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神の血引いた俺、ジジイになるまで戦うってよ  作者: あーちらいおん
第1部「渡川勝己(とがわかつみ)高校生編」その1
3/22

第1部 第3話「氷解」

前回の筆箱監獄バトルに引き続き、今回もヤバいファギアが登場します。

クール系美人先輩・静華さんの魅力も爆上がり!

さらには、ちょっとだけ「この町を守る」って覚悟に目覚め始めた勝己!


ちょっとずつ物語が加速してきたので、引き続きお楽しみください!

2013年 4月26日

第1部 第3話「氷解」

よぉ!

渡川とがわ 勝己かつみだぁ!

前回──まあ、一昨日の出来事なんだけどな。

改めて思い知ったぜ、ファギアのヤベぇところ……!

音を奪って詠唱キャンセルとか!

監獄を定義して筆箱に閉じ込めるとか!?

なんだよそれ、

中二病どころの騒ぎじゃねぇ!!!

この“力”を使うヤツらが、

もっと増える可能性があるなんて──

考えただけで、マジでヤバい。

イヴィルファング……

そいつを、なんとしてでも止めねぇと!

俺はもう、決めたからな。

この街の“笑顔”を、俺が守る。

バカでも、空気しか操れなくても──

“俺の役割”は、そこにあるんだ!!



──放課後。

授業も終わったので、

俺は静華の元へ向かおうとしていた。

「勝己くーん、帰ろうよー」

その声は──

俺を呼び止める、可愛らしい天使の声!!!

りこ……!

俺のメインヒロイン!!!(自称)

勝己「ごめんな、今日は一人で帰ってくれ!」

りこ「……もしかして、氷室センパイのこと?」

──えっ!?!?

りこちゃん……

知ってたのぉ!? しずかちゃんのことぉ!!??

勝己「え、えーっと、いつ!?

いつ静華のこと知ったんだ!?」

りこ「美沙都さんから連絡あったよ。

“氷室センパイに力を貸してあげなさい”って。」

なんてこった……!

いとこヒロインからの大事なメッセージ、ガン無視してたーーー!!

(メッセージ履歴)

美沙都『右京アリスの持っていたイヴィルファングは静華から回収した。引き続き捜索を頼む』

勝己「ああああああ!!!

完全に昨日のメッセ、読み忘れてたぁぁぁ!!!!」

勝己「美沙都さん!お願いだ、りこを迎えに来てくれ!」

美沙都『なぜだ?

──敵のファギア持ちに狙われているのか?』

勝己「……ちげえよ。

りこは家に帰ると、一人なんだよ。

両親が共働きで、家に誰もいねぇんだ。」

一瞬の沈黙。

美沙都『……フッ。

いいだろう。お前のガールフレンド、

傷つけさせはしないさ。』

勝己「ガ、ガールフレンドって誰がァァァ!!?」

──まあでも、

あのキル・ザ・ブリンガーを操る美沙都さんと一緒なら、

りこは間違いなく安全だ。

……と、思った瞬間──

俺の脳内が暴走を始めた。

(イメージ)

美沙都「りこ……可愛がってやるよ」

りこ「あぁん……お姉さまぁ……♡」

──キ、キスしてるぅぅぅ!!!!!!

ちょ、ちょっと待って!!!尊すぎてヤバいんだけどッ!!!

俺は思わず、口元をおさえて震えた。

勝己「(……これはこれで、アリだな)」

美沙都『引き続き、イヴィルファングの捜索を頼んだぞ。

……りこのことは、任せるんだ。』

勝己「了解っす!頼んだぜ、クールお姉様!」

りこ「勝己くん!

氷室センパイと……変なことしちゃダメだからね!!」

勝己「そ、それは俺のセリフだろおおぉぉ!!」

──ああ、

りこと美沙都さんが、

夕陽の向こうへと去っていく。

ちょっとだけ、不安。

でも──ちゃんと背中を任せられる安心もある。

さてと──

俺は足を向ける。

校舎裏。

産業コースの実習棟、

──そのさらに裏手にある、ほとんど人の来ない場所。

風の音だけが、聞こえる。

(さて、氷室先輩……今日の機嫌はどうだろうな?)

