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妖精族に転生した元男の私は勇者達からスキルを回収する  作者:
3章 背中を任せられる人(笑)
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思わぬ発見

「ていやぁぁ!」


メルナとベルの前で体長二メートルもあろうかという大型のトロルを原山が真っ二つにする。


「原山うしろっ!」


栗原がそう叫ぶと、2体のアサシンドールと呼ばれる不気味な人形が剣を振るが、前衛のもう一人である藤宮が大型の盾を構え、息の合った敵の攻撃を防御すると原山はその盾をジャンプで乗り越え、振り返りながら剣を凪ぎ払い一体のアサシンドールの頭を斬る。


勿論残ったアサシンドールは原山を倒そうと、剣を振ろうとするが栗原の放ったサンダーアローが刺さり、爆発のような現象が起こり爆散する。


「…まぁ、俺達の実力はこれくらいだね。」


「どうよ、ベルちゃんッ!」


藤宮は少し誇らしげに言い、原山は自分の戦果でアピールをする。


「……すごいですね。」


「メルナの言う通り、もしかすると私達よりも息が合っているかも!」


ベルは原山を相変わらず煽てて、調子に乗らせているが、私には解る。

あれは原山を『戦闘中の死亡』にさせようとしている。


「ふんっ…」


しかし、栗山はその様子に気にくわないようで、少しイラついているようだ。


「それじゃあもう少し奥に行こうか。」















ダンジョンに潜ってから早四時間が経過しようとしていた。


「ふう…終わったぁ。」


前衛で戦っていた、藤宮が盾を地面に置いて一息付く。


周りにはオーク達の死体が有っても特に同様していないようなので、それなりに戦闘になれているようだ。


「そんな事よりも、原山が見たって言う光を確認しにいくわよ。貴方達も遅れないようにね。」


そう、このオーク達と遭遇する前に遠くの方に小さく何か光ったと原山が言っていて、半ば疑いながらも結果的に進もうと決めた時に襲われたのだ。


「解ってるから安心しろって。」


藤宮は盾を持ち上げて歩き始める。


「…そう言えば、もしも金目の物だったら分け前どうする?」


原山はふとそんな事をこぼした。


「…私達からすると三割ほど貰えば十分です。」


「俺はそれで良いけど、二人は?」


「何も問題ないわ。」 「それで別にいいぜ。」


「…と言う訳だ、安心してくれ。」


「ありがとうございます!」


メルナは嬉しそうに感謝を述べるが、こんな階層も浅く敵も大した事無いダンジョンにあるような宝箱では録な物は無いだろう。


全く、ベルは本当に演技が上手い。

私でも簡単にコロリと騙されてしまいそうだ。


そんなこんなで数十歩歩いただけで道が行き止まりになっており宝箱がドンと置いてある。


ちなみに、なぜこんな所に宝箱があるのかは不明で、『ダンジョンには意識があり、人間を狩るために産み出しているのだ』という説や『滅んだ古代人の置き土産』や『誰かが置いている』など色々議論されているが、どれも事実無根で謎解明には至っていない。


まぁ、私はダンジョンが超巨大な魔物というのを検証して知っているので、『ダンジョンには意識があり、人間を狩るために産み出しているのだ』という説は殆ど正解だ。


「おい…やったぞ!宝箱だッ!」


原山は迂闊にも宝箱を何の確認もせずに開けてしまった。


メルナは他の人に見えないようにしているが、呆れたような表情をしているのがちらりと見えた。


私がメルナの方から転移者組の方を見ると、原山が先ほどの浮かれた表情が代わり、三人とも驚きと困惑したような表情に変わった。


私は隠れている所から少し移動し、原山の手元を見るとそこには()が握られていた。











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[一言] 次話も楽しみに待ってます!
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