カーボンコピー
薄く黒く、蒼みがかった言葉たち。
どこから拾われてきたのか。
どこから見つけてきたのか。
おおよそオリジナルすらわからないのに。
どこかで見たと、思い出してしまう。
劣化したコピー。
空から落ちた色。
ひとしずく、ひとしずく。
ペン先に垂らしたつもり。
ひとしずく、ひとしずく。
指先で伸ばしてばかり。
間に一枚、紙を挟んで。
残ったのは、後ろの一枚。
燃やしてしまった、最初の一枚。
内緒にしたよ。
目隠しをして。
君にだけ。
見せてあげない。
カーボンコピー。
おやすみなさい。