3話:ラピスラズリ
【開示】したステータスは次の通りだ。
・名前:ラピス・グレィープニル
・性別:女
・種族:人間
・職業:魔法少女
・レベル:1
・年齢:0歳
・HP:S(C:赤ん坊補正)
・MP:SSS(B:赤ん坊補正)
・攻撃:SS(D:赤ん坊補正)
・防御:S(E:赤ん坊補正)
・魔攻:SSS(E:赤ん坊補正)
・魔防:SS(E:赤ん坊補正)
・俊敏:SS(E:赤ん坊補正)
・運:S
・固有武装:魔法少女の神珠
・技能:鑑定、開示、隠蔽、幻影、魔法制御、剣能
・魔法:無、炎、水、雷、土、風、闇、光、神聖
・称号:グレィープニル家長女、転生者
・加護:剣神、魔法神
はっ?!私は、ステータスを開いた途端、頭の中に?マークと!マークがこれでもかって位に点在した。
第一に意味不明なのが、職業だ。魔法少女って何だ?魔法使いとは違うのか?それが解らない。固有武装も名前の通りならば魔法少女と関係するものだろう。
第二に、何だ?このステータスの高さは!全部がS以上って、これは人間辞めてると言われても仕方ない異常な高さだ。まぁ今現在は赤ん坊なので下がってるらしいが、これは公に公開出来ない。
でも、技能に【隠蔽】と【幻影】がある。これらを応用すれば、いくらでも誤魔化せる。さっさとウソのステータスに変えてしまおう。
ステータスを高くてもCまでに書き換える。こうすれば、端から普通のステータスに見える事だろう。それに加護持ちは希少で、これも見られたら騒がれるに違いない。なので加護も【隠蔽】で見えなくすれば問題ない。
魔法属性も基本の三つに絞り隠せば大丈夫だと思う。それに称号の転生者っていうやつも隠した方が良いだろう。
後は、固有武装の確認と魔法を出来る範囲で練習を繰り返すだけだ。
剣聖だった頃、魔法は全く使えなかったから楽しみでしょうがない。本当に、あのナイフが本物であったと内心で安堵と嬉しさ半々だ。
早速、固有武装である〝魔法少女の神珠〟を取り出そうと思う。剣聖の時は固有武装を持ってなかったから魔法並みに嬉しくて堪らない。
確か出てくるように念じれば、目の前に出現したはずだ。私は強く頭の中で出て来るように念じる。言葉で言った方が簡単らしいが、こればかりは赤ん坊である私自身が妬ましい。
『魔法少女の神珠よ、我の前へ出現せよ』
確かこれで良かったはずだ。念じる事の方が失敗する確率が高いらしい。言葉にした方がイメージが掴み安く成功率が上がる訳だ。私は、現れるのを数秒間待ってると私が見詰める一点が輝き瞳を閉じた。
再度開くと、そこにはビー玉サイズの青いガラス玉みたいなのが私の目の前にフヨフヨと浮いていた。掴もうとしたが、今の私の腕では物理的に長さが足りず掴む事が出来ない。
『マスター、呼び出してくれましてありがとうございます』
えっ!今、頭の中に声が聞こえた。えっ?あなたが話してるの?頭に直接声が響いて来て何だか不思議な気分がする。
『マスター、念話です。マスターならテレパシーと言った方が伝わり安いですか?』
『うんと……………こうかな?聞こえる?』
何となく真似てやってみた。自転車を漕ぐみたいに最初出来てしまえば、後は簡単だ。赤ん坊の私には、念話で話を出来るとは有難い。
『流石マスターです。いきなり出来るとは、流石ワタシのマスターです』
『そんなに褒められると照れますなぁ』
見た目は赤ん坊でも、中身はオッサンだ。剣聖の時は、ソロで活躍してたのでボッチだった。
だから、こんな風に相手は人でないけど、話すのは久方ぶりで褒めて貰うのも何年振りだろうか?昔の事過ぎて覚えてない。
『マスター、ワタシに名前をお付けください。それでマスターの認証を完了とし、一生マスターの下僕になりましょう』
『名前?名前かぁ、いきなり言われてもなぁ』
ボッチで結婚はもちろんの事、子供がいなかった俺………………私にいきなり名付けろと言われても困る。何と名付けるか数分間頭を悩ませ、ピコーンと名案が浮かんだ。
『私の名前がラピスなので、あなたの名前はラズリにします。二人揃ってラピスラズリです。キレイな青い宝石の名前で、まさにピッタリだと思います』
『ワタシの名前…………ラズリ……………ラズリ……………気に入りました。ありがとうございます、マスター』
ラズリは歓喜してる状況を表現するかのように激しく上下にブンブンと虫の蜂みたく動き回ってる。気に入ってくれたようで良かったと安堵する。
新たな話相手を手に入れた?私は、こらから毎日のようにパパとママが寝静まった夜間にラズリを呼び出しては女子トーク?を楽しむのであった。