第1部第2話「静華(しずか)」
ファギアという謎能力で女子のスカートの中を見ていたら、りこに記憶を読まれてフルスイングビンタされました。はい、ごもっともです!!
というわけで第2話です!
今回は──クール系先輩ポジション、氷室静華登場!
メガネ・黒スト・長身・たわわ……そして正論という名のジャスティスビームを放つ女子です。
掃除サボろうとしただけでファギアぶちかまされる主人公の運命やいかに!?
あと、物語に新たな謎と、ある「危険人物」が急接近──!?
では、ちょっとずつ世界が広がってく感じをお楽しみください。
2013年 4月24日
第1部 第2話「静華」
俺の名前は──渡川 勝己。
ファギア?っつー、ちょっと特殊な能力を持つ以外は、
まあまあ普通の男子高校生だ。
俺の使えるファギアの名前は──
インビンシブル・インビジブル。
その能力、ひと言で言えば……
空気に“役割”を与える!!!
ね?意味わかんねぇでしょ?
でもこれが意外とすごいんだ。
紙コップ倒したり、炎を消したり──やれること、どんどん増えてる。
ちなみにこの能力の漢字表記は……
夢敵!
どうだよこれ!語感良くね!?
俺が考えたんだぜ!?
いいセンスだって言ってくれ!!!
──で、今日はその能力を使って、
ある“テスト”をしてみろって言われたんで、ですね。
ハイ、やってみようと思います。やりますとも!
──回想:美沙都との会話
勝己「なぁ、美沙都さん。“イヴィルファング”って結局なんなんだ?」
美沙都「……まずは、“進化生命体”が何かを説明しよう。」
美沙都さん曰く──
進化生命体ってのは、
人間を超越した存在。あらゆる生物の“いいとこ取り”をした、いわゆるキメラ的な怪物。
しかも自己進化して、仲間を増やして、どんどん強くなるという……
完全にモンスター。
その最初の進化生命体が──“ビオ”。
で、そいつの進化に使われたのが、
俺たちの先祖──イギリス人の“ある血”らしい。
え?え?それってつまり……
俺と美沙都さん、なんか“ピカピカした魂”持ってる一族なんですか!?!?
美沙都「……イヴィルファングは、ファギアを無理やり引き出す力がある。
刺さった人間を、“進化”させているのだ。」
勝己「……うわ、それヤベえな。
そんなの増えたら……地獄じゃん」
美沙都「だから私は、イヴィルファングを探している。
お前も──高校内で“怪しい動き”を見張れ。」
俺は少しだるそうに、でもちゃんと返事する。
勝己「……どうやってやんの、それ?」
美沙都「例えば、“人気のない場所”に視力を置いて、
“カメラ”のように使うのだ。」
勝己「視力を置く……?カメラ……?
それ、だいぶ人間やめてない?」
──回想、終了。
で!
まず俺、そもそも「視力を与える」なんて発想、なかったからね?
ってことで、さっそくテストしてみまーす!
はいっ。場所は、1階と2階の間にある中央階段。
これはあくまで──
ファギアのテストです!!!(強調)
女子が歩いていく。歩いていく。
そして、俺の能力“夢敵”によって──
……見えた!
待ち望んだ、素晴らしき光景ッ!!!
スカートの下という、男のロマンがハイビジョンで流れてくる!!!
え?
お前それ、アウトだろ?って?
──いや、違うんだ。
これはあくまで、“テスト”だから!!
かくいう俺は、教室でふて寝モード。
でも、俺の視力カメラは今日も素晴らしい映像をお届けしている。
しかもバレない。完璧。最強。天才。
これが──ファギアの力ってやつよ。
りこ「……勝己くん?」
勝己「はっ、はいッ!? こ、これは実験なんです!!実験だから!!」
りこ「……顔、赤いよ?」
うっわ、ヤバい。
りこが明らかに、俺の様子を疑っている……!
そこへ──
ギャル女子1「つーか、まじぱねぇし〜」
ギャル女子2「次、科学じゃん? まじだるくね?」
──しまった!!
視界に、ギャル女子の、攻めたアングルが飛び込んできて──
理性がッ……!!
保てねえええええええッッ!!!!!!
勝己「な、なんでもハァハァないよ!!」
りこ「……記憶、見るね。」
ぎゅっ。
りこが、突然俺に抱きついてきた。
勝己「り、りこちゃん……?」
りこ「ふーん、そういうことね。」
やっべええええ!!!!!
