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神の血引いた俺、ジジイになるまで戦うってよ  作者: あーちらいおん
第1部「渡川勝己(とがわかつみ)高校生編」その2
8/22

第1部第7話「融合」

「怒りに任せた拳は、誰のために振るうのか?」


今話は、勝己が初めて**“己の感情と戦う”**回。

バトルは激しく、相手は不気味な“融合体”。

でも本当の敵は、“理性を超えた怒り”だったかもしれない。


静華との距離がほんの少しだけ近づいて、

物語は次なるフェーズへ。


──勝己はまだ知らない。

この夜の出会いが、“長き宿命”の始まりになることを。

2013年 5月24日 

第1部第7話「融合」


5月24日

はい、渡川勝己(とがわかつみ)、少年の主張!

みなさん貯金してますか―

お金がたくさんあるといろいろできまーす。

たとえば、近くの市まで彼女とデートとか!

しかし、俺たち地方の高校生というのは

バイトで働く場所がなくて困るんだなぁこれ。

小麦の乾燥施設?夏休み潰してまでやる?それ?

コンビニのレジ打ち?あー、それ女尊男卑になりつつあるからね!

男はお断りってとこマジで多いから。

ま、なんだかんだで俺もバイトを始めました。

行きつけだったスーパー、ヒトマル東谷店でね。


ヒトマル東谷店、レジ──

太一「おい勝己、お前のレジ打ち、**“雑”って言われてんぞ」」

勝己「……っせえよ、こちとらピッて音でモノ言わす職人だわ」

太一「どこがだよ、読み取りミスで怒られてんの見たぞ」

……そう、この口うるせぇ野郎=長居太一と、俺は今同じバイト先にいる。

本当ならな――

**りこと一緒に、人生花色、墓まで一緒!バイトもラブラブコース!**の予定だったのによぉ……

──ここで回想入りまーす。

【回想】

りこ「ごめんね、勝己くん……

メイド喫茶でバイト、決まっちゃったの」

勝己「メイドぉ!?!?!?!?

“萌え萌えキュン♡”とかやんのぉ!?」

りこ「“メイド喫茶キュンキュン”ってお店なの。

ほら……オカマの立花さんいるでしょ?」

(……立花ァ!?)

立花藤吉たちばなとうきち。通称、“立花”。

俺の親父、渡川勝利の知り合いで、

常にオネエ口調で本質ついてくるヤバい人。

──ここで視点は、りこサイドへ──

立花「あらぁ〜、りこちゃあ〜ん!

アンタ、なかなかイイ線いってるじゃなぁ〜い?」

りこ「え?」

立花「ねえ、うちで働かないぃ?

あなたなら――

エースになぁ〜れるぅ〜わぁ〜✨」

(……なんか勢いがすごい)

──数分後──

メイド服を着せられた私、鹿子りこ。

りこ「わ、わぁ……っ、これけっこう大胆ですね……!」

立花「背がぁ、あまりぃなぁいけどぉ〜、出てるぅ子ぉ用の、スペシャルゥなんさねぇ〜〜〜〜〜〜♡」

(うぅ……すごいフィットする。やば……)

(でも……かわいい……かも)


──勝己の脳内、勝手に上映中。

りこ「可愛かったから、バイトすることにしちゃったっ!」

勝己「そんっっっっなぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!」

──\回想終了/──

\おつかれー/


勝己「あああああああああ!!!

俺、バイトなんて……

すんじゃなかったああああああ!!!!!!」

太一「おいおい。

遊ぶ金、増えるじゃん?」

勝己「ストレスも増えるんじゃん!?!?!?

むしろ赤字じゃねーか、メンタル的に!!」

太一「うっせぇ。ほら、そっち客行ったぞ。

ちゃんと接客、接☆客!!」

勝己「っ……ち、ちくしょう……」

──切り替えるぜ……プロとしてな……

勝己「いらっしゃいませぇええぇぇぇえええ!!!(ヤケクソ)」


──その頃、メイド喫茶キュンキュンでは。

りこ「ど、どう……でしょうか?」

メイドA「くっっっそかわいいいいぃぃぃぃ!!!!」

メイドB「うちら完全に……引き立て役じゃん……(崩れ落ち)」

──その光景を、メガネを構えながら見つめるひとりのオタク。

オタクA「なに……!?“萌え萌え力”が……上昇し続けているだと……!?」

(※持ってる測定器がビービー鳴ってる)

オタクA「これは……測定器の故障か!?!?」

──眼鏡越しにりこを見る。

りこ「ごしゅじんさまぁっ♡」

オタクA「わが生涯に……悔いなし……!!!!!!」

──バタリッ(静かに倒れる)

メイドA「ちょ、どうすんのコレ!?!?」

立花「あぁな〜たたぁ〜ちぃ、急病人にはぁ〜、しっかり〜対応しなさぁ〜い♡」

りこ「はぁ〜いっ」

──その“あどけない仕草”に、さらに撃ち抜かれるオタクたち。

オタクB「これが……オタの夢……オタの望み……オタの業!!」

オタクC「くそぉ……O市じゃなくて、まさか……

東谷あずまやに、こんな秘境があるとは……!!!」

──床に倒れていたオタクA、ゆっくりと立ち上がる。

オタクA「……まさに、地上最後の楽園……(カタカタ)」


──メイド喫茶キュンキュンの前──

高級外車が、ヴゥゥンと静かに停車する。

ドアが開き、ギラッギラのスーツに身を包んだ太った男が登場。

短足・肥満体型・金のネックレス──見た目のクセが強すぎる!

