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神の血引いた俺、ジジイになるまで戦うってよ  作者: あーちらいおん
第1部「渡川勝己(とがわかつみ)高校生編」その2
16/22

第1部第15話「殷賑(いんしん)」

唐揚げと鼻血、そしてメイド服といかがわしい本──

最初から最後までテンションMAXな“カオス修羅場回”。

けれどその裏で進行する、大門の新たな襲撃と“進化生命体”の影──

甘さと戦い、光と影が同時に噴き出す1話。

2013年6月29日・夜。

第1部第15話『殷賑いんしん』──

……え、読めなかった?

「いんしん」だよ、「いんしん」。

たぶん今、コピペしてググったヤツ、

ぜってーいるよなぁ!?

──意味は、大変にぎわって、盛んなさま。

……うん、要するに。

今回、めっちゃ騒がしいです!!!!!!!!!!!!

というわけで──

渡川勝己とがわかつみの!

修羅場が見れるぞ!





──土曜の夜、午後7時。

俺の家。

……なんか、おかしいと思わないか?

だってさ──

結婚可能な女性4人と、ひとつ屋根の下──って、何事!?!?!?

勝己(……やっべえ……

あれ、ちゃんと片付けたっけ……!?)

──ティッシュ。

鼻かんだやつね!?最近鼻炎なんだよ!?

違うからね!?!?!?!

勝己「あ、あの本……どうしたっけ……」

──脳内に、フラッシュバックする“悪魔の囁き”。

________________________________________

堀井「なぁ勝己、メガネっ娘好きか?」

才崎「いとこもの!

これいとこ二人のやつ!めっちゃ良いから!」

太一「妹系幼なじみもの!

これ絶対お前ハマるからァァァァ!!」

________________________________________

勝己(やべえ……やべえ……

3冊のエ●本が……ベッドの下に……!!!!)

勝己(この流れ……誰か、絶対捜索しだすだろおおおおおおお!!!!!!!!!!)





──リビング。

土曜の夜。地獄の宴、開幕。

未久「伯父さ〜ん♪」

勝利「かんぱ〜い!!」

勝己「なに伯父と姪で乾杯してんだよ!!!!」

勝利「おい美沙都〜!一緒に呑もうぜぇ〜!」

美沙都「……休ませろ。」

未久「え〜!お姉ちゃんも呑もうよ〜〜♡」

勝己「(ダメだ、こいつら……いつも通りに出来上がってやがる!!)」

──そのとき、キッチンから

いい匂いがしてきた。

りこ「おつまみに、唐揚げ作りました〜♡」

勝己(嫁力きたぁあああああああああ!!!!!!)

勝己(いや、ちがう!そうじゃない!)

勝己(俺だけに作っててくれ!!!!)

勝己(頼む!こんなやつらにエサ与えないでええええええ!!!!)

勝利「からあげ、いただきま〜す♪」

勝己「待てやあああああああああ!!!

俺が!一番最初に食うんだああああああ!!!!」




──その瞬間。

りこ「ふふっ、勝己くんのは、別に用意してあるよ♡」

勝己「天使!!!!マジで天使!!!!!!!!!」

未久「おいし〜い♪

りこちゃん、ほんと、いいお嫁さんになるね〜♡」

りこ「えっ、そ、そんなぁ未久さんっ!!」

──りこの頬が、ほんのり赤くなる。

勝己(……あっ、今、俺……)

勝己(なんか今夜、マジで“何か”起こる気がしてきた……!!)

──もう、頭の中は

唐揚げの匂いと、りこの照れ顔と、謎の期待感でいっぱいだった。

勝利「ハッハッハ〜!

唐揚げもうまいが、酒がさらにうまいな〜♡」

静華「……くだらない。

お風呂、借りるわ。」

勝己(あっ、やばい……

しずかちゃんのお風呂ターンだああああああ!!!!!!)



──そのとき、親父が言った。

勝利「ミクえも〜ん!!

しずかちゃんのお風呂が覗きたいよぉ〜!!」

勝己「言わねえよ!!!!

あのメガネの少年は事故で見るタイプで、進んで言わねえの!!!!」

未久「自首するといいよぉ〜(ダミ声)」

勝利「うわぁぁぁああん!!

ミクえもんまでぇぇええ!!」

勝己「うるせえ!!

関係者方面に怒られたらどうするつもりだぁああああああ!!!!」




──この家、まともなやつがいねぇ。

りこ「そういうの、駄目だと思いますっ!!」

──だが、止まらない。

未久「ふふーふ……

穴あき・伸縮性・樹皮風船〜〜〜(ダミ声)」

勝己「穴あきってなんだぁぁああ!?!?!?

っていうか、アウトーーーーーーーー!!!!!!」

未久「これを使って仲良くするとぉ〜?

おうちがとってもにぎやかになるんだぁ〜♡(ダミ声)」

勝己「さっさと未来に帰れミクえもーん!!!!!!」

──バシィィッ!!!

美沙都さんの手刀が、未久ねえを制裁する。

美沙都「やめろ」

未久「痛いナリよ!!」

勝己「それ別作品だぁあああああああ!!!!!!

