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僕の物語― それでも、前へ ―  作者: シロイルカ
第2幕 リアルモノローグ
16/22

第七章 産声

酒を飲み歩くようになって、面白い出会いもあった。

そのひとつが、「産声」という名前のバーだ。

産声。

何かを変えるきっかけには、ちょうどいい名前だった。

そんな安易な理由で立ち寄った店が、不思議と自分にはしっくりきた。

落ち着いた雰囲気の店内。

よく冷えた美味しいビール。

そして、ふいに現れて話しかけてくるオーナー。

最初は、知らないおじさんが気さくに絡んでくるのかと思った。

それがオーナーだと知ったときは、正直驚いた。

今では、それも笑い話だ。

だが、この店の魅力はそれだけではない。

個性豊かな店員たち。

僕が行けば、たいてい居てくれる可愛い店員さん。

木の実の名前を持つ、気さくな女性。

少し危うさを抱えた、スリル満点の仲間候補。

イケメン金髪の爽やかさん。

小悪魔のような歌姫。

そして、どこかむっつりしながらも、いつも笑っているラガーマン。

気づけば、毎週通う常連になっていた。

通ううちに、顔見知りの客もできた。

自然とカウンター越しだけでなく、客同士で言葉を交わすようにもなった。

あの店を通じて、人の輪が少しずつ広がっている気がした。

最近は友達も誘うようになった。

あの場所は、ただ酒を飲む場所ではない。

自分の心を、そっと置いておける場所だ。

失ったあとに、芽吹いた居場所。

僕にとっての、もう一度の――産声。

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