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18.凡凡は嘘ついた

1年振りです


某小説サイトに浮気してました


書き手としてはこのサイトのシステムは不便極まりないです


投稿しないと作品ごとに話をまとめられないなんてその顕著な例です


でも、戻ってきました


もし、同じ作品を他サイトで見たら同じ作者だと思ってください。その時はこちらでも同時掲載の旨をお伝えさせていただきます。


 ##


「懺悔、か」


 まさか、見つかるとは思わなかった。いや、ラスバだからこそ見つけられたということか。()()()()()()()()()()()()()()


「我が弟ながらとんだバケモノだ」

 

 タントは天を仰ぐ。宙ぶらりんの腕が行き場をなくしてそのままホコリの上を漂っていく。そうして数分ほど呆けたのちに、おもむろに立ち上がる。


「真実に辿り着くのも時間の問題だ」


 そんな大層なものでもないか、と自嘲の笑みが漏れる。中身は消し去りたい過去の遺物。ただの罪過だ。


「下女、少し出掛ける。すぐ戻るから部屋の掃除でもしておけ」


「げ─「じゃあな」


 タントは旧図書室へと足を運び、とある本を開く。


「あの裁判もあながち間違いではなかったんだがなぁ」


 その呟きは誰の耳にも届くことは無い。


「Peccam」


 タントがその名を呼ぶと、本を起点として空間が転移する。そこは禁書庫には似ても似つかぬ異質な書斎であった。


「あらぁ❤ 遂にあの生意気小僧が来たと思ったら愛しの英雄君じゃない❤」


「はぁ、いつからそんな甘ったるい声を出すような邪神になったんだ?耳が腐りそうだ」


「ひどぉい」


「その泣き真似も癪に障る」


「それで、何の用なの?もうここには来ないと思っていたのだけれど、ようやく私の下僕になる決心でも着いた?」


「お前、弟と接触したか?」


「していたら、どうするの?」


「質問に答えろ」


 タントの額に紋章が浮かび上がる。


「こわぁ〜い。ペカちゃん、身が震えるわァ」


 大袈裟に身振りをする彼女の表情には余裕が満ち溢れていた。逆にタントの額には脂汗を滲み、焦りゆえか少し息が切れている。


「答えはNo。いかに才能の塊だとしても、類稀なる巡り合わせがなければ私たちには辿り着けない。あれなら魔神が限界ね。だって、()()()()()()()()()()()()()()()


 タントは肩の力を抜き、大きく息を吐いた。額の紋章も薄く消えていく。


「その点、貴方は環に恵まれた。草創期から時を経て、私たちの存在を認知することができる者となった」


()()()()()()()戯ろ、俺の大切なモノを奪った癖にお花畑な能書きを垂れるなよ」


「人聞きの悪いこと。()()()()()()()()()()()()()()()()


  タントの表情が一段と険しくなる。その様子を見てペカはより嬉々として口を曲げた。


「あの時、貴方に兄のような賢さが、弟のような力があれば運命は変わったのかもしれないわねぇ」


 その三点の闇は粘着質な弧を描き、まるで仔猫を痛ぶることに快感を覚える少女のような笑みを浮かべた。


「…もう俺以外には関わるな。言いたいことはそれだけだ」


「あらぁ、大人になったわねぇ。以前の貴方なら死に物狂いで飛び掛って来たというのに、つまらないわぁ」


「そうやって戻ってきた試しがないのでね。さすがに数十回も同じようなやり取りをすればいい加減無駄だと学ぶ」


「えぇ、ええ喜ばしいことよ。ようやく折り合いが着いたのね。()()()()()()()()と。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 その言葉が空に消える間もなく、雷鳴のような轟音が辺りに鳴り響いた。瞬の間もなく放たれたタントの拳がペカの眼前で静止している。


「あはぁ❤やっぱり貴方はその顔が一番素敵よ❤」


 タントは言葉にもならぬ呻き声を漏らすだけ。やがて高速で巡り廻る血液の圧に耐えられぬ血管たちが哭きながら破裂する。額から、口から、眼から全身の至る所から沸き零れる。


「怒りに焦がれ、悔いに溺れ、絶望に堕ちていく。嗚呼、輝く太陽の下で英雄を夢見ていた者が陰の色に染まる瞬間に勝るものなどないわ。今も昔も、きっと永遠に褪せることなどないのでしょうね」



「返せっ……!」


「だめよぉ❤だって、それが貴方の罰だもの。何かを得るためには何かを失わなければならない。その道理も分からぬおめでたい英雄気取りが不相応に望みを叶えてもらっただけありがたいと思いなさいな」


 ペカが指を弾くと、タントの身体が思い切り回転しながら吹き飛んでいく。


「苦しみなさい。自我が消え、肉体という器から魂が消え去るまで。それまで私は貴方を赦す(離す)つもりはない」


 そう言い終えると、空間が揺れ始める。


「そうそう。さっきの要求のことだけど、今のところは心配しなくてもいいわよん❤貴方がその贖罪に苛まれることになったおかげで私たちの出番は当分ないと思うから」


 その言葉を最後に、タントはペカの手によって旧図書館へと転移された。


 タントは痛みに悶えながら立ち上がり、朦朧とした意識の中で全身の血を落とそうと思い、覚束無い足取りで近くの風呂場へと向かって行った。その身体には蚊を潰した痕すら見当たらないというのに……

当分はこっちでもがんばります

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