地方でよく再放送されてるヤツ〜〜〜〜!!!!!!」

りこ「もー!!うるさい!!!!」

勝己「マジでな!!!!

お隣の藤高さんから苦情くるぞほんと!!!!!!」

未久「ダメ人間製造機〜〜〜♪

よい子を僕なしでは生きられなくするんだ〜♡(ダミ声)」

美沙都「……まず、お前が“いい子”になるところからだな。」



──ボコスカ。

美沙都さん、未久ねえを蹴りまくる。

リアルな音がする。たぶん容赦してない。

勝己(誰か早く時空を修正してくれ!!!!!!!!!!)

未久「そうだ。

メイド服、買ってたんだよね〜♪」

勝己「お前、居候の分際で何買ってんの!?!?

しかもそれ──」

勝己「あの“帽子かぶったペンギン”のとこで売ってるやつじゃねえか!!!」


──その瞬間。

未久ねえが、メイド服をりこの方にバッと差し出す。

未久「りこちゃん、着れるよね?」

りこ「え、ええっ!?こ、これを……?」

──でも、りこは迷わない。

少し顔を赤くして、でもしっかりと微笑んで──

りこ「……はいっ!

勝己くんの、専属メイドになります♪」

──その破壊力。

唐揚げどころじゃねえぞこれ……!!!!!!

勝己(やっべ……

この家、今夜何人生き残れるんだよ……!?!?!?)

りこ「メイドとして〜!お掃除、入りま〜す♪」

勝己「やめろおおおおお!!!!!!

なんで酒入ってないのにテンション爆上がりなんだよ!!!!」

りこ「ん〜?勝己くん、なにかやましいことでもあるのかな〜?♡」

勝己「あっ、あかん!!

俺の部屋はアーティファクトまみれだから!!

親和するからあああああ!!!!!!!!」

静華「“親和”は、エルフの代名詞よ。」

勝己「誰がTCGの話しろって言った!?!?!?

スタックすんな!!!

ていうか誰だよ!お前を待機コストでキャストしたやつ!!!!!!」

静華「いいえ、“カスケード”よ。」

勝己「お前の発言で場がクラッシュしてんだよ!!!!

ってか今何ターン目!?!?!?!?」

──だが、止まらない。

りこ「さ〜〜〜て♡

勝己くんの部屋に突撃ぃ〜〜〜〜〜♡」

勝己「ぎゃああああああああああ!!!!!!!!!!」




──迷いがなかった。

りこ「ベッドの下、怪しいな〜♡」

勝己「やめろおおおおお!!!!!!!!!!!!!!

見えてる!!神の布が!

その清らかな白い心でいてくれええええええ!!!!」



──だが、遅かった。

りこ、小さな身体を活かして

ベッドの下を、容赦なくガサガサと漁る。

勝己「やめろ……その深淵に入ったら……もう戻れなくなるぞ!!」

──次の瞬間。

りこ「……メガネも上着も、ずれ落ちて?」

勝己「あっ、それ堀井の!!堀井に借りたヤツ!!

俺のじゃない、俺のじゃないから!!」

──だが、りこは止まらない。

りこ「“いとこラブ! 血のツナガリ”……?」

勝己「才崎のだから!!!あいつの趣味だから!!俺はノータッチだから!!」

りこ「“幼なじみが可愛すぎて理性が保てず とうとう一線超えてしまった件”」

勝己「太一の!!!!!

完全にアイツのだあああああああああ!!!!!!!!」




──世界の終わりは、

こうしてベッド下からやってきた。

──りこは、例の“3冊”を手にリビングへ戻ってきた。

りこ「美沙都一佐!

これが今回発掘された危険物であります!!」

勝己「やめろおおおおおお!!!

そのノリで持ってくなああああああ!!!!!!」

美沙都「……思ったより、少ないな。」

勝己「分析しないで!!

冷静に部数で評価しないで!!!!!!」

──だが、地獄はまだ終わっていなかった。

美沙都「この──“幼なじみが可愛すぎて 理性が保てず とうとう一線超えてしまった件”という本の表紙。

……りこに、似てないか?」

勝己(あんたにだけは!!!そのタイトル読んでほしくなかったああああああああ!!!!!!)

りこ「そうなんですよ!!

汚らわしい!!!!!!!!!!!!!!!!」

勝己(……はい、出ました。汚物判定。)

──そして、正妻の裁きが下る。

りこ「勝己くんは、わたしと、そういうこと──したいの?」

勝己(したい!!!

めっっちゃしたい!!!!!!!!!!!!

ていうか愛してる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

勝己「……いずれは、なりたい。」

──その一言で、りこの目がふっと柔らかくなる。

りこ「……でも。勝己くんなら──いいよ。」




──はい。

破壊力、核超えた。

りこ「ねぇ、コンビニ行こ?♡」

勝己「その格好でかよ!!

