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妖精族に転生した元男の私は勇者達からスキルを回収する  作者:
1章 ポンコツ気味の女神からの信託と勇者一行
7/58

出発

 女神の神託(うっかりミス)が下りてから1週間が経過した。


 私、クロノスは神託が下りてからメルナとベルに事情を説明して新しい防具と武器、家に近づく魔物や冒険者達を守るための魔法生物……ゴーレムを作るために1週間ほぼ休むことなく作業室にこもっていたのだ。


 そして私は1週間ぶりに彼女達の様子を見に廊下を歩いていると、後ろからメルナとベルが私の両腕を掴んで、食堂に連れて行かれた。


 「ちょっと2人ともいきなりどうしたのって……」


 いきなりの事で困惑したが、テーブルの上を見た時、私は驚いた。


 食堂のテーブルの上には、こっちの世界の料理から、私の前世にあった料理までたくさんの美味しそうな料理並べてあった。


 「お姉様こちらにお掛けください。」


 メルナは私を席に座らせると自身も隣に座った。


「お姉ちゃん疲れたでしょう?少しはゆっくり休んでよ。」


 ベルも隣に座ると、料理の取り分けを始めた。


 「これあなた達が用意してくれたの!?」


 私がそう聞くとベルはフフンと鼻をならして、どや顔をしながら食器の配膳を始めた。


 「お姉ちゃん1週間も作業室にこもっていて多分録な物を食べていないかなと思ったから、私とメルナで作ったの。」


 私は嬉しいという気持ちで一杯になり、少し涙ぐんでしまった。


 これからの旅、何があっても頑張れそうだ。


 「ありがとう!では早速みんなで食べましょう。」


 そのセリフを聞いたメルナとベルは嬉しそうに


 「…良いのですかお姉様!」


 「本当に食べて良いのお姉ちゃん!」


 「何を言っているの、みんなで食べた方が美味しいに決まっているじゃない。だからメルナ、ベル、一緒に食べましょう。」


 私がそう言って食べ始めると、2人も食べ始めた。

 

 そして食べ終わって私は疲れたのか食べ終わったら、眠気が襲って来て自室に帰りそのまま眠ってしまった。






















 そして次の日。


「…私の…部屋?確か昨日は…あ!!」


 私はあのまま寝てしまった事を思い出して急いで作業室からメルナとベルに新しい防具と、武器を渡した。


 渡した物は鋼でできたような見た目のオリハルコンで作った鎧、“切れ味上昇„のエンチャントを施した剣、“貫通„のエンチャントをかけた槍、さらに“高速発射„のエンチャントを施したボウガン型の弓をそれぞれ1つずつメルナとベルに渡した。


「お姉ちゃん何でマナサーベルとかマナライフルがあるのに剣とか作ったの?」


ベルが不思議そうに聞いて来た。


 「敵が魔法攻撃を軽くしたり、防御する魔法や道具を持っている可能性があるから作っといたのよ。

 あと今渡した剣とかは常に着けておくこと。外では出来るだけその装備を使って戦って。

 ばれると録な事が起きなさそうだから。」


 「解りましたお姉様。」


 「了解したよ、お姉ちゃん。」


 「あとベルとメルナ、今から私の事を呼ぶ時は“お姉様„とか、“お姉ちゃん„じゃなくて“クロノス„って呼んで

 そしてメルナ、あなたはその丁寧な言葉で私に話しかけないでね。」


 その事を聞いたメルナは不思議そうに聞き返す。


 「なぜですか?別に“お姉様„や丁寧な言葉は、悪くはないはずですが?

どのような問題があるのでしょうか?」


 私とベルはメルナの生真面目さに少しあきれ、ため息をついた。


 「…メルナ、私の見た目は幼女で、あなたの見た目は成人した位の見た目なの解る?

 そしてもしも街中で私に、そんな話し方で話しかけていたら多分周りの人は私達の事を貴族の娘とその従者にしか見えないと思うの。

 そうなると多分、私の事を拐いにくると思うの。」


 「お姉様が拐われる事なんて無いと思いますが?」


 メルナはこれを聞いてもあんまり解っていないようで、真面目な顔をしてそう聞き返して来た。


「あのねえ、確かに拐いにきた人を倒したりするのは簡単だけど、それを倒したのが私と解ったら?そうなると、とても面倒なことにしかならないの。

 ……解った?メルナ。」


 このままでは埒が明かないので、最後の言葉は結構圧力をかけて言ったお陰か、メルナは首を縦にふってくれて、これで返事も言った通りにしてくれるはずだ。


 「りょうか…解ったよ、お姉…クロノス。」


 「解ったよクロノス。」


 ……やっぱりベルは心配しなくては良いがメルナがとても心配だ。


 「さてと、2人とも支度はできているよね?」


 「できてるよ、クロノス。」


 「バッチリだよクロノス!早く行こう!」

 

 「…よし、では出発!」


 そう言って私達は歩きだした。









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