22/25
幕間 夢
ある日、夢を見た。
家族がいた頃の夢だった。
みんなが一緒にいて、
同じ時間を過ごしていた。
何をしていたのかははっきり覚えていない。
ただ、一緒にいた。
それだけで幸せだった。
次男が僕のところに来た。
そして抱きつきながら言った。
「お父さん、お父さんに会いたかった」
その言葉を聞いた瞬間、胸が締めつけられた。
僕は何も言えず、ただ抱きしめた。
強く抱きしめた。
腕の中には、確かな温もりがあった。
夢なのに、現実よりも現実のようだった。
――目が覚めた。
朝だった。
しばらく動くことができなかった。
頬が濡れていることに気づいた。
涙が出ていた。
夢の中では、確かに家族がいた。
触れることもできた。
声を聞くこともできた。
でも、目が覚めると何もなかった。
静かな部屋と、現実だけがあった。
悲しいという言葉では足りない。
苦しいとも少し違う。
ただ――
虚しかった。