メイド姿で!?いや、絶対注目の的だろ!?!?!?」

りこ「行きましょう〜♪

ご主人様ぁ〜♡」

勝己「……わかった!!!わかったから!!!!!!」

──俺とりこは、夜の街へ出た。

初夏。空気はほんのりあたたかく、

りこは嬉しそうに俺の腕に絡んでくる。

勝己(……幸せだな。

このまま、なにも起こらなきゃいいのに──)

──その瞬間。

ざわり、と。

嫌な気配が、肌を撫でる。

勝己(……視線。誰かが──見てる!?)

りこ「勝己くん……? きゃあっ!!」

──ズシャッ!!!

路地を切り裂くように、黒い影が駆け抜けた。

大門──!!!

大門「可愛いじゃねぇか……♡

オレ専用のメイドに、してやるよおおおおお!!!!!!」

りこ「いや!!

離してええええええ!!!!!!」

──メイド服の裾を掴まれ、りこは身をよじる。

勝己「……っ!!!」

勝己「てめえ、大門──!!

りこに指一本触れさせねえ!!!!!」

大門「よぉ、ヘタレ。」

──その一言が、

俺の中の何かを強く揺さぶった。

勝己(……落ち着け。

こいつの狙いは煽って、俺の冷静さを削ることだ──)

大門「“イヴィルファング”は、もういらねえ。

代わりに──りこはもらうぜ?」

勝己「……!!

最後の一本──やっぱてめえが持ってるのか!!」

──次の瞬間。

大門の口から、粘着質なクモの糸が放たれた!

バシュッ!!

りこ「きゃっ!!いやぁぁぁ!!

離してええええ!!助けて勝己くん!!!!」

──りこの細い足が、必死に宙でバタつく。

だが、その必死の抵抗を──

ヤツは、にやにやと笑いながら見下ろしていた。

大門「今日は白かぁ。

本当に、かわいいな。

この“ヘタレ”を始末したら──

俺が、たっぷり可愛がってやるよ、メイドちゃん♡」





──その瞬間。

勝己「……ふざけんな。」

勝己「ふざけんなああああああああああああああ!!!!!!」

勝己「テメェなんか──ぶっ倒してやるッッ!!!!!!!!!!」

──拳を握った。

今、俺の中の“正義”が、怒りと共に燃え上がった。

大門「フランケンフュージョン──

カエル!!!」

──跳躍!

ドォン!!

ヤツはりこを抱えたまま、空へと跳ね上がる!!

勝己「てめえええええ!!!!」

勝己「りこをどこへ──!!」

大門「もう、逃がさねぇ……♡

ずっと、可愛がってやるぜ、メイドちゃん♡」

──その瞬間。

⚔️「キル・ザ・ブリンガー!」

──ズドン!!!!!!!!

空中から落ちる大門。

空気を斬り裂く鋭い刃。

その先端が──ヤツの背中を打ち砕いた!

大門「があああああああああ!!!!」

──そして、その手から解き放たれたりこを──

誰よりも速く、誰よりも正確に。

美沙都が──キャッチした。

美沙都「ふっ。危なかったな、りこ」

りこ「美沙都さん!!!!!!」

──正義の刃、今、再び降り立つ。

大門「チッ……!

深山美沙都!邪魔をするな!

お前はもう……“過去の人間”なんだよ!!」

──“過去の人間”?

美沙都「……進化生命体ビオに繋がる貴様は、始末する。

ここが──お前の終点だ。」

──進化生命体、ビオ。

確かに、大門は自分が“進化生命体に近い”と口にしていた。

大門「へっ。やっぱお前、変わってねぇな……

10年前……お前の親友をキメラにされた。

だからってよ──

“何の罪もないビオの息子”を殺し続けていいわけがねぇだろ!!!」

──衝撃が、走る。

大門「正義の執行者気取りが……気に入らねぇ!!

正義は俺だ!!!!!!!!!!」

美沙都「──喋るな。」

──その声は、氷のように冷たく、美しかった。

勝己「インビンシブルインビジブル!!

大門を抑える“空気”の役割、発動!!」

──バシュッ!

空気の流れがねじれ、大門の動きを止める!

勝己「今だ、美沙都さん!!

全部、ぶっ飛ばしてやってくれ!!」

美沙都「キル・ザ・ブリンガー。」

──ドン!!!

視界が、光に包まれる。

空間を裂くように現れた、あの“刃”。

キル・ザ・ブリンガーが──

恐ろしい速さで、大門に連撃を叩き込む!!

シュバッ!!ズバッ!!ドガァン!!!!!!!!

大門「ぐっ……!!

いずれ……ビオの息子が、この町に来るぞ……!!」

──その言葉を残し、大門は吹き飛ばされた。

勝己「やっぱ……すげえや、美沙都さん」

──あの瞬間、あの刃。

まるで**“絶対の正義”**を体現しているようだった。

りこ「もう……大門はいません!」

美沙都「……私の言うことを聞け。」

その声には、反論の余地がなかった。

美沙都「飲み物なら──

私が買いに行く。お前たちは、家で待っていろ。」

りこ「……うん」

勝己「よし、行こう。りこ。

家に──戻ろう。」

──夜の風は、まだ少し温かかった。

まるで、誰かが

「大丈夫」と囁いてくれているような──そんな、帰り道だった。



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