レウーラ公国3
私は黒髪の少女…理恵と呼ばれた少女に質問責めにあっていた
「ねぇ君、何であんな所にいたの?
親や家族はいないの?
あなたの名前は?
何歳なの?
ねぇ聞いている?」
私はその気迫に押されて何も言えないでいた
「理恵さん理恵さん、この子怖がっているから、もっと優しくゆっくりと言わないと」
隣ではそれを優しく指摘し、やめさせようとしている
「ふぇぇぇー!怖いよぉ」
私はまた嘘泣きを初めてごまかした
「理恵さん!泣かしちゃったんじゃないですか!」
「だっ、だって仕方ないじゃない!聞きたいことがたくさんあったんだから!」
理恵と呼ばれた少女と、尚樹と呼ばれた青年は痴話喧嘩のようなことを始めた
その様子に嘘泣きしながらも、「仲が良さそうだなぁ」と思いながら、このあとどうやって逃げ出すか考えていると
「…理恵さん!もうそろそろ時間がなくなってきているから、お城に連れて行ってそこでゆっくりと話を聞きましょう」
「…こんなところで見捨てるのも確かに後味悪いから、そうしましょう」
尚樹は私のことをおんぶして、そのまま大通りに向かって歩き出した
30分歩くと、中世の城のような見た目の城前まできた
理恵は門番に何かを見せると、敬礼をして尚樹と一緒に通してもらった
城の中でたまにすれ違う人は尚樹が背負っている私のことを二度見したりしていた
理恵と尚樹はカーペットのひかれた階段を上り、2階の奥の方にある部屋の中に入った
部屋の中は机と椅子、ベッドがあるだけのシンプルな部屋だが、一つ一つが高級そうな物だった
「ねえまず君の名前は何?」
私は偽名を使おうかと考えたが、正直に本名?を言うことにした
「くろのすだよ」
「クロノスちゃんか…男の子みたいな名前だな…」
「クロノスちゃんは何歳なの」
「6さい!」
本当は300歳超えのロリババアだが
「クロノスちゃんの家族は誰が何人いるの?」
私含めて家族4人ということにしようとしたが、もしも私のことを回収しにきた時に矛盾が生まれるかもしれないから
「3人でおねーちゃんときたの」
「…姉がいたのか…こんな可愛い子から目を放すなんて…」
「最後の質問だけど何であんな所にいたの?」
私はこの質問の答えをどう説明すれば、最善な結果になるのかをさっきから考えていたが、さっぱり思いつかなかった
私はしかだがなく
「わかんないの」
我ながら苦しい言い訳だ
「…わからないのかぁ…正直言ってこれだけは、方法も思いつかないしお手上げだな…」
ごめんなさい私は妖精族だから飛んだだけです
「…尚樹、この子じゃあどうするの?」
「この子の姉に引き渡すのが良いんだけど…
さすがに僕達が派遣された人だとしても、平民の子供の家族を探してくれるとは思えないし…」
尚樹は私のことをどうするか迷っているようだが、理恵は
「私達が探せば良いのよ!
私は一応騎士なんだから、公都を巡回ができるから、私が探すわよ」
「…確かにそれくらいしか思いつかないし…
じゃあ理恵さん、明日からお願いします」
「何言っているの!尚樹も一緒に探すのよ!」
尚樹はため息をついて承諾した
ご苦労様です




