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神の血引いた俺、ジジイになるまで戦うってよ  作者: あーちらいおん
第1部「渡川勝己(とがわかつみ)高校生編」その1
1/22

第1部第1話「夢敵(むてき)」

どうも、あーちらいおんです

この作品は、神話の血を引く高校生が、

“ジジイになるまで戦い続ける”っていう物騒でロマンな物語です。


第1話は、日常、笑い、謎、そして喪失――

全ての始まりが詰まってます。


異能「ファギア(概念力)」、神話の血「フェルト」、進化生命体「ビオ」……

世界の秘密は、ここから開いていきます。


でもまずは、ドタバタの勝己と元気なりこ、

そして“謎の美女”美沙都との出会いをお楽しみください!

すまねぇ、まずはちょっと舞台設定から話させてくれ。

ここは北海道・東谷あずまや町。

十勝地方の入り口、峠のふもとにある小さな町だ。

んで、俺の名前は渡川勝己とがわ かつみ

タイトルでファンタジー想像してた読者諸君、悪いな。

異世界?──ねぇよ。んなもん。

俺は、東谷高校あずまやこうこうに通う高校1年。

入学式から1週間、そろそろクラスの空気にも慣れてきたところだ。

そして今、俺に勢いよく後ろから話しかけてくる女子がいる!



──覚えておいてくれ。

こいつがヒロインだ!!

「勝己くん! おはよっ!」

元気な声の主は、鹿子かのこりこ。

保育所の頃からの幼馴染で、顔を合わせない日はないってくらいの仲だ。

身長150センチ。ピンク色の髪に、

……そしてその背丈に似合わぬ、たわわな──素晴らしい胸!!

(※重要なので2回言うが、ヒロインである。)

勝己「なんかなぁ、今日は落ち着かねえな……」

りこ「勝己くん、あのさ。紙コップが“パタン”ってなるやつ、今度やってよ」

──紙コップが、パタン?

りこが言う、“紙コップがパタンってなるやつ”。

……読者諸君、なんだそれって思ったろ?

俺だってそう思う。謎だよ。

でもそんなことは後回しだ!

今は何より──

美少女幼なじみと! 屋根の下で! 二人きり!!

ぐふふ……(←やかましい)



放課後、りこが俺の家にやってくる。

よし、確認──誰もいねぇ。

母親の渡川朱鷺子とがわ ときこは弁護士。

忙しすぎてほぼ不在だ。

親父の勝利かつとしは、O市にあるO大学の数学教授。

毎日帰りが遅い。

つまり……!

紙コップパタンどころの騒ぎじゃねえよ!!

りこ「お邪魔しまーす! 紙コップパタン、見せてよー!」

勝己「お邪魔されまーす」

──俺は軽口で返す。

ま、全然お邪魔なんかじゃないよ!?

むしろウェルカムだよ!? スーパーウェルカム!!!!

(わかるか?この時点で俺の理性ゲージは残り7%)

そんな俺のテンションを知らずに(知っててかも)、

りこがポカポカと俺を叩いてくる。

りこ「あー、邪魔扱いするんだー? わたしのことー?」

……あー、幸せ。

なにこの癒し。尊すぎて無理。



さて──

ここらで、**りこご所望の“紙コップパタン”**とやらをお見せしますか。

勝己「──インビンシブル・インビジブル!」

勝己「俺の息がかかると、紙コップを倒す“役割”を与えた!」

へへーん、どうだこれが俺の能力よ!!

俺は空気に向かって、ふーっと息を吹きかける。

その風が、机の上の紙コップに当たって──

パタン。

……倒れた!

やったぜ、大成功!!

──この能力の名は、「インビンシブル・インビジブル」。

俺が5歳の頃から使える、特殊能力だ。

りこ「ね、ね? どうやってるの、それ?」

勝己「……企業秘密だ!」

りこがウルウルした目で俺を見てくる。

か、可愛い。

ずるいぞその顔、りこ。

……だが、実を言うと──

なんで使えるのかは、俺にもわからん!!

企業秘密どころか、

俺自身が“秘密にされてる”レベルで謎なんだよ!!

覚えてない。教わってない。

なのに気づいたら、口から勝手に出てたんだ。

「インビンシブル・インビジブル」──

気づいたら、テテテン♪って感じで覚えてた!!

なんかもう……そういう感じ!!(説明雑)


勝己「そうだ、駅まで行かねーと。」

勝己「TRPG好きの才崎に、渡さなきゃいけねー“ブツ”があるんだった!」

りこ「なら、わたしもついてくよ!」

……あーーーーーーー!!!

強制加入イベントやめて!!!

キャンセル!キャンセルさせてくれマジで!!

いや、まずいって……

これ、“いとこもの”のエ●本だからな!?

結構業が深いぞ!?

※ジャンル的にも、倫理的にも。

りこが隣にいるこの状況で、

よりにもよってそれをカバンに入れてる俺……

もう負け戦確定だよね!?!?

東谷駅の前に着いた。

……と。

目に入ったのは、白いコートに白い帽子を被った女の人。

え、なにあれ──本気の入ったコスプレイヤーか?

