ベルの熱意
リジーナの酒場から有力な情報を手に入れて、襲撃する日も決めたのだが、その日までは一週間ほどあるので、この時間を使って他の情報を集めたり、敵情視察と買い物をする事に決定をした。
「ねぇねぇ、明日はどこから回った方がお姉ちゃんは良いと思う?」
私とメルナは備え付けの椅子に休んでいる一方で、ベルは宿のベッドに広げた簡易型の地図を眺めながら話しはじめた。
「…ベル、解っているとは思うけど、一応は他の転移者の情報とかを聞きに行ったりするのが目的だからね。」
今日も午前中は情報収集をちゃんとできていたのだが、昼食後の午後は何故か、ベルが音頭を取って最終的にはタダのショッピングになってしまった。
「そんなの解っているってー」
とは言うが、その表情はニコニコと笑っていて口先だけだと解る。
「ベル本当に解っているのか?たださえ、この前だって自由行動をお姉様に許してもらっているのに、まだそれでも足らないのか?」
メルナはもっと真面目になれと暗に言うが、ベルは一向に表情を変えなかった。
「別に良いじゃん。それに、こんな広い所あの数時間じゃあ見切れないよ。
それに私はメルナと違って、オシャレとか気にする方だから、時間がかかるの。」
ベルは逆にメルナに対してやれやれといった様子だ。
「全く……オシャレなんて何が良いんだ?」
すると、今度は逆にメルナの方が飽き飽きとした風に返したのだが、これは地雷だったようで、主にベルがさらにヒートアップしていく。
「それ、本当に思っているの?
というかメルナ、そんな風な態度取っているから、たまに男の人に間違われるんだよ。
それに、オシャレに興味が無いなんて、女の子として十割ソンしてるの解ってる?
いや、解っていないからそんな態度取ってるんだよね?」
「え……えぇ……」
メルナはその気迫に押されてしまい、どうすれば良いのか解らずに困惑すらしていた。
明日も情報収集とかはできなさそうかな?




