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45話:観測者

「それにな、お前と同じ転生者としてラピスが邪神を倒せるようサポートするように神様女神様に頼まれてる」


 神様女神様から…………あっ、そうだ!


「そういえば、錬成神様からカイトさんに『よろしく』と言ってました」

「あのエセ関西弁を喋る神様か。まぁ面白いから良いけどよ」


 神様に向かって何という事を…………。バチが当たらなければ良いが。


「それで邪神の事は何処まで知ってる?」

「まだ神話と呼ばれていた時代、邪神が裏切り世界を滅ぼそうとして神様女神様達に封印されたというところまでは。ですが、それは絵物語の創作では?」


 赤子ですら知ってると云われている有名な絵本。悪役の邪神と神様女神様達が戦う様子が描かれている。


「それは史実だ。お前も神様女神に会ったのだろ?それが証拠の1つだ」

「うっ…………」


 確かに……………神様女神様にお会いにならなければ、到底信じられなかった事実だ。


「それと、俺とお前の存在も証拠だ。邪神を倒すべく、地球から神様女神様が転生してくれたんだ。お前の職業は固有ユニークだしな」

「それを言うなら勇者や賢者もそうだと思うのですが」

「あの2人はダメだ」

「???」


 カイトは勇者と賢者と昔何かあったのか?本来邪神を倒すはずと思われる職業のはずなのに拒否を顕にした。


「勇者と賢者の話はもう良いじゃないか。それより邪神は本当に封印されてるって話だ」

「場所は分かっているのですか?」

「分かっているが、今直ぐには無理だ」


 アークグラウンドには、冒険者ハンターがお宝発見や魔物モンスター討伐を求めて挑むダンジョンが8つある

 そのダンジョンの奥底にはコアと呼ばれるダンジョンの心臓と呼ぶべき水晶玉みたいな物体が鎮座している。

 そこに封印されている。8つに別けた邪神の魂が、それぞれのダンジョンのコアに。


「まだ誰もどのダンジョンを踏破した者はいない」

「コアを破壊すれば良いの?」

「いや、コアに封印されてる邪神の魂のみ破壊しなきゃならない」


 ダンジョンの心臓であるコアを破壊すればダンジョンは死ぬ。死んだダンジョンからは魔物モンスターやお宝が出現しなくなり、周囲の生態系にも多大な影響を与える事になる。


「魂だけを?」


 霊体で構成されてる魔物モンスターを倒す常套手段が聖水を掛けるか光属性に類する浄化魔法で攻撃するのどちからだ。


「コアがある最下層に到達した者が皆無で予測になるが、コアがある部屋には番人となる魔物モンスターがいるらしい。それを倒すと邪神の魂も殺られるという寸法らしい」

「誰も見た事ないのに何で分かるの?」


 それが疑問に浮かんだ。1つでもダンジョンが攻略されていれば、他のダンジョンもこうではないかと予測は立てられるが、何処も攻略されていなければ予測も立てられるはずがない。


「俺の職業…………黄昏の別名って分かるか?」

「へっ?そんなの分かるはずないじゃない」


 それがどう、ダンジョンのコアに封印されてる邪神の魂を倒す事に繋がるのか理解出来ない。


「観測者…………それが黄昏のもう1つの名前だ」

「観測者」

「名前の通り、世界を観測して記録をつける職業だ」


 異世界図書館ルクス・マキナに唯一アクセスが出来る職業。そこには世界の全てが描かれてる本が納められているという。

 正に神話に出てくるような幻想的な場所だとも云われてる。名前だけなら私(俺)も知ってる。ただし、本当にあると言っても笑われる類の話だ。


「その観測者の力にて多少曖昧だが確実な情報だ。まぁ観測者の力に目覚めたのは最近だが」

「ねぇ私も異世界図書館ルクス・マキナに行けるの?」

「その答えはイエスとも言えるしノーとも言える」

「どういう事よ?」


 もし行けるなら行ってみたい。魔法の頂点を取るには、やはり膨大な知識が必要だ。

 それに地球での知識は多少なりに持ってるが、細かくは知らない。その知識を知り用いればアークグラウンドの常識が覆るかもしれない。


「言ったろ?観測者として目覚めたのは最近だって。俺だって全容は掴めてないんだ。ほんの一握り触ったにすぎん。あれを一気に見るには頭がパンクするし、まして他人を連れて行くには、まだ許容範囲を超えている。下手すれば俺が廃人と化すから当分の間はお預けだな」


 それなら仕方ない。強過ぎる力はリスクも半端ないものだ。

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