背は……170くらいか? 高ぇな。

キョロキョロと周囲を見渡してる。

そして──

こっちを見た。

うわっ……!!

やめて!!関わりたくねぇ!!

今、完全に脳内で──

\エンカウントォ!!/(バトル開始SE)

鳴ったわ!絶対に今、確実に!

女性「なぁ、“渡川とがわ”という家を知らないか?」

──

来た。ガチなやつ。

勝己「と、渡川なら……俺ん家っすけど?」

女性は、キリッとした凛々しい表情で俺を見つめる。

うひゃあ……

カッコいい……ッ!!

日焼けした肌もセクシーで、まるで戦場から来た女って感じ!!

女性「私は──深山みやま 美沙都みさと。」

美沙都「おまえが……渡川勝己だな?」

……え?

なんで俺の名前知ってんのぉぉぉ!?!?

初対面で名乗ってきて、

その流れで「お前が○○だな」って──

完全に敵ムーブじゃねぇか!!この人、ボス戦前のイベントキャラじゃん!!

勝己「は、はい、そうっすけど……何かぁ〜?」

↑あくまでフレンドリーに!

↑フレンドリーに行け俺ッ!!

↑ここでヘタに構えたら本当にバトル入るぞ!!

こういうときに必要なのは──世渡りスキル!!!

……いやでもこの人──

背は高いけど、スレンダーでしなやかで……

それでいて完成された芸術品のようにクールだ。

ヤバい、なんかもう既に好き。

美沙都「私とお前には、共通の祖父──大五郎がいる。」

……おいおいおいおい!!

俺が小2のときに死んだじいさんの名前、ここで出す!?

なんだコレ、新手の──

親せき商法ってやつぅぅぅ!?!?

美沙都「つまりは、いとこだ。」

──いとこ!?

あの“いとこものエ●本”に描かれていた、素晴らしき関係ッ!!

……って、ちょっと待て。

“深山”って姓でピンと来た。

俺の記憶にある、あの人の名前。

勝己「ん?……未久ねえの言ってた“美沙都さん”って、あんたのことか。」

美沙都「そうか、お前……未久を知っているのか。」

──未久ねえ。

俺のいとこで、5歳年上。

俺が小4から小6の3年間、一緒に暮らしていた人だ。

あの頃は──

たわわ発展途上国、からの……たわわ先進国へ!!

俺はその成長をこの目で見届けた!!(誇らしげ)

つまり──

深山美沙都=未久ねえの姉。

この人、親族。リアル親族ッ!!!


りこ「きゃあっ!! 痴漢やめてぇ!!」

……なんだと!?

ふざけんじゃねぇ……

許さねぇぞクソ野郎!!!!

りこが、男に背後から身体を密着されていた!

不審者「はぁ……はぁ……小っちゃくて……可愛い……」

てめぇ……

“気持ち悪い”のフルコンボじゃねぇか!!

俺はヤツの呼吸にあたるように、空気にふーっと吹きかける。

風に乗せた俺の“意思”が、空間を這って男の鼻先へ向かう──

勝己「──インビンシブル・インビジブル!!」

勝己「ヤツの鼻息に触れた空気に、“ヤツだけ吹っ飛ばす役割”を与えた!!」

次の瞬間──

ズガァアアァ!!

空気が弾け、男の身体が後ろに吹っ飛ぶ!!!

──俺には、空気の流れが“見える”。

そしてその流れに、“意味”を与えることができるんだ。

美沙都「なにっ……!? ファギア!?」

……え?

美沙都さん?

ちょっと待って、

“ファギア”ってなんザマス?!?

いきなり専門用語投げてくんなやッ!!

りこは吹っ飛ばされず、不審者だけが見事に吹っ飛んでいった。

不審者「ぐへぇ……な、なんだぁ今の……」

──ガクシ。

男はアスファルトに沈んだ。

美沙都「勝己。お前、その力……いつから使える?」

美沙都さんが、落ち着いた声で俺に話しかけてくる。

勝己「んー、そうだな……5歳くらいから、かな?」

美沙都「その力……“ファギア”は、私たち一族の力だ。」

──なんだよおおおおおおお!!!

なにそれ!? 聞いてねぇ!!

俺だけがチート持ちの特別ポジかと思ってたのに……

一族パターン!? なんだよそれ、バトル物テンプレじゃねぇか!!

りこ「立ち話もなんですし、喫茶店行きませんか? いとこのお姉さん♪」

……あっ!!

幼なじみヒロインと、いとこヒロイン候補が──喫茶店!?

これ……

イベントスチル発生確定でしょ!!!!


