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妖精族に転生した元男の私は勇者達からスキルを回収する  作者:
3章 背中を任せられる人(笑)
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怒り

私達は転移者をさっさと置いて行った後、宿に帰って来た。


ちなみに、今は十一時を過ぎているが、この時間に帰ってくるのはそこまで珍しい事ではない。


「全く!たかだか十数年生きただけの癖に調子に乗って!」


「確かにあの子達ちょっと自分の評価と周りの事絶対解っていないよね。」


部屋に帰って発した第一声から解るのは、二人ともご立腹であるという事だった。


「…まぁ二人とも落ち着いて。

後一週間もかからない内に、その鼻をへし折ってやれるから、それまで我慢してね。」


このままでは、気が収まらなさそうな二人(特にメルナ)を宥めるために、ある程度ボコボコにして良いということを伝えた。


「それは本当ですかお姉様!?」


「本当にやっちゃって良いの!」


「い、良いけど…」


私は、興奮しながら詰め寄る二人から離れるために数歩下がる。


「それでは今しばらくは待っておきましょう。」


「楽しみだねメルナ。あいつらどうやって調理してあげようかね?」


なんだか不穏な空気が漂う中、私は一言「精神壊したり、殺したりはしないようにね」と釘を刺して寝ることにした。


……すまない宮藤に原山と栗原。いい思いしてきたんだから、少しは痛い目見ても恨まないでね。


私はこのあと起きる事が確定している地獄を少しでも軽くなるよう祈るばかりだ。























次の日、私は一番で買ったフルーツを丸かじりしながら三人組を待ち伏せする事にした。


…まぁ私は少し離れた所でメルナとベルがいきなり転移者を襲わないか監視しているので基本戦闘には加わらない予定だ。


「…メルナさん!おはようございますッ!」


そうこうしていると、転移者の一人の原山がまんまと引っ掛かってくれた。


「あら、昨日の人達。何やっているの。」


「依頼でも探しているのかい?」


宮藤と栗原も芋づる式に釣れた。


「そうなんだけどね…中々良い依頼が見つからなくって、私達二人だと手に余る依頼か、大した報酬が貰えないのしか無くって……」


そう言ってベルは少し視線を落とす。


「それだったらさッ!俺達とダンジョン潜ろうぜ!」


「ほ…本当に良いの?!」


「まぁ良いんじゃない?妹さんもいるから大変そうだし。」


意外にも栗原は止めるどころか、嫌がりもしなかった。


「それじゃあみんな不満も無さそうだし、ダンジョンに潜りますか。」


宮藤はそう言って、出発の準備のためにギルドに併設されている店でポーションと言われる回復道具を買った。


ちなみにポーションは材料などによって効果は変わるが、怪我した所に直接掛ければその部分が集中的に回復して、飲むと体全体の傷を癒す事ができる物だ。


しかし、例えば指がなくなってしまったなどのいわゆる部位欠陥の場合は、基本的に賢者と言われる人が作るような、日本円にするとどんなに低くてもウン千万、高ければウン十億するような物でしか直せない。


……まぁ私も作るのに手間がかかる物だから、暇潰しに結構作っていたけど、大体の場合は魔法で治す方がすぐに再生してくれるからから使う機会殆どないけど。


そんな感じでパパっと準備を終わらせると、転移者組プラス、メルナとベルとこっそりついてきている私の計6(5)人でダンジョン攻略に向かった











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