ダンジョンからの脱出
お久しぶりです。
ゆっくりですが、少しずつまた投稿していきたいと思います。
暖かい目で見てくださると、作者としても嬉しいです。m(_ _)m
とりあえず興奮して、今にも襲ってしまいそうなメルナを押さえ、ベルから報告をしてもらった。
「王国の騎士が合計三十人ほどがある程度の距離を取った所で、他の冒険者が探索しないように妨害をしていました。
でも、半分はのんびり飯食べている位には油断していたので全滅させておきました。」
そんな報告をニコニコとしながら報告するベルに私は内心狂気みたいなものを感じていたし、転移者の三人は隠す気もなく本気で引いていた。
「えっと…じゃあさっさと撤退しようか。」
ベルを正気に戻すためにも、話を帰る事にする。
「ですがお姉様。あれだけ用意しているのを見ると、ダンジョンの出入口には監視の人間が居ると思います。」
何時もの落ち着いた感じに戻ったメルナが、すかさず正確な予想をしてくる。
「提案としては、監視員を全員をころ…」
「はいはい、そこまでにしようね。」
メルナがまた三人を怯えさせるような事を言い出したので、言葉を被せる。
「確かにそれは一つの手だけれど、それだといくら何でも悪目立ちし過ぎるよ。
ただえさえ三十人全滅させた上に、監視員も殺せば十中八九人為的と思われるわよ。
それに、多分もうそろそろ各国も誰かが転移者に害を加えているのに気付くと思うけど、そこまでやれば、余計気付かれる可能性が上がると思うからそれは無し。」
「それはそうですね。ではどうします?やっぱりこの三人をこ……」
こんどは、またメルナが過激な事を言おうとしたのを、急いで体に飛び付いて物理的に口を塞ぐ。
「とりあえず予備の認識阻害をかけた外套でも着てもらって出ようか。」
私は魔法収納袋から、緑と黒、灰色の外套を手渡した。
「こんなんで本当にヒッ!」
原山が疑いの声を上げようとした瞬間、二人から睨まれ、一瞬にして縮まってしまった。
酒場ではあんなにベルにゾッコンだったのに、今は恐怖しか無さそうだ。
「疑う気持ちは解るけど、ここは私達を信じてもらえると嬉しいわ。
そう言う訳で行くよ。」
できるだけ魔物とは戦わないようにしながら移動したので、地上には二時間もしない内にすぐに到達した。
入り口付近には何人か冒険者らしい人がいた。
「……お姉様、多分ですがあの中には居ません。」
メルナがこっそりと耳打ちをする。
「そうなると、近くの森の中辺りにでも潜伏していそうね。
念のために一応、街に戻るようなコースで国に戻るわよ。」
という事で、ダンジョンの外に出て、できるだけ森の方から離れて、足早にダンジョンを去った。
夜になり辺りが暗くなってしまった私達は逃げるのを止めて、焚き火を起こし、簡単な食事を取った。
ベルの作った、魔物の焼き肉は素朴ながらも、良い焼き加減で、味の濃い物を沢山食べてきた転移者組も文句一つ言わずに、それどころか、とっても美味しそうに食べていた。
「それではお姉様はお休みください。
私とベルが敵襲に備えて起きています。」
そう言って、メルナが寝るように催促をするが、ふと考えてみると最近
はそう言われて寝る事が多かった事に気づいた。
「いや、たまには私も起きて監視するわ。
二日三日ぐらい起きていたって普通に大丈夫だし。」
「……ですが…」
「いいの、いいの。たまには任せてちょうだい。ベルも今日は丸々寝てて良いから。」
メルナは少し困ったような顔をしていたが、すぐに私の指示に従い、外套を毛布代わりにして、ベルの近くにねっころがった。
……さて、ベメルナとベルの事だからこっそり起きていそうだし、魔法でもかけておこうか。
ということで私は“スリープ„の魔法を唱えて、メルナとベル、それに転移者組にもかけておいた。
転移者組の方は通常のでもすぐにでも眠ってしまうかもしれないが、メルナとベルはレベルとかもあり、かかり難かったが、そこは魔力を普通の何十倍も込めた“スリープ„で強引に寝かしつけた。
私は二人が眠ったのを確認すると、魔法収納袋からライフルを取り出して、解体し終わり、手入れを初めようとした時だった。
シュッ
「っ!」
突然ナイフが額目掛けて飛んで来た。




