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1話

あれから、10年たった。

ヒロは、30。

私は、26だ。

彰と修司は中学3年になり愛美は中学2年だ。

3人とも記憶が残っていて、3人とも、私達のことを呼び捨てだと可笑しいので、さん付けで呼ぶようになった。

顔もあの頃のままだ。

3人とも成績優秀。

当たり前だ。

高校生と中学生だったのだから。

私達の母校に入り生徒会に入った。

あの頃が懐かしい。

私は、掃除やらで忙しい。

ヒロは、相変わらず整備士を。

子供達も今になりゃ、立派な親になった。

猫が3倍になり、さすがにいっぱい食べる。

押し入れには、キャットフードとお菓子と缶詰や首輪なのが沢山収納されており押し入れは猫専用になった。

小屋も狭いためヒロが改造してくれて、2階となった。

2階と言っても広いが。

あれから、変わったことは何もない。毎月同じ値段のお金が振り込まれるのも変わってない。だから、全員にケータイとお小遣いを渡してある。

少なめに。売春行為をしないかどうか心配だ。私もしていたがとっくの昔に縁を切った。もう、ああゆう事はしてほしくないからだ。1番自分が分かっている。するたびに、傷つくだけだと。そのせいあって、3人ともお金が足りない時は、必要な分だけ渡すが、変わりに家事をしてもらっている。助かってはいるが、心配だった。自分の子供よりかは、友達として心配だった。ヒロも同意見だが、見守ってやろうっと言っていた。私も、そう思っていた矢先だった。



「明さん、大変だ!愛美が、売春してるって!」


いきなり帰って来て一言目が売春?修司は何を言ってるんだ?



「・・?えー!!」



一瞬何があったか分からなかった。だって、愛美だぞ?



「本当なの?」



「あぁ、また前みたいな事をしたって後輩が言ってだぞ!」



「彰は?」



「愛美を尾行中」



「いつの話?」



「今日の朝」



「嘘だよ。だって、前みたいな事・・」



前みたいな事とは、つまりあれだ。教室に隠しカメラを設置して、原因をつくった相手を追い詰めるあれだ。



「そのまさかなんだよ!放課後、愛美のクラスを彰と探したら隠しカメラがあったんだよ!」



「先生達は?」



「愛美が喰っちゃって、口止めされてた」



「校長も?」



「あぁ、気づかなくてゴメン」



「修司が、謝ることじゃないだろ?」



「うん」



「校長って、あの頃の?」



「あぁ、まだぴんぴんしてるぞ」



「私らで校長室乗り込もうか?」



「明さんは、卒業生だから行ってもいいだろうけど、乗り込んだら全員ビックリすると思うよ?歴代で、あんな事をしたのは俺らだけなんだから。今でも受け継がれてんの知らないの?10年前の委員会が再び集まったら学校が潰れるって言う噂まで広がってんの知らないだろ?」




そうだ。あの頃の委員会は、教師や校長よりも地位が高く恐れられていた。でも、自由で楽しい為誰も委員会を憎んではいなかったが、教育委員会に事情をチクると潰れる。だから、誰もチクろうなんて言わなかったし、親にもあまり話さなかった。




「でも、私は歴代トップで学校卒業したからいいんじゃないの?」



「委員会の方がでかいから、駄目」



「じゃあ、制服で。顔なんか童顔だからなりすまして、行くのは?」



「まぁ、確かにあの頃のまんまだもんな。制服が入るならいいよ」



「じゃ、張り切って着替えよぉ〜」



私は、クローゼットから制服を取りだし早速着替えた。難無く制服は入り、修司に見せた。



「やっぱり可愛いな、あの頃のまま」



「でしょ〜、ついでだからヒロも着替えさそうかな〜」



「ヒロさんも、母校だけど無理があるんじゃない?」



「じゃ、彰と修司と私だけでレッツゴー」



彰と学校で待ち合わせをした。



「修司、明さんに言ったか・・・・その格好なんだよ!?」



「制服に決まってんじゃん」


「制服着てんのは、分かるがどうすんだよ!」



「校長に会う」



「生徒もいんだぞ?しかも、噂知ってんのか?皆顔知ってるんだぞ?」



「大丈夫だって〜」



私は、大丈夫だと思っていたが視線が痛い。何故?皆が見てるから。こそこそとあの委員会がいる・・・って言ってるし、なんで?って驚いてる奴もいる。



「っしゃー、元委員会が集まったぞー」



大声で叫んでしまった。



「明さん、声でかい」



「さん付けは、いらん。行くぞ」



言葉遣いが男らしくなってしまった。中学校の時から変わってないな、自分。


私達は、建物に入った。相変わらず綺麗だった。教室も変わってないし。



「皆の視線痛いな」



「しょうがねーだろ?今までバレてなかったんだから」



「写真と少しだけ身長が違うからな」



「どうして、バレなかったのだろ?」



「名字が違うからだよ」



「そっか」



校長室が見えた。



「失礼しま〜す」



入ると校長がいた。ビックリしていた。



「何だね?君達は?」



「覚えてくれてないんだ〜、これを見れば分かる?」



当時の委員会だけが付けられる十字架のピアス。私達は、ピアスをしている耳を見せた。校長が反応した。


「何故君達がいるんだ!?もう、死んだはずでは!?」



「おしかったな、生まれ変わったんだよ」



「どうやって!?」



「神様がしてくれたんだよ、明の子供として生きてたんだよ。よくも、俺達を殺したな」



えっ?



「明には、言ってなかったな。校長が俺達を殺したんだ」



「えっ!?あれは、彰のオヤジじゃなかったの!?」


「分かんねーから来たんだろ?」



「私は、愛美の事を片しに」


「まぁまぁ、落ち着いて」



「校長、愛美はあの頃の愛美だ。あいつも生まれ変わったんだ。それを、またお前が汚した。分かってんのか?あぁ?」



校長は、何も言わない。



「明日の8時、全校生を体育館に集めろ、分かったか?」



コクリ と頷くだけだった。そして、教室を後にした。

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