をかし(笑)
をかし(笑)
───我が名をあひとなむ申する。心に傷をおひたる生女房。よばはれをかしの、色々しかりたるかよはれをとめ♪
われの連れ立てる知音、賜はられるがごとくみゆるみき、九重より隠しつつ遊郭にて仕るゆふか。よしありて卑しき下衆どものがりありけるあきな。
知音あるをだに内はつれづれなる。ましてけふいとはかなきよしにてかこちあひぬ。
みなをんななりにしかば、かのごとくかたもありせむなれば、所狭く事多かりし☆
しかるべき時われは一人で都をありくことしむるべし。
まめやかなるおのれへのもの聞こし召したるかた?おのづからつきづきしくなるようこと侍らんとも言ふなり!
「あなーうたてし」・・。さることおぼえながらこちたし坊主をおぼろげにあしらふ。
「その方ー、あからさまなれども物語かは聞き侍れ?」いかなる人もおほかた似る言だに言わむ。
坊主のをのこは、けしうはあらねどすずろにはかなくてすさまじ。いとあやなからぬわれを見なむ。
「すまぬ・・。」・・・また今さらなり、とこそ貴なるなわれは思し召し侍れ。知らでようこそ行い侍らんと思いしかば、
あから目にて坊主のをのこのかたちを見侍りし。
「・・!!」
・・・ちがふ・・・ありしまでのをのことはいかやふにもこそ違へ。発心せらるるけはいわれの身をありく侍り・・。
「・・(いといと清らなり・・!!・・かくは契りなるかは・・?)」
をのこは天台座主なりにし。連られるにあながちに契りむすばれぬ。「あなーやむべし!」かしらおろし侍り。
「あはれっ!なりっ!」われはかなくなりぬ。をかし(笑)