俺とりこは、りこの祖父が経営している喫茶店へ向かった。

入店すると、カウンターの奥からマスターが出迎えてくれる。

アキラ「いらっしゃい。……お、りこと勝己くんじゃないか。

そちらの方は?」

美沙都「渡川勝己のいとこ、深山美沙都。アイスコーヒー、ひとつ。」

勝己「俺とりこはホットでお願いします、アキラさん。」

アキラさんは変わらぬ笑顔で、柔らかくうなずいた。

アキラ「美沙都さん、ね。覚えておくよ。

今、淹れるから──ちょっと待っててね。」

そう言って、彼はゆっくりとハンドドリップの準備を始める。

コーヒー豆を挽く音。

お湯の注がれる音。

そして──

店内に、ふんわりと漂うコーヒーの香りが広がっていく。

緊張の糸が、少しだけほぐれる。

美沙都「さて……“ファギア”の話だ。」

美沙都「私やお前の力は、“ビオ”と呼ばれる進化生命体──

そしてその進化を導いた血の提供者、フェルト・リバーメイカーとの繋がりによって現れたものだ。」

……ちょっと待てぇい!!!

進化生命体!? 血の提供者!? なんだそのトンチキ設定は!?!

勝己「いきなり情報量が多すぎるんだよ!!

ていうか“ファギア”って結局なんなんだよ!!!」

美沙都「お前が “インビンシブル・インビジブル” と呼んでいる力のことだ。

……フェルトは、我々の先祖だと覚えておけ。」

は、はぁ……

わけわかんねぇけど、マジかよ……。

勝己「あのぉ……俺、東谷高校に通う、あんま頭の出来よくない生徒なんで……」

美沙都「そうか。」

──

なんだよ、そのすました顔ッ!!

なんかこの人と話してると、

情報で殴られて気が参っちまうんだけど!!



ドゴォン!!

突然、ドアが蹴り開けられた!!

チンピラ「鹿子ぉ!! いい加減、権利売る気にならんのかボケェ!!」

いきなり現れたチンピラが、

カウンター奥のアキラさんを怒鳴りつけている!

アキラ「……いやだね。この土地の所有権は、私にある。」

静かに、しかし確かな拒絶。

だが──

チンピラはポケットから何かを取り出し、自分の首元にブスリと刺した。

な、なんだ!? あれ……キバ!?

チンピラの身体がビクンッと震え出す──

チンピラ「俺だってぇ……この“ビオの遺産”──イヴィルファングがあれば、力を得られるんだよぉ!!」

次の瞬間、

アキラさんの身体が、業火に包まれた──!!

アキラ「ぐっ……! に、逃げろ……!!!」

美沙都「勝己。空気に──“鎮火”の役割を与えろ。

こいつは、私が対処する。」

勝己「できるか分かんねぇよッ!!」

美沙都「──早くしろ。死んでしまうぞ!!」

……ッ!!

勝己「……インビンシブル・インビジブルッ!!

空気に、“炎を鎮火させる役割”を与える!!」

風が走る。

炎が、スゥッ……と音もなく消えていく。

──火は鎮まった。

けれど。

アキラさんは──

ぐったりと、椅子にもたれかかるようにうなだれていた。

もともと、心臓が強くなかったのだ。

美沙都「──キル・ザ・ブリンガー」

次の瞬間、

ロボットのような“ビジョン”が空間に現れた。

圧倒的な攻撃の雨。

その両腕が光の軌跡を描き、

チンピラの身体を──連続で八つ裂きにしていく。

美沙都「……言え。

そのキバを、どこで手に入れた?」

チンピラは、歪んだ笑みを浮かべながら、

自らの身体を“内側から”燃やし──息絶えた。

──

場が、静まり返る。

りこ「……見えない……」

勝己「……え?」

りこ「おじいちゃんの“心”が……見えないよ……」

りこが、アキラさんの身体を必死に揺さぶっていた。

勝己「──心肺蘇生の“役割”を……!」

美沙都「……無駄だ。」

美沙都「終わった命は、どんなファギアでも戻すことはできない。」

──りこの祖父、アキラさんは

……命を落とした。

沈黙の中で、美沙都がりこに目を向ける。

美沙都「“りこ”といったか。

……お前にも、力があるんだな。」

りこ「は、はい……っ」

りこは、涙をこぼしながらも答える。

りこ「……人の“心”が読めるんです……」

美沙都「……なるほどな。」

その場に残る、苦い静けさ。

勝己「──美沙都さん。」

勝己「……俺、りこのじいちゃんを守れなかった分……」

言葉は、自然と決まっていた。

勝己「俺、この“ファギア”で──“笑顔”を守ります。」

美沙都「……フッ」

美沙都「お前なら、できるだろうさ。」

彼女はそれだけを残して、

静かにホテルのある方向へ歩き出していった。

──

俺の運命は、この日から──動き出した。



ここまで読んでくれて、ありがとうございました!

あーちらいおんです!


第1話は、

・勝己の“能力の目覚め”

・りこの“涙と心の力”

・美沙都の“過去と血の秘密”

そして──

“守れなかった命”が描かれました。


勝己が異能“ファギア”をどう使っていくのか。

りこが「心を見る力」で、何を背負うのか。

そして、美沙都の言う「一族の宿命」とは──


ここから、ただの高校生たちの毎日が、

じわじわと「神話」に飲まれていきます。


でも、勝己は言いました。


「俺、このファギアで笑顔を守りますよ」


その一言がある限り、

この物語はきっと、あたたかく、激しく、笑って泣ける旅になると信じてます。


次回からもぜひ、

“ジジイになるまで戦う”この男を見届けてやってください。


ではまた、第2話で

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