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神の血引いた俺、ジジイになるまで戦うってよ  作者: あーちらいおん
第1部「渡川勝己(とがわかつみ)高校生編」その2
17/22

第1部第16話「目標」

甘酸っぱさいっぱいの青春パート

ヒロイン、りこへと勝己が語る夢とは

2013年6月30日

第1部第16話「目標」

夜中のコンビニって、なんかワクワクするよな。

理由はない。けど、“自由”って感じがする。

……まぁ、今回はそういう話じゃねえ。

_______________________

深夜2時。

メイド服で──

りこが、俺に覆いかぶさるように、ベッドで寝ていた。

勝己(……これ、夢じゃねえよな……!?)

──だが、下手に動かしたら起きるかもしれない。

そっと、そ〜っと、りこの頭を撫でて、ベッドを抜け出す。

勝己「……よし」

──リビングに降りて、思わず吹き出しそうになった。

勝己「……こりゃあ、わやだな。」

──北海道弁で言う“めちゃくちゃ”。その言葉が、これほど似合う光景はない。

•ソファには親父。顔はボッコボコ。

•その隣には、下着姿で眠る未久ねえ。

•壁際には、腰をかけてそのまま眠る美沙都さん。

•テーブルの横では──

静華「……森からあずまや……ゴー……」(寝言)

──あぁ、シミュレーションお疲れ様です。!?!?!

________________________________________



勝己(なんだこの朝……夢の続きか……?)

──そのときだった。

下半身に──違和感。

勝己(……え、まさか。

お、俺、りこが覆いかぶさってる間に──

うわあああああああああ!?)

──震える手で、確認した。

勝己「……スポドリ、だと?」

──俺の横に、置いてあった。

冷たい、スポーツドリンク。

おそらく、りこが俺のために持ってきたものだろう。

勝己(……勘違いで死にたくなった)

──夜風に誘われて、外に出た。

心地よい風が、

今日のざわめきを少しずつ溶かしていく。

──そのとき。

りこ「勝己くん、夜のお散歩いこうよ〜」

──その笑顔が、

あまりにも自然で、あまりにも無防備で。

俺はただ、うなずいた。

勝己「あ、あぁ──」

──りこが、

“手をつないで”って言わんばかりに、

手を伸ばしてくる。




俺も、そっと手を伸ばした。

触れた瞬間──

ああ、やっぱこいつの手って、小さくて、すべすべだ。

勝己(おっと……ダメだ、紳士であれ、紳士であれ。)

でもさ──

こんな小さな手でさ。

大門に、立ち向かって。

変なオタクに絡まれても、笑ってて。

俺のこと、ずっと信じてくれてて──

──勝己(……ほんと、いとおしいよ。りこ。)

俺は、

りこの手を、ほんの少しだけ強く握り返した。

──スエコーマート。






夜の店内は、蛍光灯の白がやけに眩しい。

りこが、2リットルのペットボトルを2本、

でかい袋に詰め込んで──

それを、片手で持ち上げようとして──

バランスを崩しかけた。

勝己「……転ばせないぜ、お姫様。」

りこ「え……?」

──慌てて、照れくさそうに目を逸らすりこが、可愛すぎて困る。

外に出る。

夜風が、ふたりの間をすり抜けていく。

勝己「……夜中のバイトってさ、

やっぱ、仕事がちょっとテキトーなこともあるよな。」

りこ「うん……」

勝己「けどさ──

そんな中でも頑張ってる人がいる、この町でさ。

俺、ここで“公務員”になりたいって、思ってるんだ。」

──静かな夜に、俺の声が響いた。




言ってしまった。

俺が、最近ひそかに抱いてた“目標”を──

りこにだけ。

りこ「──なれるよ!

勝己くんなら、絶対になれるよ!」

その言葉に、俺の胸がじんわりと温かくなる。

勝己「……それは、俺が“じいちゃんの孫”だからか?」

──俺のじいちゃん、渡川大五郎。

この東谷町じゃ、めちゃくちゃ有名な公務員だった。

町長になれ!ってみんなに言われてたくらい。

けど、あの人はずっと町民のそばにいた。

どんなときも、目線を同じにして、暮らしを守っていた。

──だからこそ、

俺も、そんな人になりたいんだ。

りこ「勝己くん……

そんな素敵な夢を持つあなたが──

わたし、大好きだよ。」

その言葉は、

夜風よりも優しくて。

星よりも、まっすぐで。




俺は、

たまらず言葉を返した。

勝己「──りこ、好きだ。」

そして、俺たちは──

そっと、軽くキスを交わした。

派手じゃなくていい。

強くなくていい。

ただ、お互いの想いが、重なった──それだけで十分だった。






帰り道。

りこが抱えていた袋が、

ふらふらと傾くたびに、俺の心がざわついた。

──だから俺は、

袋ごと、りこをお姫様抱っこした。

りこ「えっ、ちょ……///」

勝己「落とさせるかよ、

“お姫様”なんだからさ。」

──

そして、俺たちは静かに、家へ帰った。





昼前。

美沙都「……進化生命体について、話しておく」

あの夜が明けたあとの静けさの中、

俺たちは新たな知識を手に入れる。

──けれど。

その時に聞いた話が、

のちに“ある切ない別れ”に繋がるなんて──

その時の俺は、まだ知らなかった。


第1部も次回から最終章へ突入!

投稿空いてしまい、申し訳ございません!

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