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40話:神の目

 この人、強い。というより、戦い方が上手い。前世でもカイトのような戦い方をする輩は知ってる中で三人くらいか。


「あなたも転生者なのですね」


 カイトが周囲に分からないよう日本語で話す。ラピスもそれに倣い日本語で受け答えする。


「あぁ、君から【鑑定】をされて、直ぐに同じ転生者だと分かったよ。それよりも…………クスクス、元々男性だったのに女性へ転生するとは難儀だ」

「うるせぇわ。好きでなったじゃないやい」


【鑑定】だと前世の性別までは分からないはず?つい、言い返してしまったが、何故分かった?


「悪い悪い。黄昏の【鑑定】は特別でね。【神の目】というべきもので、ステータスに載らないような事でも暴いてしまう。【隠蔽】しても無駄なのさ。もうそろそろ続きをやろうか。話は、この後でね」


 速い!でも、避けられる速度だ。だが、敢えて受け流し隙が生じた穴を縫うように突く。


「甘いよ」

「なっ!」


 木剣の側面で私(俺)の突きを防ぎやがっだ。あそこからでは間に合わなかったはず。

 いや、読まれていたか。読んで冴えいれば、ギリ間に合う防御だった。もっと速度が必要だ。仕方ない、使うか。


「なら、少し本気を出します」


【瞬脚】、これで生産職であるカイトは着いて来れないはずだ。普通なら瞬殺で終わる。だが、これでも終わらないと、ラピスの直感が告げている。


 なにせ、相手は自分と同じ転生者なのだから。


(ここ!)


 バキッ


【瞬脚】を発動しカイトの死角から切り付けるも、またもや防がれた。やはり、見えている。

【神の目】と言ったか?それで私(俺)のスピードを捉えているのか?だが、それでも生産職の身体能力では木剣で防げれる程の反射は出来ないはずだ。

 それを考えると、まだ何か秘密があるはずだ。


「5歳の身体の割にはやりますね」

「産まれてから生前の記憶があるの。だから、則自分のステータスを調べて訓練をしてきたのよ」

「それは羨ましい。私めは、ほんの2年前に教会で祈りをした時に記憶が戻ったのです」


 生前の記憶が戻るのは個人差があるのか?


「その時に神々に言われたのですよ。もしもラピスという少女に出会った時には支援サポートをして欲しいと」


 頭の片隅に入れてたが、本当にラピスに会うとは思いもしなかった。


「で、あなたに声を掛けられた時、これは転機だと思いました。あなたの強さが知れると」


 常人にはラピスとカイトの剣筋は早過ぎて見えない。まるで十数本に木剣が見える。この間にヒソヒソと話しても誰も気づかない。


「いやいや、あなたも相当お強いです。ここまで決め技が防げられると自信が無くなります」

「防御には少々自信があるのでね」


 なら、もっと速くするまで。カイトが反射出来ない速度で当てれば良い。


「これならどうですか?【縮地】」


 カイトの前からラピスが消えた。いや、速すぎて消えたように見えただけ。常人なら瞬間移動に感じるかもしれない速度スピードで動いてるラピスを捉えるのは至難の業。


「確かに、これは城の騎士相手では務まらないのは納得。ですが、俺も負けず嫌いなんですよ」


 相当な猛者じゃないと今のラピスの速度スピードを捉えるのは難しい。だが、カイトには目がある。カイトの前では速度スピードは無意味。


 カキン

「なっ!」 


 まるで、来る場所が分かっているかの様にラピスを見ずに防いだ。


「ねっ?防御は得意なんです。そして、君の負けです」


 ラピスとカイトの木剣が交差した瞬間、ラピスの木剣が根本から砕けた。砕けた木剣に意識を持っていかれたラピスの襟元を掴み、背負投げの要領で地面に叩きつけた。


「はい、私めの勝ちですね」

「ゲホっ、私の負け?」


 あそこで木剣が砕けなければ、まだやれていた。いや、木剣があんな壊れ方をするのか?

 私(俺)の木剣が壊れる前にカイトが分かっていたみたいに勝利の宣言をしたのも気になる。


 だが、負けた事実は変わらない。そして、カイトは私(俺)が予想してなかった提案をする。


「もう1戦しないか?今度は、君の固有武装を使って」

「えっ?」


意味が分からなかった。それでは、まるで私(俺)の固有武装が戦闘向きと言ってるようなもので、もう既に使えるのではないかと確信してるような目つきを、こちらに向けている。

本来、固有武装所持者は職業選定の儀から10歳になるまで固有武装を使い熟すために訓練する事になる。

そう初めから固有武装を使い熟す者なんて皆無に等しい。





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