成金セイタ「フフッ……僕は成金セイタ。

“萌え”にも、運命を感じるタイプでね……♡」

りこ「な、なんですか……ご、ご主人様ぁ?」

──セイタ、いきなりりこに指輪を差し出す。

成金セイタ「決めたよ。君を買う。

この指輪、受け取ってくれるかな……?」

りこ「え、ええええ!?」

──そこへ、店内から全力で声が飛ぶ。

立花「よくないともぉぉぉおおお!!!!!!!!!」

(某・昼の番組ばりのテンションで)

セイタ「フン……お前、オカマか」

立花「オカマですけど何かァ!?!?!?

アンタねぇ、“お金で女を買う”とか、

ここ東谷じゃ最低の発想なのよォ!!!!!!」

──セイタの目が光る。

成金セイタ「なら……受け取ってくれるといいね。

**僕の“後ろめたさ”を――さ」

──発動:ファギア《ロンガーバンク》

“後ろめたい気持ち”を“貸し付け”、

相手に物理ダメージとして返済を迫るファギア。

りこ「うっ……ぐっ……な、なんで……身体が……痛い……っ」

セイタ「これは“君が僕を拒絶した罪”だよ。

でも……その痛みも、僕の愛と一緒にずっと残してあげるさ♡」

りこ「ご、ご主人様……」

セイタ「それは、つまり……一緒にいたいって意味かい!?」

──ぐいっと腕を伸ばすセイタ。

だが──

立花「ストーーップ!!

りこぉがぁ……困ってるさねぇ!!

これ以上、続けるってんなら――

アタシは黙っちゃいないよぉぉぉお!!!!!!」

セイタ「もう帰る。次までに考えておいてね!チャオ!」



──夜、渡川家。自室にて。

勝己「見たぁぁぁぁぁぁぁい!!!

見たいんだよおおおおおぉぉぉ!!!!!!

りこのメイド服、死ぬほど見てええええ!!!!!」

(畳を転げまわりながら叫ぶ俺)

仕方ねぇだろ!?

だって――“りこ×メイド服”=可愛い×可愛い=無限!

人類未到の可愛さだろアレは!!

……ハァ。見てぇ。

──ふと思い出す。

そういや、俺……静華と連絡先交換してたわ。

勝己「かけるか……」

──ピッ

勝己「し〜ずかちゃ〜ん♡」

静華「あら勝己さん♡」

勝己「寄せるな!寄せるな!

素で話そうやッ!!素でッ!!」

静華「……で、何よ?」

勝己「いやその……一緒に夜の散歩でもどうかな〜って♡」

静華「いいわ、付き合う。」

勝己「え、えっ、あっさり!?!?!?」

静華「……美沙都さんを呼ぶこと、いいわね?」

(なんで“付き合う”のに一番怖ぇの呼ぶんだよおおお!!)

勝己「……お、おう、わかったよ(震)」

──その後、ちゃんと美沙都さんにもメッセージを送っておいた。

断る選択肢など存在しないためである。

美沙都「……で。夜遊びに、私が付き合うと?」

静華「夜遊びじゃないわ。パトロールよ」

──静かな火花を散らす2人。

そこに!ノーアポで!陽キャ爆弾が飛び込む!

未久「おねえちゃ〜〜ん♡」

美沙都「……(やれやれ顔)」

勝己(心の声)

《そりゃそうだ。

未久ねえまで来る必要、1ミリもねぇもんな……!》

未久「こうしてお姉ちゃんと会えるの、うーれしーなー♡」

(あーもう、無邪気にも程があるぜ……)

そして俺は、クールメガネ先輩・氷室静華と、

陽キャたわわ爆弾・未久ねえ、

そして伝説の実力者・美沙都と夜の公園を歩いていた。

勝己(心の声)

《はたから見たら……これ、リア充ハーレムじゃね?》

《……でもなぁ、俺はぜんっぜん嬉しくねえ!!(嫉妬&疲労)》

──その時だった。

ベタァァァ……

勝己「うわあああああああ!?!?!?!?!?」

でっけぇクモの巣に捕まったああああああああ!!!!!

勝己「くそっ……空気に役割を――」

──密着状態、詠唱不可能。

勝己「ッ……完全に……封じられたッ……!」

だが。

スッ……

勝己「……鼻息は!? 鼻息で空気送れるか!?!?」

──スーーーーーッ、フッ!