思い出した、そうだ、
りこは記憶を読む能力を持ってるんだった!!!
──ビンタッ!!!
りこ「最低だよ、勝己くん……!」
勝己「ありがとうございます!!(反射)」
ちがう!!反射で感謝するな俺ぇぇぇ!!
慌てて、能力を発動する!
勝己「──インビンシブル・インビジブルッ!
視力に与えた役割を、解除!!!」
……俺の能力は、
同時に一つの役割しか与えられない。
便利そうで、意外と不便。
いや、今回は完全に──俺の使い方が最低だっただけだ……。
俺のダチ……いや、もう親友と呼んでもいい。
**長居 太一**が、声をかけてきた。
太一「勝己ー、今度の連休、O市行こうぜ?」
りこ「だーめっ!!
勝己くんはね、わたしが先に──予約してるもん!!」
太一「ちぇっ、いいなぁ。
りこちゃんみたいな彼女いてさ〜」
──その一言に、
りこ「っ……ち、ちがうよ!
つ、付き合ってなんか、ないよ……っ!」
りこの顔が、ふわっと赤く染まる。
……そう。
まだ、付き合ってない。
──下校時間。
今日の掃除当番は、図書室前の廊下。
俺は、めっちゃめんどくさそうにモップを引きずっていた。
勝己「……インビンシブル・インビジブル。
あそこのホコリを、こっちに引き寄せる役割を──」
?「ダメよ。」
勝己「なんだぁ? なにがダメだってんだ? このメガネ!」
???「**氷室 静華**よ。
ファギアを、むやみに使うんじゃないわ。」
……え?
ファギア……知ってる!?
てかこの女……
黒スト+長身+メガネ+なかなかグッドなものお持ちで……
たわわ…たわわ……わりとあるな……!!
でも、性格キツそうだし──
彼女候補には遠慮願いたいタイプ。
勝己「うるせー!関係ねぇ! 掃除終わらせんだよ……
──インビンシブル・インビジブルッ!」
静華「──サイレント・オーダー。」
……っ!?
──あれ?
声が……出ない。
耳も……
音が聞こえない……!?
静華「──さすがに“音”は聞こえさせてあげましょう。」
……声が聞こえた。
でも、俺の声はまだ……出ない。
静華「“サイレント・オーダー”。
それは、発する“声”と“聴覚”を奪うファギア。」
──なん……だと……!?
要するに、声が出せない=“能力宣言”できない=発動できない!!
なるほど……
これは完全に、カウンター呪文ってわけか!!
……くっそ……
仕方ねえ、今日は……無言で掃除すっか……。
その後、静華は俺の腕をぐいっと引っ張って、図書室へと連れ込んできた。
勝己「あ、やっと……声出る。戻ったか。」
どうやら、“サイレントオーダー”の解除をしてくれたらしい。
静華「あなた、何人のファギア持ちを知っているの?」
勝己「えっと……りこ。
あとは、いとこの深山美沙都さん。」
静華「……あなた、あの“伝説の人物”の身内だったのね。」
伝説!? え、なに? 俺のいとこってそんなヤバい人なの?
勝己「ちょっと待て、しずかちゃん!
美沙都さんが“伝説”ってどういうことだよ!?」
静華「──あの人は、10年前に“進化生命体・ビオ”を倒した人よ。」
勝己「へ……へぇ〜〜!?!?!?
そ、それは……初耳だわ〜〜〜??(動揺MAX)」
静華「……“イヴィルファング”。
あれで力を得ようとした、私の父は──死んだの。」
いきなり……重い。
いや、重すぎるだろ。
静華「その時、私にも“サイレントオーダー”の覚醒が起きた。
血縁者の発動に呼応したのかもしれないわ。」
勝己(なにこの子……結婚前夜無理じゃん、絶対無理……)
勝己「で、つまり静華はその“イヴィルファング”を探してるわけだ。」
静華「──理解できたようね。
あなたにも、“力を貸してほしい”の。」
静華「あと……言い忘れてたけど、私は“2年”。」
勝己(先輩!!!クールなメガネでしっかり年上!!!)
160cmくらいか?
なのに“ぎゅっ”と詰まったたわわ+クールな知性+この正論力!
