25.凡凡は同意する
わわ!!評価して下さり、誠にありがとうございます!!!やはり、評価してもらうと非常に嬉しい気持ちになります!!よろしければ、今後もお読みいただければ幸いです!!
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少女は紅髪を棚引かせ、身も凍るような寒さを吹き飛ばすほどの笑顔を見せながら剣を構える。
「ディーン、良い試合をしよう。といっても、貴殿にとってはやはり楽しいだけの試合にかわ─「カルデナ。悪いが、今はそのような気分ではない」
ディーンは腰を深く落とし、柄に手を当てた。
「一撃で終いにさせて頂く」
それは空間をも置き去りにした神速の居合。その鈍い衝突音が轟いたとき、誰もが決着を確信した。あまりにもあっけない。だが、これこそがディーン・クルニスであると皆、納得せざるを得ない。
「気分ではない、だと?」
しかし、少女の身体は一向に地面へと向かわない。それどころか、何か言葉を発している。
「貴殿との勝負のために私がどれほどのモノを費やしてきたか。血反吐を吐き、涙を流し、何度挫折しそうなったか。それでも貴殿を打ち負かす。そのためだけに今日まで生きてきたのだ!!!」
紅き閃光がディーンの頬を掠める。
「私の培ってきたモノが!想いが!!全てが!!!貴殿の気まぐれだけで否定されてたまるかぁ!!!!」
【極・紅蓮嵐刃】
それは技というにはあまりにも荒々しく、暴力というにはあまりにも研ぎ澄まされていた。
「ッ!」
カルデナの乱舞にディーンは防戦一方となる。反撃を放とうとも攻撃の間隙がなく、剣を受け止めるので精一杯だ。
「貴殿はいつもそうだ!!!私の気も知らないで!!楽しかっただの!!血湧き肉躍るだの!!!まるで私との勝負は遊びだと言わんばかりに蔑ろにしおって!!!」
「何をそんなに激昂しているんだ?俺は別に馬鹿には─「私は婚約者として人生を、命を賭けて貴殿に向かっているというのに!!!貴殿はそれを気にも留めず、いつもタント兄上タント兄上と義兄殿の事ばかり!!!」
「なっ!!!貴様、兄上を愚弄するかっ!」
ディーンはカルデナの剣に合わせて、前傾姿勢で力を込める。カルデナは力負けし、吹き飛ばされるが、空中で姿勢を整え、宙を蹴り、ディーンへと再び飛びかかる。
「違う!いつまでも兄離れできぬ貴殿を馬鹿にしているのだ!!!いい加減、兄が兄がと言ってないで私と向き合え、この愚か者!!!!!」
試合場から聞こえてくる魂の叫びに、控え室に居るタントはそうだそうだと頷く。いくら冷たくあしらっても、物怖じせずに付き合ってくるのだ。もう俺ではアイツを動かせない。動かせるとしたら、それは─
「【紅鶴恋舞】!!!」
想う者だけだ。
「……そうか」
─焦らずにゆっくりと互いに理解していけばいい─
「いつも、貴方はそうやって大切な事を教えてくれる」
正面からその刃を受けとめたディーンの額には血が滴る。
「俺はまだ向き合ってすらなかったのか」
ディーンは額にめり込んでいるカルデナの剣を掴む。
「なっ!?」
ぬ、抜けない!!それよりも、傷が─!!
カルデナが必死に剣を抜こうとするがビクともしない。
「良い太刀筋だ。君の剣をこの身に受けて、改めてそのように感じる」
「離せ、ディーン!!審判、もう終わりだ!!!早く救護を!!!」
審判が焦って手を振りあげようとするが、ディーンが制止する。
「待て。そう焦るな、カルデナ。まだ君の想いに応えていない」
「馬鹿者!!!そんなことを言ってる場合ではない!!早く治療をしないと死んでしまうかもしれないのだぞ!!!」
カルデナの顔が涙でぐしゃぐしゃに崩れる。観戦者たちの顔色も青い。エヴンダ王国の者を除いて。
「これが俺の想いだ」
ディーンの左手の甲に紋章が浮かび上がる。そして、上段に構えるかのように剣を振り上げた。一見、ただ剣を構えただけにしか見えない行動は天の雲を裂き、一筋の光を会場に差し込ませた。
「グギャアオオオオオオ!!!!!」
けたたましい断末魔とともに巨大な物体が試合場へと落ちてくる。それは大理石を砕き、凄まじい砂嵐を巻き起こした。
「ら、ラースドラゴン………」
審判の絶句とともにその正体は明らかとなった。ラースドラゴン。邪神の遣いとも称される龍であり、天空の王者として何百年も君臨していた伝説の怪物。
「う、うおおおおおおおおお!!!!!!」
会場はたちまち沸き立つ。この場がまるでかの祭りかと錯覚するほど。それも仕方なし。彼が今ここで成した偉業に、賛美の咆哮を叫ばずに居られるものはこの世にいるはずがないのだから!!!
「ディーン、貴殿は─ッッッッ!!!」
驚愕と歓喜とも言えぬ表情をするカルデナの唇を、ディーンは己の唇で塞いだ。
「やはり、君の髪と瞳には天の輝きが最も相応しい」
「はひぇ……」
顔を己の髪よりも真っ赤にさせたカルデナはふにゃふにゃと身体を揺らして、へたり込む。
「勝者、ディーン・クルニスゥゥゥゥッッッッッッ!!!!」
それは皇交戦史上、最も高らかに告げられた勝利宣言であった。
がんばります!!




