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妖精族に転生した元男の私は勇者達からスキルを回収する  作者:
1章 ポンコツ気味の女神からの信託と勇者一行
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情報収集

貨幣についてつけたしをしました

 「数年ぶりに森の外に出たけど悪くは無いわね。」


 ゆっくり歩きながら私は周りを見渡した。ここの草原は森とは違い日差しが照りつけ、心地よい風がたまに吹いてくる。


 その少し後ろには槍を持ったメルナと、剣を持ったベルがいた。


 「たまに私達は外に出ますが、確かに森とは違う心地よい感じはありますね。」


 「確かに森とは違う心地よい感じはあるよね。

 なんだか、新鮮な感じも少しするし、私は結構好きだよ。」


 そんな雑談をしながら歩いていると街道に出た。


















 私達は2時間ほど歩いて街の門の近くまで来ていた。


 そこには門番の人が2人立っていた。


 「そこの嬢ちゃん達、まさか護衛も無しでここまで来たのか?」


 ちなみにこの世界の言語はパルテ語と言ってこの世界の共通語らしい


 そして多分女神のサービスで私は転生したときから喋れた。


 あの女神に感謝しても良いと思える、数少ない点だ。


 「そうだよ…あったあった、これで護衛が必要無い理由になるかな?」


 そう言いながらベルは銅でできたプレートを渡した。


 「…!!吸血鬼の冒険者!それにランクはC!それでそっちの嬢ちゃんは?」


 メルナはベルと同じの銅でできたプレートを渡した。

 

 「魔族!そっちの嬢ちゃんと同じのCランク!この若さでCランクとは凄い!

 後はそっちの嬢ちゃんだが…護衛対象か?」


 門番の人は体を屈めて、私の目を見る。


「ちがうよ、おかあさんがね、しんじゃってね、それでおねーちゃんとたびしてるの。」


 私が演技で子供のような言い方でごまかした。


 門番とかは、人を見る目がある人が選ばれるとは言うが、さすがにこんな子供にまでは発揮できないようで、同情したような目になっていった。


 「……そうか、まあその年では身分証何て持っていなさそうだし、通っていいぞ。」


 門番の人がそう言われると門をくぐって街の中に入った。















 「メルナ、ベル、あなた達最近森の外に行く事が多いと思ったら、冒険者になっていたのね。」


 私は微笑みながらメルナと、ベルにそう言った。


「はははっ、お姉…クロノス怒らないで。」


 ベルは冷や汗を流しながらそう言った。


 「本当にもうし……ゴメンね。」


 メルナの方は、言葉使いは途中で直したものの、さすがに往来で頭を九十度曲げるのは、目立ち過ぎた。


 それに私は、冒険者になったのがいけないと言いたいのではなく、黙ってコソコソやっていた事に対して怒っているのだ。


 本当に解っているのだろうか?


