急いで近づき、ドーム状の魔力盾を貼る。
駆け寄ってきたミレルはテルクスに口付けをして魔力を送るが体力の回復には時間がかかる。
テルクスはドーム状の魔力盾が攻撃されている状況を見て、盾が破壊されるのは時間の問題と判断した。
「ミレ…ル…。逃げ…ろ。」
「嫌!!あなた一人にするなんてできない!大丈夫!助けてみせるから!!だから!」
涙がミレルの目に溢れていた。
テルクスは悔しかった。またミレルを泣かしてしまったことが。こんな状況になってしまったことが。
ミレルの身体を引き寄せ大事に、優しく抱く。
「ごめ…んな…。また泣か……してしま…って…。」
涙を溜めながら首を振るミレル。
気まで使わせてしまった…。結局…今まで努力してきたのは無駄だったのだろうか…。
村の人からはやめた方がいい。と何度も忠告され、それを聞きながら。でも、ミレルのために。今まで頑張ってきた。
決して後悔はしていない。少なくとも、ミレルを呪縛から助けることができた。
けど…。この塔は…戦争のために造られた。たった一人の一村人にすぎない人間じゃ、倒せるわけがなかったのだ…。
いつの間にか涙がテルクスの頬を伝う。
盾はひび割れあと少しで壊れるだろう。それまでせめてミレルのぬくもりを感じていたい。
そう考え、ギュと抱いている力を大きくした瞬間、ドン!っと大きな音がした。
「「え?」」
二人して声をだし、ドーム状の魔力盾に集まっている人型アメーバの隙間から塔の方をみると大人を肩にかかえながら塔の壁から出てきたアダンがいた。
そこから足を塔外にだし、落ちる。
落ちながらアダンはそのかかえていた大人を上に思いっきり放った。
塔の遥か上にまでその大人が飛んでいったのを確認したアダンは下を向いた。大量の人型アメーバがドーム状の魔力盾に集まっているのがわかる。
そこに銃弾を挑発がてら軽く放つと人型アメーバ達はアダンに気づき、同時、塔から続々と人型アメーバがでてきた。
アダンは落下しながらアダンに集まってきた人型アメーバを身体を回転させながら、斬った。
辺りのを切り刻むと壁を足場にするように着地。
そのまま地面に向かって走りだした。続々と地面近くにいた人型アメーバがアダンに集まりだす。それらを剣の一振り一振りで消し去り、壁から跳躍して人型アメーバを足場にし、上にいく。
そして剣を放り、回転しながら塔の周りにいたアメーバ達を斬る。次に銃弾を撃つ。拡散するようにとんだ複数の弾はアメーバに当たるとアメーバは消し去っていく。
アメーバを消し去りながら進む弾はアメーバに当たると跳弾。多くのアメーバを消しながら一点に集まり、弾同士が当たって跳弾。
その内の一つが回転しながらアメーバを斬っていた剣に当たり、剣の回転が緩くなる。
そこにもう一つの弾が剣の底に当たり勢いよく落下。
落下しながら次々とアメーバを消しさり、途中、跳弾した弾が刀身に当たり、回転しながら上にいく。
その飛んできた剣が銃で周りのアメーバを消し去っていたアダンのところにいき、アダンはそれを避けた。 やがて塔の上にいった剣を確認すると、アダンはアメーバを再び足場にし、跳ぶ。
そして身体を回転しながら銃弾を放った。その銃弾はあらゆる方向にとび、アメーバを消し去っていく。
上の方にとんだ弾は回転しながら塔の上空にいた剣に当たり、結果雨のように塔を中心として辺りに弾がとんだ。
地面近くにいた、人型アメーバもどんどん消えていき、数はもう大分少なくなっていた。
落下してきた剣をとり、アメーバを足場にし、跳び、塔の中心くらいの位置にいく。
塔の上空を見ると太陽があるが、しかし、塔に隠れ、確認が難しい。
「やっぱ、邪魔だな。この塔。」
そう言って剣に魔力を込める。
地面から見ているテルクスやミレルにもわかるほどの膨大な魔力がその剣に集中し…突く動作をした瞬間、巨大な剣状の魔力エネルギーがビームのように放たれ、塔を貫いた。
横薙ぎにそれを振るうことで塔は斬れていく。
地面にいたテルクスとミレルはそれを呆然と見ながら
「嘘…だろ?」
と思わず呟いてしまっていた。
斬っている最中、巨大な魔力エネルギーなだけあり、当然のように核が巻き込まれ、粉々になった。
やがて塔は真っ二つになり、消えていく。同時、周りの人型アメーバも全て消え去っていき、霧はさっきまであったのが嘘のように引いていく。
塔の崩壊に巻きこまれぬよう、空中で後転して移動し、地面に着地し、勢いで地面で摩擦したため、その勢いを体勢を整えることで殺す。
そして上空にいた、大人…ガレドが降ってきてキャッチ。肩にちょうどかかえる形になり、塔があった方を見る。
そこには絶景が広がっていた。
塔がなくなり、太陽の光が天から降り、荘厳にして壮大な景色が。
「予想はしていたけど…。実際に目でみると違うな。うん。まさに絶景ってやつだ。」
しばらく眺めた後、さっき確認したドーム状の魔力盾があった場所…。テルクスとミレルがいるであろう、場所に行く。
着くと予想通りテルクスとミレルはいた。ポカンと今起きた事がわからないと言わんばかりの顔をして。
「?どした?大丈夫か?んー。怪我は…あるな。急いで帰ったほうがいいな。ってか私、正直、もう帰ってるとばかり思ってた。待っててくれたのか?だとしたらセンキュー。じゃ、帰ろう。歩けるか?」
アダンが話しかけてくるが今だに開いた口がふさがらない。
その状態から脱するのはこれから十分ほど経ってからだった。