静華「……ようやく来たのね、勝己。」

夕陽が差す校舎裏で、

静華がすっとメガネを指で直す。

その仕草が、妙に様になってて──

勝己やべぇ……カッコいい……

勝己「あのー、先輩?

今日はどういった感じで、いらっしゃるおつもりで?」

静華「──見つけたのよ。

2年生で、イヴィルファングを持つ生徒を。」

静華が一歩、俺に近づく。

視線は鋭くて、でもどこか柔らかい。

静華「……それと。

煩わしいなら、“静華”でいいから。」

勝己「…………ッ!!」

キ、キターーーーーーーー!!!

──名前呼び、公認!!!

勝己(うぉぉぉぉぉぉぉぉぉおいおいおいおい!!!

今、めっちゃ進展してんじゃね!?!?

これ、任務とか関係なくね!?!?)

──俺の脳内、軽くお祭り騒ぎである。

勝己「で、静華──

その生徒って、どこにいるんだ?」

静華「産業コースの生徒。

名前は……建創けんそう 清二せいじ。」

そのときだった。

──ギィィ……

俺たちのすぐ横にある、実習棟の古びた鉄扉が、

**ギィ……**と音を立てて開いた。

建創「ようこそ、ファギア持ち共。」

そこに立っていたのは、

身長180近くはありそうな、がっちりした男子生徒。

建創「お前らも“持ち”だな?

じゃあ……俺の“兵隊”に、殺されると良い。」

建創「──トイ・ウォリアーズ!!」

バチッ、と空気が震えた。

すると──

地面から、カチャカチャと音を立てて現れる……

木でできた兵隊たち。

目の前に広がるのは、

おもちゃの兵士の小隊……!!

勝己「な、なんだぁ!?

木製!? いやこれ……めっちゃ動いてる!!」

静華「……指示系ね。

なら、“命令を黙らせれば”──無力化できる……! くっ!」

パンッ!!!

銃声が響いた。

静華の脚に、赤いしぶきが散る。

勝己「し、静華っ!!」

ストッキングが破け、膝から血が滲む。

それでも彼女は、眉一つ動かさず踏みとどまる。

──が。

建創「氷室ォ……

お前のこと、ずっと前から狙ってたんだよ。」

その目は、狂気に濡れていた。

勝己「……デケェ図体の割に、

やることが……陰湿なんだよ、お前はよ!!」

──俺はこういうヤツが、

一番、大っ嫌いだ!!!

勝己「インビンシブル・インビジブル!

空気に、“逆の意味に聞こえる役割”を与えるッ!!」

建創「──邪魔するなァ、1年!!

兵よ!敵を撃てェェ!!」

……だが──

その言葉は、変わって届く。

『守れ』『味方を撃つな』──が、

『攻めろ』『敵を撃て』に、

真逆の命令となって響いたッ!!

カチャ──バン!バンバンバンバンッッ!!!

建創「な、なにっ!?

……て、敵は──あっちだぁぁあああああ!!!」

兵隊たちは、

命令通りに建創自身を──ハチの巣にした。

──バタリ。

倒れた建創から、キバのような異物が転がり落ちる。

静華「……見事ね。」

メガネを、クイッと上げる。

ほんの一瞬。

その瞳が、やわらかく笑ったように見えた


静華「勝己……肩を、貸しなさい。」

勝己「は?

お、おい、冗談だろ!?

自分で歩けよ!!」

──言いながらも、

俺は自然と、静華を背負っていた。

静華「……こうやって、誰かの背中に身を預けるのは……

父さん以来ね。」

……静華の父親。

イヴィルファングに耐えきれず、命を落とした人──

勝己「……そういう言葉、

本当に好きな相手にだけ取っとけよ……バカ。」

静華「フフッ……。

さぁ、“美沙都さんのところ”までお願いするわね。」

──そのとき。

ふわり。

背中に……

やわらかい感触が……!!!!!

勝己「っ……メガネ先輩……サイコーかよ……!!!」

──

俺は今日、“一つの氷”を溶かした気がした。




あーちらいおんです!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!


氷のようにクールな静華先輩に、ちょっぴり距離が近づいた回でした。

戦闘も、相手のファギアの性質を“読み合う”頭脳バトルに近づいてきて、

勝己の成長も感じられてきたかなと思います!


感想や評価、お気軽に送っていただけると励みになります!


次回もどうぞよろしくお願いします!



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