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April~二人羽織編 5~ダウンローダー

 相変わらずの駄文。書いていて嫌になりましたが、なんとか投稿できました。

 こんな稚拙な作品ですが、読んでいただけると嬉しいです。

12


 暗い空の天蓋を閃光が穿ち、断続して鳴り響く発砲音が静寂を引き裂いている。

 俺が受け入れた現実は、どうもリアリティに欠けたものだった。

 空から落ちた衝撃で出来たクレーターの真ん中で二人の華奢な少女が闘っている。

 そこには少女の可愛らしさなんて一切ない、機械のように無機質な二人は互いに互いの必殺を狙いながら銃器を振るう。

 コンビニから見えた緑色の光は、迷彩のスーツを着込んだ少女の閃光に照らされたからだろう。

 しかし、一方の少女は明らかにこの迷彩服の少女とは違っている。俺が見たもう一色の、あの銀色の光は、こんな闇夜でも輝いている少女の銀髪だ。

 それは、とても透き通るような―――今俺が握っているナイフのような色だった。

 その現状を受け入れようと、俺はクレーターの淵から十メートル離れたところで立ち尽くす。

 迷彩服の少女はサブマシンガンを、銀髪の少女はその体には不釣り合いなほど大型なガトリングガンを獲物に今も牽制に打ち合い続けている。

 ときたま、俺の横を流れ弾がかすめた。

 そんな、近づくだけで巻き込まれて死んでしまうような現状に俺の体は何故か歓喜した。俺も十分異常だと、呆れて口が歪む。

 クレーターの中心でグルグルと円を描くように、その大きすぎる銃口から弾丸を撃ち込む銀髪。その銃口の先で円弧を描くように迷彩の少女が弾丸を避けながら駆け抜ける。

 迷彩の少女は火力的に圧倒的に不利だ。しかしそれを機動力でカバーしている。器用に、走りながらカートリッジを交換して銃撃を続けていた。恐らく相手が球切れになった瞬間に決めるのだろう。

 しかし、そのときは来なかった。

 一方の銀髪の少女は、一度もリロードなんかせずに弾丸を無限に打ち込むだけ。隙が一度もない。

 よく見ると、その足元には一つも薬莢なんか落ちていない。

「どうなっているんだ…?」

 あり得なさに、こんなことを口走ってしまう。

 無限に撃てる銃―――銃に限らず無限に何かを行えるはずがない。

 この二人の闘いに常識なんて無いようだ。

 パチパチと目を瞬かせていると、銀髪の少女が何かを始めた。

 水平に左腕を真横に挙げて、何かを掴もうとしている。掴もうとしている先の空気がうねりだす。そのうねりはどこか銃に見えた。


 瞬間、銀色の光が辺りを包む。

 光源は、銀髪の少女の手のひらの先。水銀のようなその光がうねりを形成していく。

 光が途絶えてから目を開いて見てみると、少女の左手には右手のガトリングガンと全く同型のガトリングガンが握られていた。

「…どうなってんだよ…あれ」

 無限の弾丸なんかよりも非常識なもの。

 何もない所から物を作り出した。

 そのありえなさ、というより姉さんの言うような“非公式”にガタガタと体が震えた。

 少女は両腕のガトリングガンで迷彩の少女の進行方向と後方を囲い込む。

丁度俺の目の前のところで、蜂の巣にされた迷彩の少女が吹き飛んだ。

「うわっ…!」

 迷彩の少女は呼吸しているが、限りなく死体に近い。

 俺がいつも犬に付けていた切り傷とは違ったグロテスクさがある銃痕を見やる。横腹、眼球、太腿、いたるところに鉄臭い煙を立てて穴が空いている。

「―――なん…だ、コレ?」

 これで三回目の非公式な出来事。

 少女に空いた銃痕は、画像がブレるようにビリビリと塞がっていく。漫画みたいな超回復だ。

ここまで来れば分かる。―――この二人は人間じゃない。

「…うぅっ」

 グロテスクなそれにではなく、常識のないその現象に嫌悪する。

 受け止める現実に常識がないのに、それを受け止めるには自分を非常識として認めないと無理だ。そんなの人間を捨てるようなものだ。この嫌悪感は非常識に対する拒否反応だろうか。


 気持ち悪さにたじろいでいると、迷彩の少女と目が合った。

 蝋人形のように虚ろで生気のないその目。思わず息が詰まる。

「―――部外者…を、確認。

 隠蔽―――ため、排除…します」

 少女はとぎれとぎれに口を開いた。

 ズルズルと腕を引きずって立ち上がろうとしている。その腕で腰元からアーミーナイフを引き出した。

 それに対して、知らず銀色のナイフを持ち直して構える。これと殺り合っても殺されると頭では理解しているが、体は臨戦態勢に入っている。

 まだ銃痕が塞がっていないのかその動きは鈍い。しかし確実に修復されている。相手もナイフを構えた。

 頭の奥で、またあの冷たい感覚。犬殺しの時よりも何倍も冷たい思考―――こんなにも冷たいのに、額には汗が滲んでいる。

 微かに腰を落として、ついに立ち上がった標的を見据える。教科書通りの構えの相手に対して、俺は今まで通りの我流で構ている。

「はぁ―――はぁ―――はぁ…」

 いつもより荒い自分の呼吸。しかし、今の俺にはそんなことは気にならなかった。

 緊張よりも上回る興奮。

「――――――ふぅ」

 もう、待てない。

 大地を蹴り上げて、ほとんど飛ぶような等速で間合いを詰める。そんな最中でも相手の挙動から動きを予測している冷静な脳。

「はあぁっ!」

 完全に()った―――この一撃で完全に決められる。相手なら完全に詰んでいる。

「っな!?」

 決めた、はずだった。

 しかし、この迷彩の少女は予測していたよりも速い。俺のナイフは真芯のところでしっかりと受けられている。

 キッと睨みつけて、さらに起動を予測しようとする。だけど、そんな暇もなくそのまま俺の腕は跳ね上げられ、空いた横腹に少女の回し蹴りが勢い良くめり込まれる。

「は…やっ」

 そのスピードに絶句しながら、俺の体はクレーターの淵まで飛ばされた。


 冷たさを失い、我に返った思考。ショックからかグラグラする視界の

先でゆっくりと迷彩服が近づいてくる。その手には獲物のサブマシンガンが黒く輝いている。

 いつも、この冷たい思考が収まるのは使う必要がなくなったとき。つまりは事が終わった時と、こちらが詰んだ時だ。どこにどう逃げても蜂の巣。起動予測する必要もないくらいに決まりきった現状。

 少女はこれまた教科書通りに銃を構えていた。照準を合わせるまで、多分一秒くらい。

 蹴られた横腹をきゅっと握って、銃声と共に目を瞑る。

 

しかし銃弾は当たらず、代わりにびしゃりと液体が降り注いだ。

薄く目を開けて顔を拭うと、その液体は真っ赤な血液。

「痛く…ないのに。なんで」

 べっとりと血の付いた掌の間で銀色の光が見える。

 目の前の腕を下ろした先に見えたのは、血煙のなかで仁王立ちした見蕩れる様な銀髪の少女だった。

少し間が空きましたが、なんとか投稿することができました。

 自分でも読み返してみると、なんともチグハグな文章にうんざりするばかりです(笑)。

 これからは、もうちょっと文章力を上げないといけませんね。

 ここまでメインヒロインが姿しか書けていませんが、次回では動かせるように頑張ります。

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