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魔王軍六天王(視点変更)

 そこは魔界であった……。魔界の更なる奥深くにある、魔王城。


 そこには魔王を除き、六人がいた。『(ひと)』という扱いで良いのかはわからない。なぜならばその六人は多種多様な種族で構成されていたのだから。


「……もうすぐだ」


 一人の白い騎士が告げる。金髪碧眼の美少年——彼は人間であるかのように思えた。彼は魔王軍六天王の一角だが……間違いなく人間だ。いや、人間だった、という方が正しいか。

 魔王軍と人間達、及び他種族との混成軍との戦い。今から1000年以上前の闘いの際に人間を裏切り、魔王軍の側に就いた裏切りの聖騎士だ。


 彼は人間でありつつ、不死者(アンデッド)のような不老不死を手に入れた。もはや人間とは呼べないような存在となっている。


「もうすぐ、魔王様が長きに渡る封印から解き放たれる」


 人間を主とした混成軍は1000年以上前の大戦で魔王を倒した――とまでは言い切れぬが四つのクリスタルにその魂を分断する事に成功し、魔王を封印した。


 しかし、その封印は魔王軍に仕える六天王の存在により再び解かれようとしている。


「クックック……左様でありますか。それは楽しみでありますね」


 哄笑をする少女もまた普通の人間ではなかった。彼女は吸血鬼であった。目や髪、着ている服まで血のような真紅で染め上げている。1000年以上前にある王国を襲撃し、恐怖の底に落とし入れた、忌むべき真祖の吸血鬼であった。


「だが、その為にはまずは連中が所有している魔王様の魂を封印した、四つのクリスタルを破壊しなければならない」


 聖騎士の男はそう語る。


「そして、そのうちの一つは人間達の王国にある事がわかっている」


「だったらさっさと、そこを襲ってクリスタルを破壊すればいいじゃないですか。脆弱な人間など、我々にとっては赤子の手を捻るようなものであります故。クックック」


 吸血鬼の少女はそう嘲笑う。


「ああ……その通りだ。だが、決して侮れる存在ではない。話によると、彼等は神族の力を借りて、異世界から特別な力を持った人間達を召喚したらしい。それを踏まえて、誰が行くか、話をつけよう」


 六天王は魔王軍という組織に所属しながら、各々がそれぞれの種族で統一された軍隊を持っている。

 一応は仲間という関係でありながらも、お互いに競争意識を持っており、余り主だって共闘する事はない。敵対する関係ではないが、手を取り合うような関係にはなかった。


 だから何か問題を解決しようという時に、六天王のうち、一人が己の軍を率いて打って出るという形になる。


「ふっ……ならば私が行こうではないか」


 一人の少女が名乗りを上げる。漆黒の鱗を身に纏った少女だ。当然のように、彼女もまた人間ではなかった。彼女は竜人(ドラゴニュート)と呼ばれる種族だ。


「我々が竜を連れて、人間達を叩き潰してくれる……」


 少女は笑みを浮かべた。人間を手にかける事など、なんとも思っていない……そんな風な笑みであった。これから人間を叩き潰す事に対して、これ以上ない愉悦を感じている様子だ。彼女は楽しんでいた。


「ふっ。期待しているであります。竜王バハムートよ」


 吸血鬼の少女はそう言った。


 竜王バハムート率いる竜の軍が人間の国。王国アルヴァートゥアに襲い掛かるのであった。






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