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妖精族に転生した元男の私は勇者達からスキルを回収する  作者:
2章 公都の女剣士と錬金術士
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レウーラ公国9

私と尚樹はその後30分近く模擬戦を見いて途中から集団戦も見たが、こういうのはあんまり見たことが無いため飽きる事無く見ていると、いきなり理恵が大声で


「全員模擬戦を止めろ!」


兵士の皆さんは模擬戦を止めて理恵の方を見た


「今日の練習はここまで。だが最後に私と模擬戦をやってもらう」


その事を聞いたとたん兵士の皆さんの雰囲気が変わった


さっきまでは学校が後もう少しで終わりの小中学生のような感じのほんの少し浮わついたような感じだったのに、急に嫌そうな雰囲気になった


「だが今回は複数…3対1での模擬戦でルールは相手が失神または戦闘不能、武器を落とす、フィールドから落ちる

この3つのどれかに当てはまったら失格。もちろん降参はなしだし、逃亡も禁止。

そして今から選ばれた者は拒否権は無い」


兵士の皆さんの雰囲気がさらに嫌そうな雰囲気になった


理恵はわざとなのか、気付いていないのかそれを無視して話を続けた


「模擬戦の参加者はイーサン、イラナ、リミアの3名でフィールドは…

松岡尚樹上等魔法兵、ここの土を使って簡易的な台を作ってもらいたい

もちろん後片付けも込みで頼む」


すると尚樹は小さくため息を付き、立ち上がると理恵の所に向かった


「それで近藤理恵特別遊撃中隊長殿、高さは1メートル直径10メートル程でよろしいでしょうか?」


「あぁそんなとこだ。よろしく頼むぞ」


「解りました…では『クリエイト』」


尚樹がそう唱えると、尚樹から体力の魔力が流れだし地面に潜り込み、次の瞬間どんどんと地面が盛り上がりあっという間に高さ1メートル直径20メートルのフィールドができた


(これはすごいわね…いくらスキルがあったとしても凹凸もほとんど無いフィールドを作り出すなんて)


私はその完成度に内心とても驚いていた


「よし上出来だ」


理恵はできたフィールドを見て満足そうにうなずいた


「では戻って見学をさせていただきます」


尚樹は私の所に戻って隣に座った


「おにーちゃんすごいね!いきなりあんなにおっきなものつくっちゃうなんて!」


私が幼い子供のように無邪気に尚樹の事を褒めると、少し恥ずかしそうにでも「おにーちゃんはあんな事できるんだよ」と誇らしげに言った


だがそのようすを羨ましそうに見る者達がいるのに尚樹は気づいていなかった


「……やってやる……やってやるぞぉぉぉ!」


イーサンさん達がものすごいやる気を出し初め、残りの参加する2人もさっきまでの嫌そうな雰囲気が無くなりあからさまに態度を変え、フィールドに上った


「それでは初めるぞ!

……クロノスちゃん見ていてよね………」


理恵も模擬剣を持ち、フィールドに上がった


私は理恵と3人の嫌々やらさせれている兵士の皆さんにエールを送った


「おねーちゃんもへいしさんも頑張ってー!」


私は元気一杯にニコニコしながらそう言った


「おうよー!」「ありがとうクロノスちゃん!」


私のエールに応えるようにイーサンさんと理恵の声が重なった


「イーサン今の応援は私に対して言われた物だ。お前が応える必要は無い」


理恵は少し機嫌が悪そうにそう言った


「何をおっしゃっているのですか?あの声援は我々生け贄に対して言われたものでしょう?隊長殿は応える必要は無かったのでは?」


理恵と兵士の皆さんは私のエールを送った人が誰かでなぜか、争いを始めた


「……まあ良いわ。早く始めるわよ」


「……そうしましょう」


イーサン達兵士と理恵はある程度離れ、戦いが始まろうとしていた


辺りは静寂に包まれ、緊張感が漂ってきた


「それでは……始めッ!!」


審判の兵士の人の合図で戦いは始まった


「『スラッシュ』!」


開始早々イーサンは特技を使って斬撃を飛ばして来た

斬撃はビュュュと言う音を立てながら飛んで来たが理恵は肩をずらしてスレスレで回避した


「お返しどうぞッ『スラッシュ』!」


理恵もイーサンに斬撃を返してきた


だが威力はイーサンが飛ばして来たのよりも強力で、音もさっきとは違いゴォォォォという当たったらタダではすまなそうな音がした


斬撃はイーサンめがけて飛んで来たが素早く右に避け、リミアとイラナに何か指示をするとすぐに理恵を包囲するように3人はそれなりの距離を取った


理恵は忌々しそうにイーサンを睨み付け、様子を伺った


イーサン達兵士の皆さんは理恵を中心にするように回りながら、ジリジリと距離を詰めていた


理恵は一歩踏み出し、斬りかかろうとしたがその前に


「「「『『『スラッシュ』』』」」」


3人は一斉に理恵に向かってさっきよりも速い斬撃を飛ばしてきた


斬撃は縦に飛んで来ているので伏せて避ける事はできなく理恵は反射的にジャンプした


ステータスの高さがあるが理恵は約5メートルの高さまでジャンプをした


イーサン達はその隙を見逃す訳も無くもう一度


「『スラッシュ』」


イーサンが空中にいる理恵に向かって今と同じくらいの速さの斬撃を飛ばしてきた


「ちぃっ…」


理恵はすると飛んできた斬撃を剣で叩き相殺するという荒業で防御した


私は300年程生きていたが、魔法を叩いて消したりするのは見たこともやったこともあるが、さすがに飛んでくる斬撃を叩き落とす荒業はさすがに見たことが無かった


私も一瞬呆気にとられたが、他の尚樹や見学の兵士の皆さん、それに今模擬戦しているイーサン達はもっと驚いていた


理恵はそのまま重力に逆らわずに地面に着地した


もちろんイーサン達に包囲された所に


「……イーサン達中々やってくれたじゃない」


「中隊長こそ斬撃を切るなんて技、聞いたことも見たこともありませんよ」


理恵はイーサンと向かい合うように対峙していて、その右後ろにリミア左後ろにイラナがいて剣を構えていた


「でもここで終わりにさせてもらうよ『閃光の剣』」


理恵は高速でまずはイーサンに接近し振った


だがその一撃はリミアには見えていなく、剣を弾かれ落とした


リミアに近かったイラナは理恵に斬りかかろうとしたが剣で防御し弾いた


今回はリミアのように剣を落とすことは無かったが、隙ができた


すかさず理恵は胴体に切りつけて、衝撃でイラナを失神させた


「ははは……」


イーサンは苦笑いしかできなかった


「あとはお前だけだ。覚悟しろ」


イーサンは最後の抵抗で理恵に斬りかかるため走り出した


それを迎え撃つため理恵も走り出した


イーサンは理恵が切りつけられる範囲内にいると思った瞬間剣を横におもいっきり振った


しかし当たった感触は無く


「ぐうっっ………」


腹の辺りに強力な衝撃を受けて、イーサンの意識は無くなった


「そこまでッ!!」


審判の兵士の人がそう宣言しこのいささか激しすぎる模擬戦は理恵の勝利という形で終わった










特技について補足


特技は練習などで覚えられる技で、特技を覚えていると戦闘の幅が上がる

スキルを持っていなくても特技は覚えられ、ジョブによって覚えやすい特技も違ってくる


また魔法とスキルは全くの別物である

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