表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/44

2話:女の子に生まれ変わり

 朝になったのか?窓辺から射し込む太陽の光に俺はまだ重たい瞼を開けた。あれからどうなったのか?

 記憶に意識を集中すると転生する前の事がはっきりと思い出せる。俺は確かに胸へナイフを突き刺した。そこから記憶がプツリとない。あれで生きてるとは思えないし、つまりは転生に成功したという事か?

 自分の掌を見ると異様に小さい。グーパーと握ったり開いたり、ちゃんと自分の思う様に動かせる。自分の掌なのは間違いない。

 つまり……………あれか?俺は赤ん坊へと転生してしまったという事か?!まだ5歳位の子供なら分かるが、産まれたての赤ん坊って何も身動き出来やしないではないか!


「あらあら、あなた起きたようですよ」

「ラピス、パパでちゅよ。良い子でちゅね」

「うぎゃぁうぎゃぁ」


 この二人は誰だ?!男の方はパパと言ったか?!そしたら女の方はママという事になるのか?つまり、俺はこの二人の子供として転生したのか!

 くっ!まだ上手く言葉が喋れない。当たり前の事なのだが、早く成長し冒険者として成功を修めたいものだ。


 あれから数日が経ち、赤ん坊ながら情報収集する事が出来た。ここはエリュン王国にある王都だ。俺の転生前には存在しなかった国で、転生前からどの位経ったのかは今のところ解らず終いだ。そこは成長してから自分で調べるか。

 俺の両親となる二人の名前だが、パパがガイス・グレィープニル、ママがアリア・グレィープニル、俺━━━━いや、私はラピス・グレィープニルでグレィープニル家の長女として産まれたらしい。

 グレィープニル家は、王家に支える騎士の家系でパパは数ある騎士隊を率いる総隊長という立場らしい。つまり、超がつく程に偉いみたいだ。

 一方、ママはパパと結婚した時に引退したらしいけど、元々王族付魔法近衛隊の天才魔法使いで隊長だったみたい。引退を引き留められたけど、ママに敵う者はいないらしく………………仕方なく引退を許されたみたいな話だ。


 赤ん坊だと、この位しか情報収集が限界だ。私は赤ん坊なので、直ぐに眠気が襲って来ては我慢しようとするが勝てない。赤ん坊の体が恨めしいと思う事が屡々あるが仕方ない。

 元々が剣聖であるため我慢する事には慣れてる。赤ん坊の事は詳しくないが、おそらく一年辺りで歩く事が出来るはずだ。そうなれば、行動範囲と出来る事がグゥーンと増えるだろう。

 それに普通の子供とは違い私は前世の記憶を持ってる。そのため最初から文字が読め算数が出来る分、同年齢の子供よりは頭一つ二つ分抜き出てると言って良いだろう。まぁまだ赤ん坊なので、関係ないが。


 私は、今の現状で他に出来る事がないか思案してみる。ふと思った事がある。今の私は赤ん坊なのだ。昼間はどうしてもグッスリと睡魔に襲われ眠ってしまう。

 なので、夜間の時はどうだろうか?パパとママが寝静まった時間帯を狙い、ベッドの上でコッソリとバレないように色々試して行こうと思ってる。

 先ずはステータスの確認だ。確認するためには大きく分けて二通りある。一つ目は魔法具、二つ目は技能スキルだ。

 魔法具は二種類あり、教会に設置してある『女神の宝珠』と冒険者ギルドが所持してる『裁定の水晶』の二つだ。


 女神の宝珠は、女神が作製したと伝えられる魔法具で使用者のステータスを全部明らかにする事が出来ると言われている。

 ただし、高度な隠蔽で隠されたステータスまでは見抜けないが、女神の宝珠で見抜けない程の隠蔽は神や女神のみが使えるらしい。それに教会から持ち出し不可だ。

 もう一つの裁定の水晶は、冒険者ギルドに登録の際と冒険者ランクが上がる時等に使用される。名前・レベル・職業は確実に見られる。他のステータスは任意で見られ、大雑把しか見られない。


 私がやろうとしてるのは、もう一つの方法で技能スキルでの確認だ。技能スキルも二種類あり、どちらも適正が問われるので、誰しも出来る事ではない。

 一つ目は【鑑定】だ。これは自分というより相手のステータスを覗き見る技能スキルで、もちろん防ぐ技能スキルや魔法もある。

 私は、もう一つの技能スキル:【開示オープン】で自分のステータスを確認しようと思う。

開示オープン】は、予想以上に高度な技能スキルで出来ない者の方が大半だ。やり方は単純で『ステータス開示オープン』と口に出すか頭で念じれば良いだけだ。

 だけど、適正がなけりゃ発動しない。出来ないと分かった時点で諦めた方が良い。

 私は、赤ん坊で言葉が喋れないので頭の中で『ステータス開示オープン』と念じた。

 そうすると、不思議な事に私の目の前にパソコン内のウィンドウみたく薄い透明な板ぽい物が出現した。触る事は出来ず触ろうとする指は通り抜ける。

 まぁそんな事はどうでも良い。問題は今現在の私のステータスだ。赤ん坊の時点でどれくらいなのか?見てやろうではないか。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