勝己「……よし……よし!行けるっ!」

俺のファギア、**“詠唱は口じゃなくてもいい”**って誰が決めたよ!?

鼻でもやってやるぜ……!!!!!




──クモの巣からなんとか抜け出した俺。

その目線の先、信じられない光景が広がっていた。

勝己(心の声)

《な、なんだあの怪物……!?》

──口が……クモ!?

さっきのクモの巣、こいつのかよ!!!!!!

静華「っ……くっ!」

ナイフを構えて、クールな氷室先輩が果敢に立ち向かう。

──だが。

ヒュッ……

静華のナイフは、あっけなく宙を舞った。

???「とおっ!!!」

──現れたのは、意味不明なテンションの男。

???「正義の死神ッ!!!

大門勇吾、ただいま、参上ぉぉぉぉぉぉおおお!!!!!!」

勝己「……は?」

──そして。

静華「サイレントオーダー。」

大門「あっ、耳が聞こえない。

……なんでだぁ?」(爆速ツッコミ)

静華「……じゃあ、これは聞こえるかしら?」

──ドカン!!!

静華が設置していた特製爆弾が、怪物の足元で爆発!!

大門「ぐぅっ……やるじゃねえか……」

──だが、次の瞬間。

大門「フフ……これは、トカゲの力だ。

フランケンフュージョン。」

──ずるり……ずるり……

傷口の皮膚が**“脱皮”するように剥がれ、

その下からまるで新品のような肉体が再生していく!

勝己(心の声)

《なんだ……なんだよ、あれ……

あんなの、もう人間じゃねえ……!

バケモノだ……!!!!!!!!》

勝己(心の声)

《まさか、コイツ……

こいつが“進化生命体”ってやつなのか……!?》

──俺は、必死に空気に“意思”を込める。

勝己「インビンシブルインビジブル――

空気に“糸を切断する役割”を与えた!!」

──ギィッ、ギシッ、ギィィィッ……

俺を絡めとっていたクモの糸が、

音を立てて、少しずつ、確実に切れていく!

勝己(心の声)

《いける……もう少しで……!》

──自由を取り戻した俺は、すぐさま静華のもとへと駆けつける!

だが。

その目の前で、あの化け物が……静華の身体に触れているではないか!!!!!

大門「なんだよ、ヘタレの渡川ァ」

(鼻で笑いながら)

勝己「……あぁ?」

──その一言で、思考がぶっ飛んだ。

勝己「今なんて言ったコラァ!!!!!!」

《ヘタレ》

──俺が……一番、言われたくない言葉だ。

考えられなくなる。

でも──それが逆に、力になるんだ。

勝己「もういっぺん言ってみろや……この化け物がぁ!!!!!!!!!!」

静華「……男って、

たかが“布”に夢を見すぎじゃないかしらね」

──冷静。氷のような視線。

だがその唇には、不快の炎が確かに宿っていた。

大門「照れてんのかよ、氷室センパ〜イ?

ちょっとは悲鳴の一つでも上げたらどうだァ?」

静華「……じゃあ、そのうるさい口を、黙らせるわ。

サイレントオーダー。」

──ズン……

その瞬間、大門の口元が動いても、声が……出てこない!

勝己「ああああああもううるせえ!!!!!!

ぶっとべやああああああああああああ!!!!!!」



静華「やめなさい。──奴は、いったん帰らせる。」

(いつになく、鋭くも落ち着いた口調)

勝己「……は?あいつ、あんたの服破って、身体まで……!

嫌じゃねえのかよ……!?!?」

静華「……」

一瞬の沈黙。

静華「嫌よ。」

(静かに、でも確かに言った)

静華「でも、今倒してはダメ。

──あいつの“イヴィルファング”の本拠地を突き止めないと。」

勝己(心の声)

《……ダメだ、わかってる。わかってるけど……

頭に血がのぼって仕方ねえ……!

いま俺の中にあるのは、“悔しさ”だけだ──!!》

──その時、静華がそっと、俺の前に立った。

静華「やめなさい、勝己。……お願い。」

──真正面から、目を見て言われた。

勝己「……静華」

静華「発信器、取り付けておいた。

今のあいつには“聴覚”がない、気づきはしないわ。」

勝己「……そうか……」

──怒りの熱が、少しだけ落ち着いていくのを感じる。

静華「──あれが、大門勇吾。

怪物よ。」

──夜の公園を、ひんやりとした風が抜けていく。

大門勇吾。

こいつとの因縁を──

俺が、この先ずっと背負うことになるとは、

その時の俺には、まだ……知る由もなかった。


ここまで読んでくれてありがとう!


今回はギャグ控えめ(でもちょいちょい漏れる)で、

**静華と大門、そして勝己の「三者の関係性の核」**に迫るエピソードでした。


静華の冷静な判断。

勝己のどうにも抑えきれない怒り。

そして、全てをかき乱す“異質な男”・大門勇吾。


この3人の関係が、この先どんどん“複雑に”“深く”なっていきます。

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