 「……まあいいわ。じゃあベルにメルナ、ここ辺りで噂を集めてきて欲しいの。

 あと私は…露天で話を聞いてくるから3時間後にギルドの前で集合ね。」


「解ったよ、クロノス。」


「じゃあ後でね、クロノス。」


2人そう言って別れて、私は露天で話を聞くために歩きだした。














 「こんなに露天があるなんてお祭り見たいね。」


 そう呟きながら見ていると近くの屋台から肉の焼ける匂いが漂って来た。


 こういうのは、前世お酒と一緒に味の濃い焼き鳥とかを食べたりして、社畜生活を乗りきっていたものだ。


 「…メルナかベルにお金でももらってきた方が良かったかな。」


 また独り言を言っていると、近くの屋台の四十歳前半位の男と三十歳後半位のおばちゃんが噂話をしていた。


 「最近物騒になってきたわね。盗賊や魔物が街道にも出てくるようになったんですって。」


 ここまではどの時代でも聞くなんて事のない話だったのだが、この後が問題だった。


 「あぁ、そうらしいな。でも勇者の話知ってるか?」


 「!!」


 まさかこんな所で転移者と思われる人の情報が集まるとは思ってもみなかった。


 まさしく棚からぼた餅だ。

 これで、最低限の手土産として、メルナとベルに話せそうだ。


「勇者の話?」


 「何でも遠くの国から勇者?だっけが首都にフラッと来たらしくて、それをスカウトしたらしいよ。

 しかもその勇者は首都に来るまでに街道の魔物や盗賊を大勢倒して来たらしい。」


 この二人の話を聞いていけばいくほど、その勇者が転移者としか思えなくなってくる。


 「噂だとね1週間後位にこの街を通って、隣国にある廃鉱山?だっけかに住み着く魔物退治するために遠征に行くらしい。」


 「おじちゃん!その話本当!」


 「何だい?そんなに勇者の噂話が気になるのかい?まあ噂話で良いんだったら教えてやるよ。」


 ここまで聞いていると、つい早く他の情報を聞きたくなって、いきなり話しかけてしまったが、二人とも嫌がる事もなく、勇者の話をしてくれた。


 どうやら“噂„だと勇者達はある日このイザン帝国の首都にいきなり現れ、誤解らしいが門番が襲って来たと勘違いして、門番を倒して首都に入り、捕まえに来た十数人の兵隊を倒し、その強さを見込まれてイザン帝国の騎士団に入ったらしい。


 ちなみに勇者達の中には魔法を使える人も少なからずいたらしいのだが、これは不確定情報過ぎるので耳を貸すだけにしておいた。


 (だいたいの噂は検討違いか、予想がつく事だけだった…けど、本当に1週間後に勇者がここを通るんだったら、さっそく“スキル„を回収出来るな。)


 そう思いながら私は屋台の並んでいる道をスキップしながら歩いて行った。


 もうすぐにでも、あの森に帰れそうだ。


















 「メルナ、ベル、ギルドで噂は集まった?」


 三時間経って私はギルドの前でメルナとベルと合流して近くに宿を取って部屋の中で集まった噂を報告した。


 (ちなみに当たり前だが、宿代はメルナとベルが出した。)


 だが集まった噂は私が聞いた事と大して変わらなかった。


 「どうするの?お姉ちゃん?」


 「首都に行くのはどうでしょうか。」


 メルナの案は確かに魅力的なのだが、勇者一行とすれ違いになるリスクも伴っている。


 「………よし!ここで1週間待機する人と首都へ向かう人に分ける!

待機する人はメルナと、ベル。首都へ向かう人は私!

 ちなみに私は勇者がこの街を通る1週間後の前日までに戻ってくるから安心して。」


「「!!!」」


 その案を聞いたメルナとベルは驚いた顔をした。


 「入る方法は、空を飛んで入るという方法があるから大丈夫よ。

 あと、お金少しくれない?食べ物を買うのに必要だから。」


 「…私達ではどうしてもダメなのですか?」


 メルナは私の瞳をじっと見る。


 「そうだよ、私達に任せればきっとうまく行くから。

 お姉ちゃんは休んでおいた方がいいよ。」


「…あなた達はこの街から首都まで往復移動して、さらに噂を集める。

あなた達に本当にできるの?」


「「…」」


メルナとベルはぐうの音も出なかった。


噂の方は確かにメルナとベルの方が集めたりできるが、一週間の間に結構な距離がある首都までは、少し微妙だ。


 それに対して妖精族である私は、空を飛べるという大きなアドバンテージを駆使すれば、移動に関しては何も言うことはないのだ。


「じゃあ異論は無いということで、私は行って来るから。

資金として…まあ銀貨1枚貰って行くから。」


 そう言うと私は近くにあった、お金が入った袋からクラン銀貨を取り出した。


 「…お姉様、ちゃんと戻って来てくださいね。」


 メルナは説得にまだ完全に納得しきれていないようで、不安そうにこっちをまたじっと見る。


「戻って来るから安心して。」


 私は小さい頃やったように、メルナに抱きついてみると、彼女の方もそっと抱きついてきた。


 「お姉ちゃん!私達はお姉ちゃんが帰って来るまで何をすれば良いの?」


 今までの雰囲気を打ち破るようにメルナは、私に聞いてきた。


 少し嫉妬しているのかな?


 「そうだね……まあギルドの依頼でも受けながら、情報集めを続けてもらっていい?」


 「解ったよ!」


 ベルは元気よく返事をした。


 「じゃあ行って来るね。」


そう言って私はベルにも抱きついた後、宿の部屋の扉を開けて、都に行くために出ていった。









お金についての補足 


お金はこの世界に2種類ある

一つはクラン貨幣、もう1つはクリー貨幣

だが、どちらも同じ値段である (日本円にしたとき)


鉄貨 100円


銅貨 1000円


銀貨 10000円


金貨 100000円


白金貨 1000000円


で10枚ごとに貨幣が変わるようになっている



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