メガネ属性がパーフェクトに仕上がっている……!!
でも──
まぁ、美沙都さんにも「イヴィルファングを探せ」と言われていたし、
別に悪い話じゃねぇな。
勝己「──乗ったぜ、この話に。」
???「イヴィルファング……ふーん。
──これのこと、かしらぁ?」
声がした。
そこにいたのは、右京アリス。
1年D組所属の、不思議ちゃんとして有名な女子だ。
その手には──
りこのじいちゃん・アキラさんを殺した男が持っていた、あの“キバ”とよく似たモノが握られていた。
右京アリス「──インスタント・プリズン。」
そう言って、彼女は筆箱を開けた。
……え?
なに……これ……
**身体が……小さく……なっていく!?!?
俺はみるみるうちに縮んでいき、
アリスの“筆箱”の中に──**
閉じ込められたッ!!!
右京アリス「渡川くんってぇ、わりとタイプの顔してるのよねぇ♪」
勝己「ふざけんな!! 出せよこのクソパス女ッ!!」
身体は小さくなって、力も出ない。
ペンケースの中で暴れても、カチャカチャと小さな音が響くだけ。
くそっ……!!
くそおおおおおおおッ!!!
考えろ……考えろ、勝己……!
このままじゃ──“なかったこと”にされる!!!
静華「──あなた、それを……どこから手に入れたの?」
アリス「大門くんから、もらったのぉ」
……大門。
たしか、D組の……ヒーローオタク。
アリスと接点があったなんて──最悪の組み合わせだ。
静華「──サイレント・オーダー。」
静華が低くつぶやいた瞬間、
アリスの声が──パタリと、途絶えた。
(ナイス、静華……!)
俺は筆箱の中から、
かすかな隙間を通って“空気”が外に出ていくのを感じ取った。
そこだ……!
勝己「インビンシブル・インビジブルッ──
この空気に、“俺の意思を静華に伝える”役割を与える!!」
息を吹きかける──
空気が震え、俺の“メッセージ”を乗せて、外へと走る。
──『聴覚は奪うな!』
静華「……了解。」
その一言で分かった。
俺の意思は、ちゃんと“届いた”。
そして──
俺は、次の“役割”を空気に与える。
勝己「インビンシブル・インビジブル……
“カチャリ”と、開く音がする役割を与える。」
──カチャリ。
“その音”が、確かに鳴り響いた。
アリスが、パッと顔を上げる。
ペンケースが──
彼女の手で、勢いよく開かれた!
瞬間、
俺の身体はみるみるうちに元のサイズへと戻っていく。
勝己「……女を殴る趣味は、ねぇよ。」
アリスは、涙目で立ち尽くしていた。
でも、もう……遅えんだよ。
勝己「……でもな。」
勝己「空気が殴るなら、文句ねぇな?」
ボソッと、俺は唱える。
勝己「インビンシブル・インビジブル──
空気に、“思いっきり殴る役割”を与える。」
──ゴッ!!!
アリスの身体が吹き飛び、
そのまま壁際に倒れ込む。
バタリ、と音がしただけで、
悲鳴はなかった。
──“サイレント・オーダー”が、
まだ効いていたのだろう。
静寂の中、アリスは──
気絶していた。
静華「……やるわね、あなた。」
勝己「伊達に──5歳からこの能力、使ってねぇからな。」
静華は、
冷たい視線のまま、俺をじっと見つめる。
……え、褒めた?
いや褒めてない?
わかんねぇ!!
勝己「ていうか──これから、“先輩”って呼んだ方がいいっすか?」
静華「……好きにしなさい。」
そう言って、
ふい、と視線を逸らした。
氷のような女──氷室 静華。
その氷を、いつか俺は──
溶かすことができるのだろうか。
そして俺は、
改めて心に誓う。
“イヴィルファングを、見つけ出す。”
戦いは、まだ始まったばかりだ。
あーちらいおんです!
最後まで読んでくださってありがとうございました!!
氷室先輩、怖いけど……メガネ属性の破壊力えぐくないですか!?
ストイックなキャラに限って、意外とヒロイン力ある説……。
それにしても、主人公がペンケースに閉じ込められるって、冷静に考えてもカオス。
そしてそれを“空気”で脱出しようとするって……すごいよね、夢敵って。
ではまた、第3話でお会いしましょう!
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